発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

ヤミ金起業小説、闇金一郎君頑張る。第一話

※この小説は聞きかじった程度の現実を元にしたフィクションです

※犯罪を奨励する意図は全くなく、犯罪は割に合わないからやめようという意図で書かれたものです。

※怒られたら消しますので怒らないでください関係各位

 

 

闇金一郎君は27歳です。

高校はヤンチャをして中退、その後は曖昧にアルバイトをしたり、あまり遵法的とはいえないことをちょこちょことしたりして暮らしてきました。逮捕歴はなく、破産歴もありません。反社会的勢力に属してもいません。

一郎君は母親のアパートに非公式パラサイトをしています。

非公式、というのは家にずっといるとケースワーカーさんがやってきて「あら息子さんと同居してるの?なら生活保護とめるね」という世界観になってしまうからです。しかし、一郎君は以前一人暮らししていたおうちを家賃の滞納で追い出されてしまったので、他に行くところもありません。たかが不動産屋と舐めてかかったら、一郎君の恫喝に1ミリも引かないおじさんがやってきてびっくりしたみたいですね。

さて、そういうわけで一郎君は煮詰まっていました。27歳という年齢は、全てが限界に差し掛かる時期だと感じていました。クレジットカードは止まってますし、携帯電話の維持費を払うのもカツカツです。母親も狭い1Kのアパートに居座り続けては良い顔をしません。一郎君のお母さんはまだ40代前半です、彼氏がアパートに来る度に追い出されるのは一郎君としても辛いものがあります。

こう見えて一郎君、十代の頃は結構良いカオだったんです。度胸があり喧嘩も強くそれなりに機転も利き、悪い大人とのツテもあったので、地元の低質なチルドレンたちの間で「一郎さん」と言えばちょっとしたビッグネームでした。チルドレンの揉め事を仲裁したり、適宜に因縁をつけたり、盗品を右から左に捌いたりして小金が回っていたあの頃も今は昔、最早一郎君の周囲に人垣は出来ません。道を歩いても「一郎さん、ウッス」という声はかかりません。いつの間にか、女に不自由するようにもなってしまいました。

ある日、一郎君は一大決心をして仲間を集めました。昔は一声で20人は集まったものですが、その日深夜のファミレスに集まったのは僅かに2人でした。一郎君は車も車検代が支払えず手放してしまったので、ママチャリをキコキコと漕いでファミレスに向かいました。イカ釣り漁船のような光を放ち、ズンドコズンドコ音が鳴る改造に200万もかけた愛車を手放したのは痛恨でしたが、無いものは無いのです。仕方がありません。

ヤミ金を始めようと思う」

一郎君は言いました。

「そんな金どこにあるんすか」

粗暴が言いました。

粗暴は粗暴なので粗暴と呼ばれています。よくわからない理由で人間を殴ることに定評があり、キャリアとしては少年院を出ているので院卒と言えます。しかし、度胸は一級品でここ一番の揉め事では頼れる男でもあります。一郎君も暴力にはそこそこの自信がありますが、粗暴の暴力を振るう決断の早さと躊躇いが一切ない故の腕っ節には一郎君も一目置いています。「ムカついた」という理由で教師の後頭部に椅子を叩きつけた彼の神話は未だに母校の語り草です。

「反社太郎さんが500万円出資してくれた」

「まじすか」

粗暴は目をぱちくりさせています。おそらく、「すごい人が500万円くれる」程度の理解なのでしょう。仕方ありません、粗暴にそういうところは期待していない。

「いや、一郎さんそれはヤベーっすよ」

サギが言いました。サギはこないだまで振り込め詐欺グループに所属していた男です。しかし、「だるい」という理由で営業をサボっていたら怒られが発生し、ついでに小銭をちょろまかしていたことも同時発覚し、反社会アルティメット怒られから生還した輝かしい経歴があります。(代償は溜め込んでいた小銭全てと骨折3箇所でした)

サギは、こう見えて商業高校を卒業した後に商学部を中退しており、なかなかのエリートと言えます。さりげなく振り込め詐欺に必要になる程度のエクセルは使いこなしますし、二次関数までは理解しています。携帯電話も上手に契約することが出来ます。口先もそれなりに達者なので、振り込め詐欺グループでは万能プレイヤーとして重宝されていました。

