発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

投薬治療以外で、ADHDに一番効くのはサウナではないかというお話

サウナは最高である

いきなり大見出しで始めましたが、僕はサウナが大好きです。一ヶ月にどんなに少なくても5回は行きますし、多いときは20回行きます。生活のルーチンの中で絶対に外せないものの一つがサウナであり、銭湯通いであると言えます。

サウナが健康に良いとか悪いとかそういうお話に興味はないです。僕がサウナに通う理由は本当に明白で、大変気持ちが良くて仕事が捗るから。この二つだけです。最近僕はちょっと仕事の調子を崩していたのですが、これはバイクが故障して銭湯に通うのが面倒になったタイミングと見事にリンクしており、最近また必死で通い始めてだいぶ復調してきました。最早、サウナなしで生活が成り立たないレベルと言っていいと思います。今日はいかにサウナが素晴らしいかを語るエントリをやります。

 

サウナによって得られるもの

僕はADHDですので、精神は基本的に雑念まみれです。思考があっちに飛び散りこっちに飛び散り、考えるべきことを考えやるべきことをやる、たったそれだけのことに非常に大きな困難があります。そういう時に必要なのがサウナです。手をつけたくない仕事に取り組む前にサウナに行けば、手をつけられる確率が3倍くらい上昇します。

また、仕事も非常に捗ります。これは雑念でぐちゃぐちゃだった精神が統一されたからとしか言いようがありません。細かい機序はよくわかりませんが、明確に差が出ます。いうなれば、ADHD的な欠点を一時的に補ってくれるのです。

現在はある程度ストレスの少ない生活をしていますが、かつて会社を経営していたころは仕事や生活におけるストレス量が現在の比ではありませんでした。不安に押し潰されたまま、無為に時間が経過していく。焦燥に焼かれながら部屋の中をグルグル回っているうちに陽が暮れる、そういうことがわりとよくありました。そういう時に、無意味な焦燥や不安から自分を断ち切るための方法がどうしても必要でした。

サウナに入ると気持ちが切り替えられるということに気づいたのは、ほんの数年前です。それまで、どちらかといえばサウナは得意ではありませんでした。だって、暑いし不快だししんどいじゃないですか。しかし、一回その効果に気づいてしまった後は「サウナの無い生活はありえない」くらいまで感覚が変化しました。

 

サウナのADHD鎮静効果について

先にお断りしておくのは、このサウナの入り方は「健康」とか「安全」を割と無視しています。僕が経験的に一番求める効果を出せるサウナの使い方を追求していった結果生まれたものです。あくまで参考にする程度に留めて、安全を最重視してサウナを楽しんでください。

そういうわけで、キーポイントは「温度差」だと僕は考えています。僕がメインで通う銭湯は、サウナが90度、水風呂が14度です。その温度差は実に76度。あちらこちらのサウナを体験してみた実感ですが、この温度差が大きければ大きいほどサウナの効果は高まります。逆に小さいと効果はイマイチです。水風呂が25度くらいの設定の銭湯も結構ありますが、そういうところだと望んだ効果はまず出ません。

サウナが自律神経失調の改善に効果があるという話はよく聞きます。これは事実だと思います。長いこと部屋に篭っていたりすると起こりがちな「寒いんだか暑いんだかわからない」とか「顔は火照るのに身体は冷たい」というような体調悪化にももちろん効きます。しかし、僕が最重視しているのはそれではありません。ADHD的な「刺激に対する過敏性」であるとか「衝動的な行動」といったものがサウナで鎮まるという実感があるのです。

サウナに入ると、まずは非常に暑いですよね。ADHDは大抵、身体的な不快感に耐えるのが非常に苦手です。僕は感覚過敏の中でも皮膚感覚の過敏を非常に強く持っていて、例えばマフラーを巻くことが出来ません。首に不快感があると何も出来なくなってしまいます。服の素材が毛羽立ったものだったりしても最悪です。皮膚に違和感があるというだけで、すべての集中力が死んでしまうのです。

そういう点からすると、サウナはADHDにとって地獄そのものです。また、水風呂も同様に大変キツいです。身体的な不快感の極地みたいな場所ですからね。即座に逃げ出したくなります。僕は本来、長風呂も出来ないタイプでした。身体の温度が上がりすぎるのは即座に不快ですし、じっとしているのも苦手です。

しかし、それに敢えて耐える。そして、水風呂に入る。これを数回繰り返します。すると、外界への過敏性が鎮まり、非常に落ち着いた精神状態がやってくるのです。まるで、身体の回りに保護膜が出来たかのように過敏さが鎮まるのは非常に心地よい体験です。これは副交感神経と交感神経の働きの改善だけでは説明がつかない気がします。

 

ストレスが快感に変化し、脳が整う

例えばですが、室温の高い部屋で汗をかきながら過ごすのは単純に不快です。しかし、小一時間も強度の高い運動をして大汗をかくのは、大体の人は最終的に心地よいと感じると思います。その後に入るシャワーは格別の気持ちよさでしょう。快と不快は表裏一体だというのは間違いのないことだと思います。

これはもっと極端に言えば、歯医者の治療が終わった後って妙に清清しい気分になったりしませんでしょうか。痛みや苦痛が去った後に発生するあの幸福感や心地よい精神の状態というのはあると思います。いわば、強い身体的ストレスというのはその後の幸福感を約束しているともいえると思います。サウナの効用はこれに近い。虫歯の痛みが止まれば人間は幸福になります。

90度のサウナ、14度の水風呂、どちらも身体的ストレスとしては相当にヘビィですよね。90度のサウナに人間を1時間も閉じ込めておけば生命に関わります。14度の水風呂に1時間入るのもかなり危ないと思います。それだけの、それも温冷両極端のストレスを短時間に身体にかけるわけです。これはかなりの負荷です。

サウナに入るとまずは脳が「これはやばい、これはやばいストレスだ早く逃げろ」と指示を出してきます。この感覚に僕は覚えがあります。やりたくないことに手をつけようとしているときに発生するアレと強度の差はあれ同質のものだと感じます。「不快だ」「離れろ」「イヤだ」と脳が暴れるわけです。しかし、それをねじ伏せて身体的な限界までサウナに入り続ける。そして、その後水風呂に浸かる。しかし、限界までサウナに入った後の水風呂は非常に心地よいものです。この辺で脳が少し考えを改め始めます。「頑張ってサウナに入ると気持ちいいのでは」というやつです。

水風呂に限界まで浸かったあとは、サウナが逆に心地よくなります。冷え切った身体を温めているのだから当然ですよね。これを繰り返すことによって、脳がだんだん外界の刺激に対して寛容になっていくのです。「意外に大丈夫な刺激っぽい」と脳が認識していきます。知覚過敏が収まっていくのです。サウナ直後にマフラーを巻いてみたことがありますが、劇的に不快感が減少していてびっくりました。

ADHDの問題は大雑把に言えば「過敏さ」に集約することが可能だと思います。ストレスへの過敏さ、刺激への過敏さ、あるいは不快感への過敏さ。こういったものが衝動性の引き金となり、あるいは先延ばしなどの問題を生み出します。これらの問題をかなり効果的に解決する手段がサウナだと僕は思っています。

 

