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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

残念な新卒のための生存手引書(実践編基礎1 挨拶ー基本的な仕事の進め方)

死にたくなければ挨拶をしろ

おはようございます。はい、昨夜更新するといいつつ完全に爆睡してしまいました。許して。忙しかったんですよ。(すいません、定時に上がったくせに1時間寝ようと思ったらそのまま朝でした)そういうわけで、やっていこうと思います。

挨拶の重要性は皆さんたぶんわかっていると思います。何も言わずヌルっと職場に入ってくるのは大変に感じがわるい。そういう上司やら先輩も結構見かけると思いますが、新卒がこれをやるのは本当に最悪です。快活な挨拶をちゃんとやるというのは一種のスキルです。ある程度習慣として出来上がってないとなかなか難しい。そして、機会を失うとやり直しが意外ときかないという困った特徴もあります。

前回のエントリで「組織の一員として認められることが新卒の最初の仕事」と書きましたが、この「挨拶」に関しては組織の文化が意外と出ます。具体的にいうと、「どういう時にどういう挨拶をするべきか」というようなあまり言語化されない謎の文化が、大体職場にはあります。

  • 飲み会の次の日の朝は参加者全員にお礼の挨拶。(昨日はありがとうございました)
  • 有給を取った次の日には上司と部署の全員にお礼の挨拶。(昨日はお休みありがとうございました)
  • 昼休みに社外に出る時は、上司や先輩に挨拶。(お昼休憩いただきます)
  • 他の部署を巻き込む仕事が始まる時と片付いた時にはお礼の挨拶。(この度はご協力本当にありがとうございました)

などがパッと思い浮かびますが、職場によってはもっと色々あると思います。わかるよ。くだらねえよな。新卒なら飲み会は大体幹事やらされるだろうし、自分が幹事やった飲み会の参加者にお礼の挨拶して回るってどうよと思うし、有給は従業員の正当な権利なんだからお礼を言うの自体おかしいし、昼休憩の前にわざわざ挨拶するのなんか気が狂ってるとしか思えない。部署間で協調して仕事やるのなんて当たり前だろ、給料貰ってんだから黙ってやればいい。

金玉さんもそう思います。でも絶対にやった方がいいです。

基本の日常挨拶に関してもハキハキとしっかりこぼしなくやることは当然ですが、この手の部族ルールを早急に把握することがとても重要です。かなりデカい評価ポイントと言っていい。というのも、新卒なんてしばらくは戦力としてはカスなわけです、ある程度仕事が出来るようになれば「あいつはアレだけど仕事出来るから…」という評価の獲得も不可能ではないでしょうが、新卒の段階で「感じ悪い奴」という評価を賜ると、リカバリーはぼぼ不可能です。

だって新卒君いなくても仕事回るんだもの。先日も書いたとおり、「新卒を育てる」というモチベーションを持った人間は、大きな組織になればなるほど相対的に少なくなります。ぶっちゃけ、新卒が育つが育つまいがどうだっていいわけですよ、現場の人間の多くには、そして自分の仕事は当然増やしたくない。「新卒に仕事を教える」というタスクを増やすのは、基本的にイヤなんです。これは仕事の出来る模範とすべき人ほどこの傾向が強まります。だって、仕事出来る人間にはガリガリ仕事振られるわけですから、容量パンパンなわけですよ。でも、そういう人になんとか好感を持たれてすりよっていくしか、仕事の早期習得の手段はない。(年次だけ上だけどめっちゃ暇な人に仕事教わるのはお勧めしません)

新しい人間の集まりに投げ込まれた後に好感を獲得する手段はそんなに多くはありません。「人間を褒め上げるスキルをつけろ」と前のエントリで書きましたが、その状態に入る前にまずはある程度「こいつには多少手間かけてやるか」と思わせる必要があります。基本の日常挨拶をハキハキと大きな声で多少やり過ぎくらいにやるのは当然として、その上で早急に部族のルールを掴んでください。周囲の人間をよーく見てれば大体のところはわかってくると思います。

