発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

5月病とその対策、もう一度歩き出すための話

GW終わりましたね

僕にはゴールデンなウィークはなかったですが、会社勤めの皆さんは十分に楽しめましたか?のんびり出来ましたか。あなたの頭から焦燥感が消えたタイミングが1秒でもあったなら、それはとてもよかったと思います。

さて、これからどうしましょう。新卒で入社した後のGWというのは、ちょっとしたロスタイムみたいなものだと思います。4月大変だったろ、新しい環境でも色々あった。そういうわけでちょっと休んでいいぞ。そういうタイミングです。実際のところ、このお休みが事態を悪くしていますよね。

会社に行きたい人間なんか地球にはほとんどいないわけですが、明日は月曜日です。あなたは否応なく出社しなければならない。この休みさえなければガムシャラに突き抜けられたかもしれないけれど、人間が一度立ち止まった後再び歩き出すというのはとても大変なことです。新卒ハイの魔法は切れた、酔いは醒めた。この程度の休暇では到底ぬぐい切れない二日酔いと疲労を抱えて、あなたはもう一度歩き出さなければならない。

 

5月病にならないために

五月病にならない方法は(それが出来る人にとっては)簡単です。新卒ハイをなるべく低く抑えて体力と気力の消耗を可能な限りセーブし、休暇の間もそのテンションを切らさない。これに尽きます。つまりは手遅れということです。4月をガムシャラに走り抜けてついにやってきた長期休暇です。帰省し、あるいは大学や地元の友人たちと酒を飲み交わしてすっかりリラックスした皆さんは、完全にゼロに戻ってしまった。もう一度ナップザックに荷物を詰めなおして登り始めるのは、実のところ並大抵のことではありません。

ところで僕は山登りが大嫌いで、あんなものを楽しむ人間の気持ちは全くわからないんですけど、山菜取りや渓流釣りは大好きです。ゲーム性があるからです。タラノメを追っかけたり、岩魚の濃い淵を求めて登っていく時、人はそれほど疲労を感じません。ゲームに没入しているからです。皆さんも研修を受けたり同期と親交を深めている時はそれほど疲労を感じなかったのではないですか?

それでも今日の気分は最悪ですよね。日曜の夜にこのエントリを上げる僕の性格も最悪ですが、僕にはゴールデンなウィークが無かったのでご容赦願いたいんですけど。それはともかく皆さん、あのゲームをあと数十年続けなきゃいけないんですよ。受け容れられますか?

山頂は遥かに遠く、皆さんは競い合いながら頂上を目指さなければいけない。もちろん、ある種の頂上にたどり着けるのは数百人に一人とかです。多くの人は道半ばに倒れ、あるいは下山し、それでもなんとか自分を肯定して生きていくしかない。途中で飲んだコーヒー美味しかったな、くらいの思い出が出来ればそれはむしろ幸福な事例と言えます。行軍を始めた皆さんにこれだけは伝えたい。未来はとても長く続きます。

 

クライマーズ・ハイ

僕に山の登り方を教えた人間はこのように言いました。余計なことを考えるな、急ごうとするな、一歩ずつ足を進めろ。進みすぎるな、だが休みすぎるな。そんなこと出来たら苦労ねえよって思います。相変わらず僕は登山が大嫌いでこの助言が実行できたことは一度もありません。

己を鼓舞し、獲物を求めてハイになり狂ったペースで登ったあと一歩も動けなくなる。それを繰り返して生きてきました。エンドレス五月病人生です。一定のペースでゆっくり進む、そんなことは出来ません。全速力で走るか1センチも前に進めないかどちらかしかない。「進みすぎるな、だが休みすぎるな」は掛け値なしに金言だとは思うんですが、僕はそれが出来ないわけですね。