過敏さを抑え込むためのサウナ入浴術

そういうわけで、ADHD対策としての具体的なサウナの入り方です。「可能な限り身体的ストレスを効果的にかける」を眼目にしています。なお、時間などはかなり大柄な僕の身体に合わせたものなので、各自微調整してください。

温浴3分

まずは軽くお風呂につかりましょう。

②水風呂5分

お風呂でほどよく温まったところで水風呂に突入してください。温浴を最初にしたのは、この水風呂を可能な限り大きい身体的ストレスにするためです。軽く温まった身体に冷水のストレスのギャップは非常に効きます。気合いを入れて5分浸かってください。

③サウナ10分

水風呂5分では「冷え切った」といえるほどに身体は冷えていないと思いますので、温度ギャップのせいでサウナのストレスも非常に強くなっていると思います。10分踏ん張りましょう。ちなみに、僕の通う銭湯のサウナに備え付けられている砂時計は10分計で、「5分程度で出るんじゃねえぞ」という強い意志が感じられます。なお、「サウナの身体的ストレスに耐えられない」という方は、冷水で濡らした手ぬぐいを頭にかけて入るのがお勧めです。頭部はすぐ熱くなるのですが、身体に十分に効かすにはもう少し頑張る必要があります。頭部の温度上昇を抑えてやればかなり楽になるはずです。

④水風呂10分

うまいことサウナが決まっていれば、この水風呂辺りから「心地よい」という感覚になってくるはずです。ここで心地よさが感じられない場合はサウナに入る時間が足りない、あるいは体調が悪いなどで身体的ストレスに耐え切れていない可能性があります。無理はやめましょう。僕もここで撤退することは結構あります。

⑤サウナ15分

この辺で水風呂で身体を冷やしきったこともありますが、何より温度ストレスに身体が馴れ始めていると思います。ガッツリやりましょう。ここがメインです。ガンガンに身体を熱してください。この辺から意識変性が感じ取れて、精神がクリアになってくるのがわかると思います。サウナ・ハイの始まりです。この時間は考え事にも向きます。非常に頭が冴えてくるのがわかると思います。

⑥水風呂15分

理想的な展開になっていれば、この水風呂はまさに「無心」という境地になれると思います。僕は大体この辺りで、視野が急激に広がるのが感じ取れます。文字通り「視野が狭くなっていた」ことがわかってきます。「ああ、銭湯の天井は高いなぁ」とか思えればかなりいい状態です。不安や焦燥から開放された、心地よい精神の状態がやってくるでしょう。低温によるストレスはほぼ感じなくなります。

⑦サウナ5分

ここでもう一発サウナ15分も可能です。帰宅して即座に布団に入るなら、ここでもう一発長いサウナを決めるのがいいでしょう。しかし、僕は帰宅したら即座に仕事を始める前提ですので、このあたりから平常な状態への復帰を目指します。身体の芯まで温めるというよりは、平常な温度に身体を戻すのがメインです。ここでもう15分くらい入った場合ですが、身体が疲れきるので非常によく眠れます。不眠対策などの場合はガッツリやってもいいと思います。

⑧水風呂5分

最後のシメです。サウナで終えるか水風呂で終えるかは議論が分かれるのですが、僕は水風呂で終える派です。「ビールを飲んで寝る」みたいな目的の場合はサウナで終えてもいいと思いますが、仕事をするなら間違いなく水風呂で終えるのがベストでしょう。この辺から大変意識がシャキっとしているのが感じ取れると思います。

 

ストレスや刺激に強くなるためのサウナ

実際、この辺の効用は僕の体感としては明確に「事実」なんですが、皆さんの身体や脳に発生するとは限りません、だからこそ是非試してみて欲しいと思います。発達障害に非常にありがちな「過敏性」の克服が、「ストレスに慣れる」ことであるのはある程度事実だと思います。いわばサウナは「ちょうど良いストレス」なのではないかと思うのです。

また、ストレスに耐えた後には快感がついてくるので、報酬系を正常に稼動させるためのトレーニングになっているのではないかという気もします。実際、サウナに入った後は非常にポジティブな気分になり、苦難に向き合おうというモチベーションが高くなるのです。僕の場合は、ですけれど。

強度の高い運動などでも似た効果は見込めると思います。また、「サウナ」と非常に似通う効果があるものとして、僕の経験しているものは「格闘技」です。痛みとスリルを伴う強度の高いトレーニングの後には非常に強い快感と整った精神の状態がやってきます。しかし、社会人が「仕事の前に手軽に殴りあう」なんてのは非常に難しい。そういうわけで、僕はサウナがベストメソッドだと思っています。また、ストラテラを飲んだ後に感じる「鎮静」や「視野の広がり」も非常に似たものを感じます。

ただ、やはり高温と冷水を往復するのは心臓などにも負荷をかけると思いますし、当然リスクはあります。そういうわけで、身体の状態を見ながら是非試してみて欲しいです。そして、今のところn=1の体験談を、もう少し説得力のあるものに出来ればいいな、と思っています。なんにしても、サウナは最高なので皆さんも試してみましょう。

なお、僕は強烈にサウナが熱く、水風呂が冷たい銭湯を常に探しています。今のところ、90度ー14度が最高の温度ギャップですが、もっと大きいところがあれば是非体験してみたい。水風呂10度みたいなエクストリーム銭湯をご存知の方は是非ご教授ください。やっていきましょう。

ADHD事務ミスドミノ倒しを止める話

やっちまいました

こないだ「いやー、仕事調子いいわぁ。マジ調子いい、もう俺イケてるビジネスマンじゃね?」みたいなエントリあげたと思うんですけど、その直後に職場でやらかし祭りが発生しまして、反省するしかない状態に突入しておりました。ADHDが調子に乗り出すと即座に穴に落ちるということがよくわかりますね。久しぶりに「ああ、そういえば俺こういう奴だった」と思い出させてくれた良い体験だったのでエントリにまとめようと思います。嘘です。わりとヘコんでます。

ただ、非常にびっくりしたのは普段からそこそこ得点を稼いでいると、大ポカ祭りが発生した時に周囲が心配してくれるということです。「大丈夫か」「体調悪いのか」「早退しても大丈夫だぞ」などのお言葉をいただき、ああなるほど人間というのはやさしくしていただける状態を作っていればやさしいのだな、という感想を抱きました。いや、実際弊社の皆さんはやさしいんですけど、それはそれとして。

 

そういうわけで、事務ミスドミノ倒しの発生機序を追ってみましょう

最近僕は、営業だけではなく事務も担当させていただいています。というのも、弊社は中小企業にありがちな「誰かが職人的技能でこなしている技術が他の誰にも伝達されていない」という状態で業務が回っており、事務職人の退職の後は「効率的な事務」がロストテクノロジーになってしまいました。僕が担当させていただいているのは、書類作成などを「誰でもすぐ習得できて効率が良い」形にする業務です。

僕は、意外とこの手の業務が嫌いではありません。元来「非効率的な作業大嫌い」という性質がありますし、小学生のころは漢字のドリルを一文字ずつではなく、一画ずつ流れ作業で書いていくあの方式で片付けていました。エクセルの使い方をググりつつ、複数の書類を最小の手数で仕上げるアレを作ったりしています。

事務職人が退職して以来、弊社は事務を営業傭兵達が分かち合うことで何とかギリギリ回っていたのですが、営業傭兵たちは概してエクセルが使えません。臨時で雇われる事務傭兵はエクセルが使える人もいますが、書類の作り方や関連法規がわからない。そういうわけで、そこそこ書類周りがわかり、かつエクセルの使い方をググることが出来る僕がこのお仕事を担当しているわけです。(エクセルには特に詳しくありません)