「~君、~さんにちゃんと挨拶した?」とか言われたら黄色信号が灯っていると考えていいです。僕は出来ませんでしたが、デキる新卒は当たり前のようにこなします。ポイントは「言われる前にやる」ことです。これを読んでる社会人の皆さんには心当たりがあると思いますが「挨拶ちゃんとやれ」と(多分に怒気を込めて)指示してすぐに出来るようになる人間の比率ってそんなに高くないですよね。はい、僕も自分が経営する側になって気づきました。この手のスキルは教えて(教えられて)すぐ身につくものではないんです。「これは切実に必要な仕事だ」と気づいたらわりと習得は早いですが(僕は起業してから気づきました)、普通に新卒で入った人の場合重要性に気づく頃には全てが手遅れということも十分ありえます。(ありえました)

こういった些細なことをきちんとやるというのは、「私はあなたの部族の慣習を尊重します」という意思表示です。要するに、お腹を見せてキャウンキャウン言っていく姿勢です。しかし、服従の意思表示というのは通常口先だけでは成立しません。全身で行動を伴って示す必要があります。これが「バンジージャンプする」とか「唇にくそでかいピアスをする」とかなら話はわかりやすいのですが、現代日本の部族はそのようなわかりやすい慣習を持っていないことが多いです。まずはどのような慣習を持っているのかを把握し、どんどん実行してきましょう。

新卒の皆さんですが、とりあえずやりすぎてください。挨拶した方がいいかも、という気づきが発生した場合はとりあえず実行してください。その結果邪険に扱われたりすることもあるでしょうが、やらないよりずっとマシです。たいていの人はスマートにシュッとこなすのに憧れてると思いますが、このブログを読んでる皆さんの大半にはそういうことは無理だと思います。やらずに無言のヘイトを溜めるくらいなら、やり過ぎて滑稽さも含めて愛されてください。これはヘタクソな日本語を必死に話す外国人がなんとなく好ましいあの現象と同じ理屈です。部族の風習を尊重する姿勢は完コピするということではありません。姿勢が伝わればいいのです。

尚、部族ガチ勢と呼ぶべき会社も世の中にはわりと存在します。「狂った量の酒を飲む」とか「海辺で全裸で踊り狂う」などのさすがにその文化は尊重できねえわとしか言いようのない文化を持った部族も存在します。その場合は給与などを天秤にかけて、適切に無理という決断をしましょう。法規範などを頭に入れておくと、「この部族の文化行事やってたら俺逮捕されね?」「死ぬんじゃね?」などと判断できると思います。死んだり逮捕されたりする前に逃げましょう。可能なら適切な手段で滅ぼしてください。

 

質問したら怒られる、質問せずに進めても怒られる

新卒の皆さんに残念なお知らせですが、当分は面白い仕事なんて回ってこないです。諦めてください。そういうのが欲しい人は中小企業とかベンチャーとか行けば、特に何も指導されないままいきなり実戦というパターンがいくらでも体験出来るのでそのようにしましょう。(そっちの方が向いている人もいます)

皆さんが最初にやる仕事は非常に退屈で、皆さんの能力や創意を発揮する余地も全くないものだと思います。しかし、データの打ち込みなどの単純作業だけやってればいい職場というのはあんまりありません。徐々に難しいお仕事が回ってきます。皆さんの当面のミッションは、これらのお仕事を通じて「あいつは単純作業以外の業務もなんとかこなすな」という評価を獲得することです。ここで「あいつに仕事任すとどうせ全部やり直すことになるから、結局自分でやった方がマシ」という評価を賜ると詰みますので、気合を入れましょう。仕事は本質的にクソつまらない上に右も左もわからないというモチベーションを沸かすのが大変難しい時期ですが、気持ちを入れてください。(ゆっくりでいい、自分のペースで、などのアドバイスもあるかもしれませんがこれらは全て罠です。耳に入れてはいけません)

まず、最初に重要な概念を提示します。「~をやれ」という指示が来た時、その指示を達成するために最低限不可欠な情報が与えられることなどまず無い、という前提をガッチリ頭に叩き込んでください。大変理不尽ですが、仕事は大抵そんなものです。遭遇してから理不尽さに嘆くよりは、最初から諦めて腹を括っておいた方がナンボか楽です。