「月20万で総額800万円返せばいいって話なんだ」

一郎君は切り出しました。

 

一郎君も反社太郎さんからお金を借りるのにはやはり抵抗がありました。言うまでもなく反社太郎さんはガチの人です。しかし、一郎君と反社太郎さんは同じ中学校の出身で、十年来の付き合いなのです。太郎さんは時々「事務所に遊びに来るか?」と言うくらいで、一郎さんを本格的なガチの道に誘ったことはありません。昔から何くれとなく世話を焼いてくれて、メシを食わせてくれたやさしい先輩です。

一郎君は反社太郎さんをそれなりに信頼していました。何十回となく一緒に飲んで、酔いつぶれた太郎さんが一郎君の家に泊まったことも何度もあります。ちょっとしたケンカで悪い筋の人が出てきてしまった時に電話一本で全てを解決してくれたこともありました。

闇金をやりたいです」

一郎君がそう告げた時、反社太郎さんは一言

「楽じゃねえぞ」

と言いました。

「覚悟の上です」

一郎君はそう切り返しました。そして、創業プランを必死にまくし立てました。そう、一郎君も無策ではありません、それなりのプランは用意してあったのです。一郎君は伊達に質の悪いチルドレンの顔役をやっていたわけではありません。零落した今となってもそれなりに付き合いと知恵があります。そのようにして出資の話がまとまりました。一郎君は800万円の借用書を切りました。それ出資じゃなくて融資じゃないかな、と思った皆さん、そんな悲しいこと言わないでください。

「俺とおまえの仲だからな、契約は明確にやろう。小難しい金利も入れねぇ。300万乗っけて返せ、それだけだ。月20万、返済は意地でも遅れるな。ただし、返済猶予期間を3ヶ月やる。死ぬ気でやれ。他はとりあえずいらん。しっかり儲けろ。それと、月に一回月末に経営状況を俺の事務所まで報告に来い、わかったな?」

なんという男気でしょう。保証人も担保も求められませんでした。500万借りて、40回返済で800万というのは金利としては安くありませんが、ヤミ金創業の資金調達としては悪くないような気がします。闇金を創業するのは一郎君にとっても初めての経験なので比較は出来ませんが、500万ポンと貸してくれる人が他にいるとは思えません。銀行に創業計画書を持っていくわけにもいきませんし。

「俺の名刺もやる、大事に使え」

反社太郎さんのなんかゴテゴテした名刺も5枚もらいました。反社太郎、相談役とか書いてありますが、なんかよくわかりません。なんかよくわからないけど大事に懐にしまいました。これは大事なアイテムのような気がします。

「事務所も紹介してやる、この不動産屋に行って俺の名前を出せ、ただし自分の名義では借りるなよ、話のわかる不動産屋だ、後は自分で何とかしろ」

 なんということでしょう、ネックだと思っていた事務所もあてがついてしまいました。闇金一郎君の物語はここから始まります。

 

 

それでは、次回以降ブログネタが尽きる度に適当に書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

 

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キャラクター紹介

闇金一郎 モデルあり 頑張って闇金を創業してわりと頑張った知人。たぶん存命。現在はガールズバーを経営しているという噂があるが、関わりたくはないので詳細不明。

粗暴 モデルあり 盗難車で覚せい剤をきめながらひき逃げというトリプル役満を達成。服役中というところで情報は途切れる。その後については間違っても知りたくない。

サギ モデルあり 色々と筋の悪い仕事をした後更正。現在はコールセンターに勤めながら2児の父とのこと。よかったね。頑張ってレーザーで刺青を消してるらしい。

反社太郎 █████ ██████████████████████████████████████████

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この小説は聞きかじった程度の現実を元にしたフィクションです。時系列などは整合させるのがタルいのでわりと適当です。

当事者じゃないのでディティールは若干甘いと思いますが、細かいディティールを僕以上にご存知の皆さんからのアドバイスなどはお気持ちだけ頂戴いたします。母方の祖父の遺言で、反社会的勢力の皆さんには借りが作れないのでその点ご容赦ください。

犯罪はわりにあわないからやめましょう、そういう気持ちを込めて書いています。