そういうわけで、ガリガリと業務を効率化しつつウォォーと書類を捌いていたため、最近の僕は絶好調でした。仕事というのはひとつ調子がいいと他も調子がよくなります。そういうのいいよね…。いや、本当に良かったんですよ最近は…。しかし、これが結果的には地雷の埋設作業になっていました。

 

コンサータを飲み忘れた上に常備薬を忘れた

やらかしの直接の原因はこれです。最近僕は調子に乗っていたため、「コンサータが無くても大丈夫」という意識がどこからか生まれ、ちょくちょくコンサータを服用し忘れていました。これが、前段の「事務効率化エクセルシート」の中に地雷を発生させた要員だと思います。事務効率化エクセルシートはとても便利ですが、「一箇所間違っていたら、そのシートを利用して作られる書類は全て間違っている」という恐ろしいデメリットがあります。コンサータなしであの作業をするのはダメとしか言いようがなかった…。

そういうわけで、書類を5セットほど作成した後に「全部間違っている」が発生しました。アアアアー、と叫んでも時既に遅し。やり直しです。更に恐ろしい事態として、僕が業務用PCの中に放置しておいたエクセルテンプレを「おっ、出来てるやんけ!使ったろ!」した上司の書類も全部間違っているという事態が並列で発生していました。(これは僕のせいじゃないと思う)

そういうわけで、書類10セットの直しが発生したわけです。この時点で、僕には若干のパニックが発生していました。しかし、本質的にはまだ焦るようなタイミングではなかった、時限は全然大丈夫だったんです。ここで、ワイパックス(安定剤)を1ミリ服用していれば、何事もなかったと思います。

しかし、僕は仕事をナメていたため常備薬の補充を忘れていました。そこに、「1時間以内!」という仕事が追加で飛んで来ました。これは、結構切迫した仕事でした。しかし、僕の頭の中は「エクセルテンプレが間違っていて大量の書類の直しが発生している」で一杯だったんですね。ドミノが倒れ始めていました。しかし、まだこの時点で僕は自分のパニックを把握していませんでした。「まぁ大丈夫」という妙な楽観があった気がします。

 

頭が切り替えられない

そこに更なる問題が発生しました。アルバイトさん職場ブッチです。おいおい、参ったな今日の雑用は全部アルバイトさんに任せる予定だったのに、あれも全部やらなきゃいかんやんけ…。などの雑念が頭の中でゴチャゴチャし始めました。更にそこに私用の連絡が鳴りました。僕は、複数の仕事を掛け持ちしているため、業務中の私用電話が許可されています。しかし、このタイミングで他の仕事の電話なんか取るべきではなかった。「一度気になったら無視出来ない」という衝動性が遺憾なく発揮されています。

この辺りから急激にパニックが深刻化しました。この時点で入っている仕事を優先度で整理してみましょう。

1.1時間以内の書類作成業務(1時間以内必達、所要時間30分程度)

2.アルバイトさんが今日こなす予定だったルーチン業務(本日必達)

3.書類10セットとエクセルテンプレの直し(時限が近いもので翌日)

4.私用業務(業後にやれば良い)

どこからどう見ても全く焦るような状況ではありませんね。なんのことはない、この順番でこなせばいいだけです。とにかく1.をやって2.をやる。3.はとりあえず放置で良かった。4.に至ってはは勤め仕事が終わってから考えることです。

しかし、僕が最初に手をつけた作業は、3.だったんです。今思うと全く意味不明です。それじゃねえだろと。更に、これが思ったよりも苦戦しました。妙に深い場所にミスがあったんですね。直らない、段々イライラしてくる、しかし一度意識がここに引きずり込まれた以上手を離すことも出来ない。ワイパックスさえあれば引っ剥がせたでしょうが、この状態に入ると僕はもうダメなんです。

 

おい、あれ出来たか?

僕が「やべえ」と判断して1.の作業に戻ったのは残り時間20分ほどになった頃でした。全力でやれば20分あれば達成可能な作業ではあったと思います、しかしこのパニック状態で通常30分かかる作業を20分に巻けるかといえば、そんなことが出来るわけがありません。

「すんません!トチりました!あと10分ください!」と叫んだところで、再び私用電話が鳴りました。今度は無視しましたが、これが更にパニックに拍車をかけ、10分の遅滞の末ギリギリアウトで提出した書類は当然のごとく間違いだらけでした。この辺で、脂汗をダラダラさせながら目を血走らせている僕が「おかしい」ということに社内の皆さんが気づき始めます。

そして、書類のリテイクを更に1回トチりました。この辺でタイムアップです、上司が直しを入れて何とか間に合いはしましたが、僕の上司は通常リードタイムを取るタイプではありません。この日はたまたまお客様が遅れたせいでリードタイムが発生したので助かっただけです、本来ならアウトだったでしょう。

そして、その後のメタクソは言うまでもないですね。ルーチン業務をミスりまくり、パニックを沈静化しないままエクセルテンプレの直しに再び着手したため、百枚以上の印刷用紙を無駄にしました。もう、最後の数時間は「いない方がマシ」レベルの作業精度にまで落下していました。

上司から「体調悪いだろ、どうしたんだ」と声をかけていただいた時に素直に「すいません、調子悪いです、ちょっと時間貰っていいですか」などの手を取ればよかったのでしょうが、口からは脊髄反射で「大丈夫です!」が出力されます。一回仕事から離れて煙草の一本も吸えば少しはマシになっていた筈なんですが…。

もうここから先は思い出したくないですね…。自分が何をしているのかもわからない状態に突入していました。

 

かつてはこれを毎日やらかしていた

今思うと、これは僕が最初の職場で死んでいったパターンです。当時の仕事は現在の倍以上の負荷がありましたので、このような事態は恒常的に発生していました。だから、僕はそこから学んである程度の対策を打っていたのですが、気の緩みが全てをブチ壊しにしてしまったわけです。

対策は本当にシンプルなんです。まずは、ちゃんとコンサータを飲む。これだけで事務ミスの発生は半分以下になります。そして、「ヤバイ」と感じた時にすかさずワイパックスを飲み、まずは落ち着いてタスクの優先順位を整理する。それさえやっていれば、このドミノ倒しはは1~2個倒れたところで止まっていたでしょう。

僕は「そういうことは起きる」と知っていましたし、対策法も十分に心得ていました。しかし、鞄の中に薬が入っていなければ全ては台無しです。僕がツイッターでひとつの話題から全く離れられなくなっているのを見ていただければわかるとおり、僕の強烈な衝動性は意思の力で何とかできるものではありません。コンサータで恒常的に抑えつけ、安定剤でさらに散らせてやらなければ誰にもどうにも出来ません。

しかし、僕は現在非常に自由な形で仕事をさせていただいています。どれくらい自由かというと、事務仕事の最中にいつでも煙草を吸いに抜け出せるくらいは自由です。それで沈静化はしなかったにしても、とるべき対応策は「まずは10分仕事から離れて頭を整理する」だった筈です。あるいは、「タスクの優先順位を紙に書き出す」だったでしょう。わかりきっていることが何ひとつ出来ませんでした。これだけ整った環境下でも、自分はやらかすのです。