そういうわけで、今五月病に陥っている皆さんのうち、「進みすぎるな、だが休みすぎるな」が実行出来る皆さんへのアドバイスはここで終わります。出来るならやればいい。GW明けの今回で懲りたでしょう。熱狂と酩酊の後には必ず疲労と宿酔が残ります。今回を良い経験として繰り返さないようにするといいと思います。進みすぎない、休みすぎない。テンションを切らさない。それが出来るなら本当に問題ない。これが出来る人は大体優秀です。

ただ、僕はそれが出来ない皆さんのためにこの文章を書いています。ある時突然沸く熱狂に身を任せて登る以外の進み方を知らない皆さんですよね、このブログの読者って。終わりのない五月病に生きるみなさんにはここからが大事です。

 

熱狂が尽きた時のために

僕は発達障害の二次障害として躁鬱病も患っておりまして、人生がものすごい速度で進む時期と、停滞して何もかもが停止する時期というのが人生に交互に訪れます。現在は後者の時期です。毎年、2月くらいに鬱がどん底を迎え5月辺りから回復していくのが規定路線なのですが、今年はどん底の2月から文章を書きまくったため今頃そのツケが来ているわけです。全身が重く、思考も冴えず、全てを投げ出したい気持ちで一杯です。まぁ、普通に死にたいですね。

で、我々がそういう時にどうすればいいかというと、これはもう話は簡単で熱狂を取り戻すしかないわけですよ。もう一回ゲームに没入するしかない。もちろん、鬱病などを患っている皆さんは治療が必要ですが、人生の波のようなものについては治療の余地がなく、なんとか付き合っていくしかないわけです。

でも、どうしても熱狂出来ないしゲームに没入できない時期というのはあります。何もやる気になれない、一行も書けないし一歩も動けない。会社にまるで行ける気がしない。重い五月病は割と厄介で、そのまま人生を踏み外してしまう人もわりといます。僕みたいに無限に五月病を繰り返して来た人間にとってはいつものことでも、社会人1年目の五月病が、「冗談抜きにちょっとこれやばいんじゃないか」という人もいると思います。

 

 寝るのは大体正解

さて、このブログを書いている段階で時間は21時になろうとしています。皆さん、そろそろ明日の出社が頭に引っかかって沈鬱になっているころではないでしょうか。そんな皆さんにアドバイスですが、とりあえず寝てください。睡眠薬をお持ちの方はさっさと飲んでしまいましょう。というのもですね、最悪のパターンって眠れないままスマホをイジイジして、気づいたら朝の4時みたいなあれですよね。

GW明けの月曜日にそれをやってしまったら本当にやばいですよ。今週一週間が終わると見て大体間違いありません。1日の間違いで1週間が台無しになり、1週間の間違いで1年が台無しになり、1年が台無しになる頃には全てがおしまいです。

どんな時でも「寝る」のはベターの選択肢です。例えば、あなたはどうしてもタスクに手をつけられない。でも、タスクに手をつけられないまま寝ることも出来ない。そのまま時間が経って、最悪のコンディションと残り少ない時間でタスクと向き合うことになる。こういうことはよくあります。放り出して寝てしまえば、時間はロスしたかもしれないし締め切りには間に合わなかったかもしれないけれど、少なくとも体調が最悪になることはなかったわけです。

そして、現在皆さんは明日の「出社する」というタスクが大変気がかりな状態です。ここで寝るという選択肢を選ぶのはかなり強い意志の力を要します。こういうときのために睡眠薬はあるんですが、それもない皆さんはとりあえず風呂に入る、寝巻きに着替えるなどあなたの平常通りの睡眠前の行動を取ってください。そして、可能であれば明日の準備をして靴を磨き、眠ってください。僕は基本的に「仕事の準備は前日の夜に終わらせておくのが絶対正義」という考え方を持っているんですが、今日だけはしょうがないです。やる気でないでしょうし。まぁ、とにかく寝てください。眠れなくても目を閉じてじっとしていましょう。それだけで大分マシです。