新卒が職場に適応するまでの業務習得は、あれはあれで考えようによっては面白みのあるゲームです。具体的に言うと、情報収集ゲームです。曖昧な制限時間以内に必要な情報を許容される全ての手段で収集し、結果を出すゲームだと思ってください。そうとでも思わなきゃやってられない。職場というのはクソなので、大抵の場合業務遂行に必要な情報が一箇所に整然とまとまっているということはありません。マニュアルは存在しない、あるいは存在するとしても断片的ですし、業務遂行に必要な道具や書類はどこかに隠蔽されている、最悪の場合存在しないことさえあります。

指示を出す人間は余程有能な人間でない限り、「その仕事の達成に必要な情報を新卒君が入手可能か」などということは考えません。(逆に、この辺をしっかり考えてくれる上司に当たった場合はとても幸運です)しかし、人間というのは最悪なので下手に質問をすると「おまえは自分で調べるという気がないのか」「少しは自分の脳を使え」「常識で考えろカス」などの言葉が降り注ぐでしょう。その一方で、必死に前例の資料などを探してモタついていると、「いつまでやってんだコラ」「何で質問に来ねーんだよ」「遊んでんのか?アァ?」などの言葉が炸裂します。

 ある程度諦めは必要です。そういうものだと思ってください。

僕は自分がクソ苦労したのでなるべくこういう上司・先輩ではないように努力していたつもりですが、それでも正直なところ「指示を出す時、その業務の達成に必要な全ての情報について吟味し、新入りがそれを実行出来るか検討する」というのは、かなり大変な作業です。というのも、新卒がやるのは普段なら1ミリも脳を使わずにこなしてるルーチンワークです。それに必要な書類はあそこでハンコはあそこで…などと考えている余裕は無いこともはっきり言って多い。それに、仕事の進め方を自力で探して模索する作業はそれなりに意味があります。職場のどこにどのような情報があるのかわかってきますし、誰に質問すればどのような情報が得られるのかもわかってきます。この辺をある程度自力で獲得しておかないと、「上司や先輩が有給取ってたら右も左もわかんねぇ」という事態になりかねません。

 これは、前エントリから繰り返し述べている「社内の人間と良好な人間関係を築いておく」との合わせ技が重要ですが、それ以外にも努力する余地は多々あります。

 

指示が来たらとりあえず制限時間を聞け

 はい。指示が来ました。「~をやれ」というシンプルな指示でした。あなたはウッとなりました。「この仕事やったことないな…」というあれです。ゴールまでの青写真は全く見えません。指示が出た段階で質問して情報を可能な限り集めておきたいのはやまやまですが、何を質問すればいいかすらわからない。

 とりあえず制限時間を聞きましょう。他の何を聞き忘れてもいいです。これだけは絶対に聞き出してください。これで業務の進め方はわからなかったとしても、どの辺の時間までどういう行動を取るべきかについてはある程度タイムスケージュルが作れます。というのも、右も左もわからない新卒マンが取るべき行動は、仕事の切迫度合いを考慮に入れないと判断できないからです。

実際のところ、基本的に見習いである新卒マンといえど、わりと時間はないことが多いです。しかもその合間に電話応対などの不規則に発生するタスクが絶え間なく差し込まれます。アワアワしてるうちに「オイ、あの仕事~時までに終わらないとヤバイんだけど」などが発生し、終わります。

  • n時までは自力達成を目指して情報を漁ろう(全体の3~4割の時間が良いです)
  • n時になったら、現時点でわからないところをまとめて質問の要旨を作って質問に行こう。
  • n時になっても質問の要旨すら作れない、わからない場所の特定さえ出来ない状態あるいは1箇所情報が得られてもその先に無数の不明点が発生する可能性があるなら、一回ケツまくって報告に行こう。

などの方向性が見えていればかなりマシになります。目標設定は理想が自力達成、次点が質問の要旨を作成し一回の質問で業務達成、ギリギリ及第が立て直す時間をしっかり残してのケツまくりです。この逆の行動が最悪です。具体的に言うと。