 

備えを欠かしてはいけない

「自分は環境や道具を整えてやっと人並み、あるいは人並み以下である」ということについて、改めて認識をしなおしました。仕事に雑な取り組み方をしていては、間違いなく総崩れが来るのです。わかってはいたのですが、ついつい緩んでいってしまいました。勤め以外の仕事も忙しく考えることがたくさんあった…なんてのは言い訳になりません。というか、忙しさのピークを過ぎてからやらかしましたし、あまり関係ないような気もします。

一ヶ月ほど前は抱え込んだ仕事に追い立てられ、それこそ二日三日一睡も出来ないことはザラ、みたいな状態でしたが、その時勤め仕事はむしろ好調でした。山場を抜けて緊張感が失われたことによって発生したと考えるのが自然です。本当に肝に銘じなければいけませんね、これは…。

現在の、いくつもの仕事を掛け持ってそれぞれをこなしていくスタイルは、ひとつのことに集中するのが苦手な僕にはとても向いていると感じています。人生の中では最も自分に向いた働き方が出来ている実感はあります。それでも尚、こうなってしまうのだからどうしようもない。

そういうわけで、ひとつハックを追加しました。手帳の1番手前のページに

パニック時の対処

1.服薬

2.業務から一度頭を離す

3.タスクの優先順位の整理

4.時間があれば煙草を一服

と書き込みました。何もかもがわからなくなったときはとにかくこのページを参照すれば立て直せるのではないかと思います。そして、鞄には大量の常備薬を補給しました。手帳にも「薬の補給」をスケジュールに一週間おきに書き込みました。

これでなんとかやっていこうと思います。自分は環境と備えを完璧に整えていなければ、あるいは整えていても尚「やらかす」人間であることを忘れないようにしたいです。パニックはいずれまたやってくるでしょう。次は上手に切り抜けてやりたいですね。

ここを読んでいたら大惨事ではあるのですが、それでもパニック野郎を一切叱責せず、むしろ心配してくれた職場の皆様に心から感謝しています。本当にありがとうございます。やっていきます。

 

アキンドセンター様更新告知です

おなじみニューアキンドセンター様更新告知です

new.akind.center

まぁ、今回もイヤーなお話を書いているわけですが、会社創業ってそういうものだよな、という感じのあれです。人間はわかりあえない、とても悲しい。でも、悲しみを最小限にするためにコトが起きたらすばやく腹を括りましょう、なるべくなら起きる前から括っておきましょう。そういうことですね。

。いつもご閲覧ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。いやホントに。皆様に支えられて頑張っております。

それでは、僕は昼休みを満喫してまた仕事に戻ります。皆さんも、今日を頑張ってください。いつだって今日を頑張るしかないですね。

ADHD営業マンの心得一覧

営業してます

最近は職場で色々あり、端的に人が全く足りず営業から事務まであらゆる仕事をしています。また、ツイッターをご覧の方はご存知かと思いますが、文章を書かせていただく仕事もモリモリ入れており狂った多忙さが発生しております。めっちゃツイッターしてるだろ、というところですがあれだけが息抜きなので・・・。基本的に勤め仕事をしているかモニタの前で文章を書いているかの人生です。

とはいうものの、前回のエントリの通りわりと仕事は充実しており、勤め仕事は人生で一番円満に進んでいる感じがします。「仕事楽しいなぁ」という本当に久しぶりの感覚がありますね。何せ、最初の職場は「楽しいことが真剣に一つもなかった」くらいの感じですし、起業の方は後半戦が人生最大級の地獄でしたので。いや、これは本当に悪くないです。

その上で、ここしばらくの営業マンとして知見を総動員して、ADHDとしての営業業務ハックを考えてみましたので、宜しくご査収ください。基本的に「営業として成績を上げる」ハックではなく、「曲りなりにも何とか営業として機能する」ハックですので、この上にいわゆる営業マンの心得を追加していく感じで運用していただければと思います。

アポをチギらない、最も重要なことを定義する

営業をやっていて一番やばいと感じたのはとにかくこれです。営業というのは身体一つで行けば出来るものもありますが、事前準備が必要なケースも多々あり「やべえ忘れてた」の恐怖が思った以上にあることが分かってきました。何より「アポイトメント自体を忘れる」は本当にヤバい話です。営業マンにすっぽかされたら「死ね」以外の感情は出てこないですよね。これは流石にやばい。

とりあえず、資料などの営業上必要なツールについてはお約束の「使う可能性があるものはひとまず全て鞄に突っ込んでおく」で対処していますが、スケジュールの管理だけは厳しさがあります。しかも、僕の現在のお仕事は営業に留まらず内勤もあれば外勤のお仕事もあり、スケジュールはゴチャゴチャに絡み合ってしまう。これはかなり厳しい。そこでまず最終防衛ラインを定めるようにしました。

・とにかくアポだけはチギらない

これさえ出来ていればOK、というのが僕の仕事における最終防衛ラインです。営業以外の仕事の進捗や、後に伸ばせるタスクは全て営業アポイトメントに「優先しない」という定義をガチガチに固めました。これだけはやる、後は全て「何が起きても気にしない」という覚悟です。どうせミスはやるんです。

 

スケジュール混乱の本質は優先順位の混乱

最近スケジュール混乱の本質がやっと見えてきたのですけれど、それは優先順位の混乱だということが分かってきました。「何を先にやるべきか」「何が大事な仕事か」を考えるのが僕は非常に苦手ですし、些細な仕事の失敗でコンディションが大きく揺らぎます。これは予め明確に定めておくのが一番です。

つまるところ、トチった時のダメージが、「ゴメンナサイすれば本質的に問題のない場合」と「明らかに利益を逸失する、あるいは損失を出した場合」で大差がないのです。衝動性が強く過敏な性質が遺憾なく発揮されているのですが、僕は本当に些細なミスでも全てが狂います。そして、一つ狂えば連鎖的に何もかもが狂っていくのです。このやらかし無限コンボをなんとか食い止める必要があります。

そこで、「最低限絶対に守るべき一線」を引き、それ以外のポカは気にしないという仕事の優先順位付けをガチガチに行うことで、様々なことが解決しました。僕の勤める零細企業は最低限の人員でギリギリ回っているタイプの会社ですので、職場は常時戦場です。多少ポカをしたところで落ち込んでいる暇などありません。

結局のところ「完璧にスケジュールをこなそう」という強迫観念こそが、スケジュール崩壊の原因だったという気がします。全てのタスクを平等に扱った結果、些細なミスが精神的な動揺を呼び、動揺が更なるミスとスケジュールの連鎖崩壊を呼ぶ。これを止めるにはむしろ、「守れないスケジュールがあるのは当たり前、仕事をミスるのは当たり前、一番ヤバイところだけ守れればいい」という開き直りが効果的でした。

そして、最近僕は最終防衛ラインを徐々に拡大していく作戦を始めました。「絶対にトバせないしミスれない優先順位1位の仕事」をスケジュール帳の上で色分けし、色分けされたスケジュールを徐々に増やしていく。少しずつ、「ミスってもトバしても仕方ない仕事」を減らしていくのが現在の目標になっています。