明日が憂鬱な日はとにかく寝る。これだけは覚えておいてください。これで少なくとも、憂鬱な朝に睡眠不足の彩りが加わることだけはなくなります。これだけで様々なことが相当マシになります。寝酒は今夜はなるべく控えてください。寝付く方法のオススメですが、僕は「ジャン・クリストフ」を布団で通読するというライフハックでこれをかなり解決しました。脳が「これを読み続けるのは苦痛だ、眠りたい」と思ってくれれば勝ちです。別にボイラーの説明書とかでもいいんでしょうけど、「ほどよくストーリーがあり現実を多少忘れさせてくれるが、徐々に読むのが苦痛になってくる」タイプの本がいいですね。スマホと漫画は禁止です。ドストエフスキーはツボに入ると夜が明けるので避けましょう。「悪霊」なら大丈夫かな。(個人の趣味の問題です)

 

布団で悩み込む時間は全て無駄

さて、そうはいっても布団に入ったら様々な不安、あるいは「だるい」という気持ちが襲い掛かってくることもあると思います。しかし、布団の中で現実的な事後策を考えることは絶対に推奨しません。形にならない不安が渦を巻くだけで、絶対に建設的なことなんか出てきません。布団に入ったら後は寝るだけ、考え事は布団の中ではしないというルールが圧倒的におすすめできます。どうしても考えてしまうなら、「ジャン・クリストフ」を読んでください。これは僕に文学的素養がないことの証明ですが、あれほど人間を眠たくする小説はそうそうないと思います。登場人物が覚えきれなくなっても構わず先に進んでください。脳が「もう情報を入れたくない」と感じ始めると、不思議に眠れます。

「布団は悩む場所ではない」という思い切りは大事です。どうしても何かを考えたくて寝ていられなくなったら、起きだしてノートに向かって悩んでください。そっちの方がずっとマシです。ノートを書くのもめんどくさくなって寝たくなれば一番いいですね。五月病の本体は朝にあるのではなく、どちらかと言えば夜にあります。22時に安眠することが出来れば大体大丈夫なんです。いいから悩むな、寝ろ。そういうことです。このブログ読み終わったら寝ましょう。何なら続きは明日読んでもいい。

 

これだけできればOKというルールを定めよう

それでも、なんとか出社したはいいけれどモチベーションがまるで上がらない、ということもあると思います。そういう時に限って悪いニュースは飛び込んでくるし、先週自分で埋めた地雷は爆発します。しかし、そういうのは今は仕方がないことだとあきらめましょう。だってあなたは五月病なんです、出社出来ただけ大したものです。上司に怒られようと、多少評価を下げられようと「最低限これだけ出来てればとりあえずは良い」と自分を許すことが大事です。なにせ、自分を責めたところでどうにもならないわけですから。自分を責めてモチベーションが戻るならとっくの昔に戻ってる筈です。やるだけムダです。そんな自己満足はやめて、最低ラインの維持だけに力を注ぎましょう。

加えて、「他人に愛想よく接する」ということを「最低限」に組み入れられれば尚ベターです。大きな声で挨拶する、大きな声で返事をする。なるべく機嫌のいいフリをする。新卒ならこれさえ出来てれば5月で完全にアウトになるということはありません。実際、これはかなり不思議なんですが、僕もどれだけボロクソの状態でも上記までのことは出来るようになりました。社会人は大体身に着けてるテクニックですが、新卒の皆さんにとっても重要です。にこやかで快活なゾンビとして過ごせるようになってください。

 

モチベーションを戻す

つまるところ、仕事にモチベーションを戻すにはゲームに再び没入するしかありません。それは面白みを見出すことだったり、真剣みを取り戻すことだったりしますが、この状態に戻すには何はともあれ仕事をしなければなりません。

皆さんの中に、期日が三日ある課題を「一日だけ完璧に休んだら翌日から本気出す」という誓いを立てて、それを確実に実行出来る人っているでしょうか。たぶん、ほとんどいないですよね。僕も出来ません。結局、これは