  • 制限時間を聞きそびれたので必死に資料を探すうちに時間経過
  • 仕事の全体像を掴まず、質問の要旨を作らず散発的に質問に行くため、上司にイライラ発生開始
  • 質問もしにくくなってきたが、目の前の仕事は全くわからない
  • おいおい、スゲー時間たってるぞこれやばいんじゃないか
  • なんか仕事が手につかなくなってきた、クソこんなときに限って他の仕事も差し込まれるなクソ、自分が何をやってるのかわかんなくなってきた
  • いまさらケツまくれない、どうしようなんとか終わらせるしかない
  • 上司「オイ、あれ出来たか(出来てるよな?これだけ時間かけたんだから出来てねえとは言わねえよな?)」
  • 先輩「さっき頼んだアレ出来た?」(追いうち)

はい。このようになります。全力で回避しましょう。定型発達した皆さんは、職場の空気感などから「大体これくらいの時間で出せばいいだろ」などを察することが出来るかもしれませんが、我々発達障害者、特にADHD傾向の強い人間にそれは大変難しいことです。「この仕事はいつまでに片付ける仕事か」については絶対に把握する習慣をつけましょう。

机にへばりついて、無意味に会社のイントラをカチカチしたり、無意味に大量に掘り出してきた資料の山を眺めながら焦燥感に焼かれて時間を過ごすのは本当にやめましょう。たっぷり時間を残してケツをまくるということを覚えましょう。可能な限り回避したいですが、「すいません!全くわかりません!」もナシではないです。また、わからないことが発生する度に散発的に質問に行くのもやめましょう。3回目くらいで上司の額に青筋が浮かんでくるのが定型発達者にはわかるのかもしれませんが、我々はこれを察することが出来ずキレさせます。

 

上司の皆さんへ

ここを読んでいる「上司」の皆さんがどれくらいいるのかわかりませんが、一応書いておきたいことがあります。

このエントリに書いたような部下を持った皆さんは大変イライラされていると思います。しかも、大抵の場合そのイライラが言語化されていないのではないかと思います。「あいつはロクに挨拶もしないし、仕事を任せたら質問にも来ない、質問に来たとしてもマト外れだ」などの思いがあると思います。そういう部下の脳みそを分解すると、大体こういうことになっています。

「上司はどの程度親切であるべきか」についてはそれぞれの部族ごとに色んな考えかたがあるかと思いますが、少なくとも挨拶に関しては一通り教えてやって「これがウチの文化だから、やれないなら痛い目みるぞ」などと言ってやって欲しいし、仕事の進め方に関しても「質問はある程度まとめて俺の仕事の具合を計りながら来い。どうしてもダメなら~時になったらケツまくって俺のとこに来い」などと言ってやると、幾分マシになるかもしれません。(ならないかもしれませんが…)

「こんなの常識だろ?」とお考えの皆さんももちろんいると思います。与えられた仕事が誰にも質問せず100%達成できる人類というのはたぶん存在しないので、多かれ少なかれ皆さんはこの手の苦労をされてきているのだと思います。しかし、その言語化されない「常識」を空気の中から読み取るのが圧倒的にヘタクソな人種もいます。我々です。ここを読んでいる発達障害、あるいは発達障害傾向を持つ皆さんは、少なくとも「変わりたい」と思っている皆さんだと思います。もし、僕の文章に少しでも興味を持っていただけたら、あなたの使えない部下のためにここで読んだ内容を指導に落とし込んでやってくれると幸いです。

 

まだまだ続きます

ADHDにありがちなことですが、いっぱい書いたら収集がつかなくなり結局こういう形で散発的に出していくことになりました。しばらくは新卒生存手引編が続くと思います。(合間に雑記なども挟むと思います)

よろしくお願いいたします。

最後に何度でも繰り返しますが、命より大事な仕事はありません。完全にもうだめだと思ったらスパッと逃げましょう。それは被雇用者の特権です。

やっていきましょう。