「本当にヤバいところだけミスらなければいい、それ以外のミスは全て仕方ない、所詮自分はそういう人間だ」という諦めを健全に持つことが一番の救いです。仕事に優先順位をガチガチにつけて、優先順位の低い仕事については「何があっても気にしない」を徹底しましょう。逆に、「今度こそ全ての仕事を完璧にやるんだ」というような強迫観念は全くポジティブに機能しません。前向きに諦めつつ、諦めずに行きましょう。

 

スマートでなくていい、滑稽で構わない

さて、営業マンとしてお客様と接するときですが、こちらも最近獲得した考え方があります。「ビジネスマンとしてスマートに仕事をしよう」という感覚は全て放棄することです。例えば、時間ギリギリに汗だくでお客様との待ち合わせに駆け込む、鞄の中から資料がサッと出せなくてモタつく、これらは全て起きても全く構わないことです。

もちろん、常にお客様に先んじて待ち合わせに現れ、常に資料がサッと鞄から出て来る営業マンは優秀です。しかし、僕が目指すべき、もっと正確に言えば「目指すことの可能な」優秀さはそういうものではないようです。

いうまでもなくスマートさは重要です。しかし、それが出来なくても営業マンとしての結果は出せる。むしろ、「滑稽なほど一生懸命やっている不器用さ」を前に出していった方がよっぽど結果が良いということが分かってきました。

スマートに見せようとして取繕うよりは、不器用さを丸出しにして必死にやればいい。むしろそれでこそ獲得出来る信用がある。そういうことが実感として理解出来て来た気がします。汗をかき、必死に語る。上手にやれないことは気にしない。とにかく目の前のお客様に売りつければ勝ちなのです。

自分の得意なことと苦手なことを認識し、苦手なことは無理に補正しようとせず、その苦手な部分を抱えたままでも成果を出せるやり方に向かうべきなのです。営業のいいところは、何はともあれ売れれば全てが正当化されることに尽きます。滑稽な自分をむしろ隠そうとしない方が結果にはつながっています。

そして、結果が伴う仕事を繰り返していればその当然の帰結として仕事は少しずつ洗練されてくる。洗練は結果であり、目標ではないのです。あくまでも目標は成果を出すこと、利益を出すことであり営業歩合を取ることです。細かいことは気にしない、そして何が「細かいこと」であり何が「細かくないこと」なのがガッチリ定めておく。これは役に立つ考え方です。

 

個別知識よりはメタ知識が役に立つ 

営業には商品知識が必要です。しかし、扱う商品の数や種類が多い営業マンが全ての商品知識を丸暗記することは不可能である場合も多いでしょう。僕も、営業に出向く前に今日自分が売る商品の細かいスペックを覚えるのが大変に苦手です。

しかし、「商品一つ一つの個別具体的性質」以外に、「自分の売る商品の多くに通底するメタ的な知識」というものも存在しているのではないでしょうか。そのメタ知識の中で、一般的なお客様は大抵知らないお役立ち知識。こういうものがセールストークとしては効果的に刺さることがわかってきました。

商品の細かいスペックなんて大抵の場合資料に書いてあるわけです。それを諳んじられることにそれほど大きな意味はありません。それより、お客様が営業マンに求めている知識を語る、それも個別的なものではなく汎用的な使いまわしの効くものはないか。そういうことを考えていった結果、大分「殺し文句」がたくさんストックされてきました。

僕は「資料に書いてありますね、ちょっと待ってください確認します」みたいなことをお客様の前で平気で言います。結局、「質問に答えられない」ときは「すいません」というより、「そんなもん資料を見ればいいだろ」という態度を取る方がよっぽどマシなのです。逆に、資料に書いていないものについて語れることこそが重要です。

「細部よりもメタなこと、資料の内容より資料に書かれていないこと」がセールスにおいては重要だと最近はヒシヒシと感じています。「とにかく商品知識を丸暗記」みたいなのはおそらく落とし穴です。むしろ、セールストークにつなげられるのはメタで総合的な知識です。そして、資料の丸覚えよりはメタ的な理解から具体的な「殺し文句」につなげることを考える方が、ADHD的な性質の人間には向いていると思います。

ADHDは営業に向く、というわりと一般的な話の出所はこの辺でしょう。「確かに向いているな」と僕も感じています。

 

お客様に話させろ

営業マンは立て板に水のように話をしなければいけない、という事実は全くないということが最近分かってきました。むしろ、お客様は自分のことを話したい人が多いです。自分のことをベラベラ話す客は最高の客です。なにせ、気持ちよく発話させておけば、かなりの高確率で好感が勝ち取れているのですから。

syakkin-dama.hatenablog.com

このエントリから続く一連の雑談技術の応用で完全にこなせます。お客様の購買意欲がある程度高いのであれば、営業マンは余計なことを喋る必要は全くありません。

では、購買意欲が低いときはどうするか。それをやるにしても、お客様の購買意欲の低さがどこから生まれてきているのかをまず話してもらわなければ話になりません。商品ABCがダメなら日を改めて商品Dを薦めることができる場合も多いでしょう。そのためにもひたすら情報を取るのは非常に重要です。

営業マンは話す仕事ではなく、話をさせる仕事だということがわかってきました。そして、合間合間に上手いこと「殺し文句」へ誘導できれば尚良しです。覚えるべき話術は、「語る話術」ではなく「語らせる話術」に尽きます。そして、完璧に覚えた知識をお客様の前で正確に再生するよりは、ずいぶん簡単で効果的です。

 

欠点は美点に言い換えてしまえ

僕は最近、「スマートさは全くない人間ですが、誰よりも汗をかいていきます!この夏に暑苦しいかと思いますが、よろしくお願いします!」というフレーズを多用しています。いうまでもなく、これは単なる言い訳です。誰より汗をかくのは僕が不器用でスマートでなく、ふとっちょだからです。別にそんなことしたいわけではありません。汗をかかずに済めばそれが一番に決まってる。

しかし、自己紹介の中に自分の欠点をマスキングするフレーズを織り交ぜておくのは非常に有効です。僕の場合は、全くスマートではない体型や早口の前のめりの喋りなどを「全部ポジティブに解釈してくれ」という意図があります。そして、それはクスっと笑ってもらえるものだとベストです。

資料が鞄から出てこなくてモタモタしているときは、むしろ焦った素振りを見せましょう。言うまでもなく内心は全く焦らないことです、「焦った演技をする」ことでむしろ冷静になれます。「いや、本当に資料整理が苦手でして・・・」で構わないんです。スマートさと完璧さが売りの営業マンであれば大失点ですが、そんなものは最初から望むべくもない僕にとっては気にするほどのことではありません。

欠点を隠すよりは晒す。そして、それをむしろ自分の美点として認知させる総合演出を考えていく方が圧倒的に楽です。これは結果さえ出れば正義の営業職ならではの利点でしょう。最高だと思います。

 

営業職は楽しい

営業は「狩り」に近い感じがあり、自分があげた成果がそのまま自分の収入に響いてくるため、僕にとってはモチベーションコントロールが非常に楽です。また、目の前にお客様がいれば、僕は衝動性スイッチが入っているためどれだけ疲れていても身体が動きますし、セールストークが飛び出してきます。

外界への過敏性や衝動性といったものは、営業に関しては僕は「活かせて」いる感じがします。お客様を前にさえすれば常に全力を出せるというのが僕の強みです。多動でガチャガチャ動き回る落ち着きのなさも、「一生懸命」とか「必死」みたいな魔法の言葉が覆い隠してくれます。