決断のコストと先送りの問題の話 - 発達障害就労日誌

このエントリの話の変奏なんですが、一定時間現実逃避したらモチベーションが戻るということは僕の経験上まずありません。とにかくスケジュールを切る、タスクを細分化する、そして一つ一つ手につけていく。やっているうちに偉大なる過集中がやってきたら儲けものです。

仕事も同じで、まずは出社して一日の予定を立てる、現在与えられている業務を確認してスケジュールを作り直す。メールフォルダをチェックして返信する。モチベーションは結局のところそういったルーチンからしか生まれないように僕は思います。なによりモチベーションが枯渇した状態で、平常のルーチンが保てていることはまずありません。となれば、まずは比較的楽なところからルーチンを戻していくしかないわけです。

もちろん、ルーチンを戻せたからといってモチベーションが戻ってくるとは限りません。しかし、平常ルーチンに戻れば仕事の能率は確実に上がります。能率が上がってくればゲームが楽しくなってくる可能性も高いわけです。とても辛いけれど、再現なくこれをやるしかないわけですね。

そして、最後にちょっとした小技ですが、「ルーチン」の最初に少しだけ楽しいことを入れておくのがとてもいいです。僕の場合は「コーヒーを淹れる」ですね。勤め人の際は、職場についてまず缶コーヒーを一本飲みます。こういう、手につけるのに苦痛のないスターティングルーチンを一つ確立しておくととても便利です。ここから次の作業にシームレスに繋げればあなたの勝ちです。いいですか、職場についたら、あるいは職場の手前で缶コーヒーを一本飲む。それだけをやろうと思ってください。それさえやれれば大丈夫です。安心してください。

 

眠ろう、そして最低限のことをやろう

はい、そういうわけで皆さん寝ましょう。5500字もお付き合いさせといてなんですが、この時間にスマホやPCを睨んでいるのはいいことではありません。明日のことは明日のあなたが苦しむわけですし、皆さんに出来るのは明日のあなたの苦しみを最低限にしてやる気遣いだけです。

また、これらの工夫が一切の効力を持たず、布団から出ることですら地獄のように苦しい、そういう状態になった場合は迷わず有給取って心療内科に行きましょう。安定剤と睡眠薬で本当に楽になります。とにかく眠る、最低限のことをやる。平常ルーチンの一番最初を捕まえる。これだけ覚えておいてください。

 そして、最後にどうしても絶望感と不安に苛まれて眠れない皆さんに、莫大な借金を抱えて事業をコカした僕が迫り来る債権者や怒り狂う取引先へ出向く仕事を明日に控えて、何とか眠るために編み出した秘伝の技を伝授します。

目を閉じて、こう考えてください。「僕は今日死ぬ、このまま目を覚ますことはない。明日は僕の記憶を引き継いだまったく新しい自己がやっていく。僕の仕事は今日でおしまい」そういう感じです。そして、意識がバラバラになって自分が消滅していくのをイメージしてください。大変ペシミスティックな発想法ですが、事態が最悪であればあるほど、精神状態がグチャミソであればあるほど効果を発揮します。

本当に厳しい時、「死のう」と考えて自殺の方法やそれまでの下準備なんかをシュミレーションしてるときってなんか安らぎませんか?僕は一時それだけが慰めだったことがありました。あの時の不意に訪れる安らかさを利用して眠る技です。楽しいことも前向きなことも何もかも尽き果てた、そんな日にお試しください。

モチベーションが戻る日、再び熱狂がやってくる日がいつになるかはわかりません。でも、それがやってくる日までとにかく事態を最悪にさえしなければいいんです。転げ落ちなければまた追いかけられます。そして、そのうちに熱狂がなくても仕事がそれなりに出来るようになれば尚良いですね、僕は未だに難しいですが。それでは皆さん、おやすみなさい。

明日もやっていきましょう。