今日の話ですが、トータルとして「最低限のことだけはキッチリ抑える」「治しようのない欠点はなんとかそれを美点に見せかけることを考える」などの方法論に落とし込めると思います。それが許される可能性のある環境にある方には是非試して欲しいハックです。

出来ないことは健全に諦めて、出来る部分を活かしていく。欠点を直すよりは、欠点を抱えたまま成果を出すことを工夫する。治しようがないものは治しようがないという諦めの上に、最低限と誤魔化しを積み上げていく。そういう方向性は、職種によってはあり得ると思います。

なんにしても営業は楽しく、営業が楽しいと他の仕事も楽しい好循環を31歳にして初めて味わっています。仕事が楽しいと人生は良いものですね・・・。本当に。もちろん、職場に恵まれたということもありますし、圧倒的な人不足で評価基準が緩んでいるなどの要素も背中を押してはいますが、非常に充実したお仕事ライフを送っています。

役に立つ部分がありましたら、ぜひとも役立てていただければと思います。

ところでですが、勤め仕事以外のスケジュールは正直なところ破滅気味で、クライアントの皆様のご好意でなんとか頑張らせていただいています。そちらの方をなんとかするライフハックも編み出していきますので、何卒よろしくお願いします。一つ一つ克服していきたいと思っています。やっていきます。

 

 

 

【告知】ニューアキンドセンター様で書かせていただきました

告知です

ここのところブログ更新の文章を書くパワーが残らず、告知エントリばかりになってしまっていて申し訳ありません。本日も告知エントリとなります、ごめんなさい。

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しかし、こちらの文章も気合を入れて書きました。というのもね、まぁなんというか「自分は甘かった、というお話なんですけれども。結局、「究極的な判断を先延ばしする」であるとか「ビジョンなく、その場をしのぎ続ける」というのは厳しい結果をもたらすのだろうなぁ、と思います。

意思と決断のある人生を生きたい、そんなことを思いますね。あと、人間は悪い。

 

山場を抜けました

最近、ちょっと大仕事に取り組んでおりまして、昨日ついに山場を切り抜けることに成功しました。もちろん、まだまだ仕事は続くのですが、今後は少し生活に余裕が出来そうですので、ブログの方に力を注いでいければと思っています。

なるべく早く良い報告をさせてもらえるよう、今後も頑張っていきます。いつも応援ありがとうございます。とても励みになっています、今後も何卒よろしくお願いします。

色々あるし、相変わらずあれなところの多い人間ですが、なんとか少しずつ発達していきたいと思っています。。

あと、更新するすると言って書いてなかったヤミ金一郎君エントリの続きも書きます。「書けよ」とケツを叩いてくださる皆さんありがとうございます。面白くなるように頑張ります。動けるときに頑張っておきたいですね。

やっていきましょう。

いい文章を書けるようにがんばります。

【告知アリ】最近の発達障害マンとしてのお仕事日誌

まず告知です。ニューアキンドセンター様で書かせていただきました

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引き続きニューアキンドセンター様で書かせていただいております。今回も「使える」お話であると自認しておりますので、起業創業開業を目指す皆様、あるいは商いに興味をお持ちの皆様、是非ともご一読ください。フリーランスや自営の皆様にも使えるノウハウだと自負しております。

さて、最近ですが色々ありまして、本当に多忙です。勤め人とそれ以外と様々なあれに忙殺されており、死ぬ死ぬ死ぬといいながら日々充実して過ごしております。各方面にご面倒をおかけして本当に申し訳ないのですが、すいません何とか乗り切りますのでご容赦いただければと思います。ブログの更新も戻していきます。書きたいことはいっぱいあるんですよ、実は。

 

会社では色々あった

さて、最近の僕のお仕事事情ですが、好調です。よりによってこんな時に好調にならなくてもいいと思うのですが、誰かに必要とされるというのは非常に甘美なもので、「30年生きてきてやっと組織に必要とされた」という喜びに満ち満ちています。

その一方、なんでそこまで必要とされているかというと、会社で人的災害が発生したからなんですけどね・・・。まぁ、色々ある。会社には本当に色々あり、学びが絶えません。やはり人間は戦争をするし、それは避けられないことなのだなぁと感じる限りです。

そして、最近思うのですがやはり中小零細企業界隈は良いですね。なにせ、大企業に無限にいるようなオールラウンドマンがあまりいません。一芸があれば、多少能力的欠損があってもオールオーケー、問題は利益になってるかなってないかだ、という極めてシンプルな価値観で動いているのがとても良い。

最近はとにかく社内がハチャメチャなので、営業以外もあらゆる職域を触っているんですが、「あ、意外と僕事務出来るようになってるな」みたいな喜びが日々あります。なんというか、致命的に遅れて仕事の成長期が来たのかなという感じです。コンサータは本当にありがたい薬です。

契約書にハンコを乱打したり、「人員足りないんだから業務最適化しましょうよ」みたいなことをやって暮らしてます。エクセルも大分触れるようになってきました。相変わらずクソデカい鞄を持って、関東一円を駆けずり回っています。いや、キッツイいけどお仕事は楽しいですね。

 

ADHD傾向の強い上司の処世術

最近とみに思っていることは、僕の直属の上司はかなり強いADHD傾向があるな、ということです。もちろん、業界を長く生き残ってきた猛者であり、大変尊敬出来る良い人なので全く問題はないのですが、書類を紛失して探し回っていたり、スケジュールを見失ってイライラしているのを見ると、本当に我が事のような気分になります。

しかし、上司にはADHD傾向から起きるミスを帳消しにする非常に強いスキルがあることもわかってきました。それは「愛嬌」です。すべての感情表現が大きく、大きな声で快活に笑い、常に他者に敬意を示す。

そして、ミスがあったときは素直に謝る。何より非常に謙虚です。もちろん、衝動性の強さからくるのであろう癇癪などもあるのですが、その熱が引いた後には「すまなかった」と言える度量があるのは本当にすごいことだと思います。

言うまでもなくそのビハインドをひっくり返すだけの腕力も持っている方なのですが、やはり「周囲に愛される」というのはADHD傾向の強い人間のサバイブテクニックとして非常に有効なのだろうな、という認識を強くしました。

明朗な挨拶、笑顔、他者への共感的な振る舞い。それは演技であっても作りものであっても茶番であって、やはり有効なのだと思います。

 

仕事、楽しい

さて、そういうわけで弊社ではADHDと明らかにADHD傾向のゴリゴリに強い人間がタッグを組んで仕事をしているわけですが、これがまたなかなか良好です。お互い、衝動性が強いのはわかりきっているので、一方が暴走したときは上手にクールダウンさせることが出来ますし、ミスの起こりやすい仕事は二人で「俺を信頼するなよ!」と言い合いながらダブルチェックをしています。これはなかなか楽しい仕事です。

そして、お互いがお互いのミスに非常に寛容になれている気がします。「ミスは出るものだし、責め立てたところで減りはしない」という認識を持ち合えるのはとてもいいことですね。これ、多分一歩間違うと「お互いに責め合って不毛な状態に陥る」になりかねなかったと思うんです。実際、過去の僕ならなっていたと思います。

これは、一つまず上司のお人柄です。本当に敬意の持てる良い人です。そしてもう一つは、まだ会社に馴染んでいなかった頃の僕が、良好な関係を作り出すための努力に必死になった成果だと自惚れさせてください。

実際、これまでADHD傾向の強い人間と仕事が上手くやれたことはあまりありませんでした。特に相手が上司の場合「自分でもミスこくくせに他人に文句つけてるんじゃねえよ」みたいな反発がどうしても起こるのが僕でした。

しかし、今回は仕事の序盤戦でしっかりと敬意を示し、「あなたを尊重します」という態度を見せられたことが良い結果につながったのだと思います。その結果上司も、「実は俺もこういう傾向がある、勘弁してくれ」というような本音を出してくれました。こうなってしまうと、もう対立したり感情的にぶつかったりする理由すらないですね。

もしかすると、かつての職場で衝突した皆さんとも、今回と同じように対応していれば良好な関係を築けていたのかもしれないな、と思うとちょっと胸がチリっとするところはありますけれど、それでも僕にとってこれが出来たのはまさに福音です。

31歳にしていい職場に巡り合えたなぁと思ってます。お賃金も良いし・・・。遅れないし・・・。ちゃんと残業つくし・・・。

 

やっていきましょう

そういうわけで、諸々ありますが「多忙」という点を除けば僕はおおよそ元気です。これからも元気に書いていきます。仕事の話など、まだまだたくさん書きたいことはありますので、何卒今後も宜しくお願いします。もうちょっとで仕事の山を抜けますので、そこまでいったらまたブログをもりもり更新していきます。やるやるいってやれてなくて申し訳ないですが、エンジンに火を入れなおしてぶっ飛んでいく所存です。

やっていきます。

【告知あり】中長期的に合理的な行動が一切できない人の話

まずいつも通り告知です

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ニューアキンドセンター様で書かせていただきました。

これはね、こうあえて感情を出さないように書いたんですが、心が痛い話です。まぁ、お金というものは、よくわからない理由で消滅するものなんです。人間が集まって、みんなでお金使う以上、これはもうある程度しょうがない。もちろん、しょうがないで済む話でもないんですけれど、「起きる」と思っておいた方が本当に気が楽です。是非皆さんもご一読いただいて、人間があつまる場所におけるお金について、色々考えてみてほしいと思います。

クズ氏の話をします

さて、本日は「合理的に損得を考えて、中長期的に行動できる人は選ばれしエリートだ」というお話をします。皆さんは選ばれしエリートですか?

昔こんなことがありました。あるところに、たくさんの人から3万円、5万円とお金を借りまくる人、たまにいますよね。そういう人がいました。もちろん僕もたいした額ではないですが、お金を貸していて、返せと言ってものらりくらいと逃げられるので腹が立ってきました。

そんなわけで、僕は彼(彼にクズ氏としましょう)にお金を貸してる皆さん10人ほどを集めて、みんなでクズ氏にお金を返せと説教をする会を開催しました。これだけの人数に囲まれると、クズ氏も最早何も言えません。「今はぜんぜんお金がないけれど、少しずつ返していく」そういう話になりました。

そこで、僕は皆さんの貸した金額を一本化して借用書を作り、クズ君の収入を勘案しながら返済スケジュールを組みました。なにせ、金額は一本化してもたいしたことはありません。いいところ50万ところでした。月々3万、17回払い。そういう形で話は落ち着き、毎月クズ君が僕の口座にお金を振り込む、振り込まれたお金は便宜的に僕が預かり、一定の額になったところで債権者の皆さんに配分することになりました。

もちろん、それだけで済ますわけにはいかないので、支出と収入の根本的なバランスが狂っている可能性も検討してみました。家賃2万5千円、光熱水道費1万円、携帯電話4万円・・・、おうケータイのプラン替えるぞアホか、程度の話はありましたが、収入も手取りで20万以上あり、そうそう生活が崩れるというレベルでもありません。やはり、生活を圧縮しているのはギャンブルであろう、あるいは「お酒を飲んでしまう」が女の子のいるお店なのかもれません。しかしとにかく、基本的な収支バランスに大きな問題はなさそうです。典型的な浪費による借金のようです。

さて、この会はとても感動的なエピソードになりました。最初みんなが責め立てるうちに、クズ氏は「仕事がつらくて、ついお酒を飲んでしまう」とか「ストレス解消がパチンコくらいしかない」みたいなクズエピソードを語り始めました。

しかし、当時の僕らは二十歳そこそこ。田舎の粗暴なボーイズアンドガールズです。わかるといえばわかるのです。みんな賭け事もお酒も大好きです。この程度の話は「じゃあパチンコやめような」「酒は俺らと飲み行こうぜ、返済終わるまで奢ってやるよ」などの優しい言葉が出てきます。クズ氏はさっきまでガンガン怒られていたところから一点やさしくされ、感動の涙を流しました。「人生やりなおす」とか「頑張ってちゃんと返す」とか「みんな本当にありがとう、みんながこうやって集まってくれて本当に感謝してる」などの言葉が乱舞しました。

そこで最後に「他の借金はないのか」という話が出ました。そこで、金持ちB氏が言います。「利子がつく借金が他にあるなら、これとは別に俺が一本化してやるぞ、無利子で構わん」B氏は儲かっている家業を継いだ純正ボンボンで、「困った時のB金融」と呼ばれていました。(ただし、基本的には粗暴ボーイなので取立ても厳しい)

「もう借金はありません!信じてください!」清らかな涙を流しながらクズ氏は言いました。そして、みんな「それはよかった」と思いました。そして我々は肩を抱き合って、「頑張ろうぜ」みたいな話をしながらお酒を飲みに行きました。クズ氏はとても嬉しそうでした。「本当によかった、みんながいてくれなかったら人生どうなったかわからない。ありがとう」みたいな言葉で、みんなのテンションも急上昇。青春映画のワンシーンみたいな友情が確認されました。

 泣いて謝罪して許してもらう、あるいは泣いて謝罪する人間に許しを与える。これはどちらもとても気持ちのいいことです。僕たちはみんなでとても気持ちよくなっていたのでしょう。逆集団ヒステリーですね、集団ラブアンドピースです。人生にこういうことがたまにあると気分がよくなりますね。

クズ氏、再び金を借りようとする

 一週間とたたないうちに、「クズ氏から金を無心されたけど、あれ大丈夫なの?」とう情報が僕に入ってきました。僕とB氏は基本的にクズ氏を信用していなかったので、網を張っていたのです。一瞬で引っかかりました。数人が車に乗り込み、クズ氏の自宅を襲撃しました。クズ氏は不在でしたが、郵便受けからはさまざまな郵便物が溢れ出していました。

B氏はその一つをつまみ「サラ金だこれ」と言いました。僕も適当な一枚を見てみましたが、確かに消費者金融の請求書で、しかも「払ってね」ではなく「払わないとブチ殺すぞオラ」に近いニュアンスまで育ったものでした。あいつ「他に借金はない」と言ってたよな、と数人で顔を見合わせましたが確かに請求書が届いているのだから疑いはありません。あの野郎、サラ金摘んでやがった。

「近くのパチ屋見に行ってみるか、まさかいないと思うけど」そういうわけで僕らは近隣のパチンコ屋を覗きにいってみました。想像されるとおりです。クズ氏はちゃんとそこにいました。エヴァンゲリオン打ってました。

「おい、おまえパチンコ止めるつってたよな」

「家、郵便物はみ出してたからちょっと見せてもらったけど、おまえサラ金つまんでるな?」

クズ氏はだんまりモードに突入しました。埒が開かないと判断した僕らは最終手段に出ました。クズ氏を彼の実家に連れていき、あわよくば親御さんから返済してもらう。あるいは、親御さんが返済を拒否したとしても、「おたくの息子はやばいことになっている。友人として最低限のことはしたからな」という形で彼を引き渡そうと思ったのです。クズ氏は「実家は勘弁してくれ」「親に借金をバレたくない」「頼む、ちゃんと返すから」などといい、隙を見ては車からの逃走を試みましたが、我々も粗暴ボーイズです。人間を逃がさないのは得意です。

アパート引き払って実家に帰るのがいいんじゃないの、みたいな気持ちもありました。クズ氏の親御さんは裕福ではありませんが、話は通じる人でしたので。僕とクズ氏は幼少期からの付き合いで、僕はクズ氏の実家に遊びに行ったことが何度もあります。

クズ氏の実家では、激怒した債権者が待っていました。クズ氏、実家のキャッシュカードを盗み出して、親御さんの預金を引っこ抜くという大技を繰り出していたのですね。「警察に被害届を出したところだった、捕まえてくれて良かった」

しかも、クズ氏お金を盗まれた両親に職場にカチ込まれ、もともと上手くいっていなかった仕事に通えなくなり、辞職していたそうなんですね。収入がゼロになっていました。しかも、職探しさえしていなかった。今月の家賃すら手元にないわけです。この辺、タイムスケジュールとしては感動の会が開かれた頃に同時進行で起きていたそうです。日雇いすらほぼやらず、ただ時間が過ぎるのをボーっと眺めていたとしか思えません。パチンコはしてましたね。

ここで、クズ氏再びB氏に泣きつきます。こないだの借金の一本化をお願いできないか、と。B氏は冷酷に言い放ちました。「親御さんの連帯保証がつくならな、おまえの信用はゼロだ」と。親御さんは言いました「盗人の連帯保証など出来るか」と。「借金玉の連帯保証でもいいぞ」とB氏は水を向けて来ましたが、僕もとてもいい笑顔で「絶対に嫌だね」と言いました。

クズ氏の問題はどこにあったのか

そういうわけで、クズ氏は債権を額面の10%で買い取ってくれる親切な先輩に連れていかれました。この辺の詳細はまぁいいですよね。債権を買ってくれる人(この方は闇金一郎君のお話にもスターシステムで出演していますのでそちらも併せてどうぞ)が黒塗りのオシャレな車でやってきて、お金を置いてクズ氏を連れていきました。もちろん借用書も持っていきました。親御さんの盗まれたお金も借用書にして借りているという体になりました。クズ氏、逮捕されなくてよかった。今も元気でやってるといいですね。

さて、このエピソードの本質はどこにあったのでしょうか。僕は今でもそれをよく考えます。クズ氏、助かる方法いっぱいありましたよね。手順が間違っていなければ、クズ氏は助かっているはずです。特に、B氏から提案された借金の一本化を拒んだのが不可解です。正直にサラ金から借り入れがあることを伝えて、一本化してもらえばよかったはずです。ちなみに本文では省略しましたが、サラ金からの借り入れも150万程度のお話で、人生が破綻するような額では到底ありません。

クズ氏は決して嫌われ者ではありませんでした。むしろ、子供の頃からずっと人気者といえる存在だったと思います。「あいつ呼ぼうぜ」となるやつでしたし、一文なしで飲みに来ても誰かが奢ってくれるタイプの男でした。僕も好感を持っていました。だから多方面からお金を借りることもできたのでしょう。

そして、あの感動の会で彼が流していた涙はなんだったんでしょう。

僕が思うに、あの涙は本物なんだと思います。みんなに許されて嬉しい、励まされて嬉しい。そしてサラ金の借金はバレたくない。その後どうなるかなんて全く考えられていないのです。人間は、短期的な欲望と長期的な欲望が矛盾することがよくあります。卑近な例で言えば、ダイエットしたいけどケーキも食べたい、みたいなやつですね。

これを適切に調整して、痩せるためにはケーキを食べない。そういう選択が出来る人間と、一切出来ない人間が存在することが、僕は最近わかってきました。たとえば、生活保護を受給しても、受給したお金の中から家賃を払えない人間なんてザラにいます。彼らは短期的欲望の奴隷と言えます。目の前にある快楽に飛びつき、その結果については思い至りません。実際、このクズ氏に「なんでサラ金のことあの場で言わなかったの?」と言ったら「いいにくかった」としか言えませんでした。「サラ金返しながら僕らの分の返済するの土台不可能だってことはわかってたよね?」と聞いたら、「なんとかなると思った」です。

普通の人は、長期的にドツボが発生する可能性を感じたら、短期的な欲望を振り切ることが出来ます。端的に言うと、財布に10万円あって、月末に12万円の払いがあったら「やばい」と感じますよね、2万円どっかから用立てなければならんと。しかし、このタイプの人間は「財布に10万円ある」がとりあえず世界のすべてなのです。中期、あるいは長期の視座が一切ない。短期的欲望に向かって前進するのです。短期と長期が一つながりに統合されていないのです。

これは、債権回収の一番のコツは「収入がある日のうちに回収する」であることとも一致します。給料日に入ったお金を必要に応じて割り振り出来る、という能力がある人間はある意味でエリートなのです。何故出来ないのかと叱り付けてもほとんど意味がありません。出来ないのです。それはもう、ただ純粋に出来ないのです

他人事とも言い切れない

さて、発達障害就労日記にこれを書いた理由は何かというとシンプルです。人生が追い詰められたり、つらいことが続いたりすると我々自身もこのクズ氏のような思考形態に陥ることがあります。皆さんも思い出してみてください、今それをそのようなしたら後から大変面倒なことになる、あるいは信用を失う。そういうことをしてしまったこと、ありませんか。もし、この「短期的な欲望に負けて長期的に失敗する」がゼロであれば、ダイエットに失敗する人間は存在しないはずです。

クズ氏と我々の差はつまるところ程度の問題でしかありません。油断は出来ない、僕自身本当にそう思っています。実際、ここまで大事にはならなかったけれど、本質としてクズ氏と同じようなムーヴをしてしまった経験は結構多くの人にあるのではないでしょうか。

ADHDは先延ばし癖が非常に強いです。また、衝動性も強いです。これは結果として「テンプレクズ」になる可能性が高いということを意味します。衝動的に浪費して、何もかもを先延ばししていれば破滅はあっという間に目の前にやってきます。「他人のお金に手を出す」人も多くの場合がこれなのではないかと思います。ADHDの人間が信用に足らない、ということはありません。有意に犯罪率が高い、のようなデータは存在しなかったはずです。しかし、自戒として我々は「クズ」になりやすと認識しておいて損はありません。

自分の行動における短期と長期がどれくらい噛み合っているか。自分は長期的な視座を持って行動出来ているか。もちろん、たまには深いことを考えずパーっと浪費したり明日を忘れて遊ぶのもいいことでしょう。それでも、その辺については常に恐怖感を感じておいて損はない。アキンドセンター様の文章を書きながらそんなことを思っていました。最終的に人生は長く続きます。長い人生を適切な長さの視座を持って、やっていきましょう。