発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

衝動的東京醤油ラーメン

東京醤油ラーメンが食いたい

そういうことは誰にでもあると思う。ある時、無性に東京醤油ラーメンが食いたくなる。それも、こだわったやつじゃない。屋台の夜鳴き蕎麦みたいなやつ。

すごく残念なことに、今の東京にこれを食べさせる店はあんまりない。東京のラーメンが悪いってわけじゃない。むしろ、東京のラーメンはどれも工夫が凝らされていてとてもおいしい。僕はラーメン激戦区に住んでいるのだけれど、近隣にうまいラーメン屋はたくさんある。でも、どこもガンガンに工夫したスープにガッチリフックのある味で、疲れ切った今食べたい味じゃない。

ふわっとやさしい鶏と醤油の香りに細くてちょっと頼りない麺。味覚ではなく郷愁の問題としては、ちょっとカン水の匂いがしてもいい。ただ、ベースのスープが弱いからあくまでほんのちょっとだ。鶏スープの滋養がじんわり沁みる、そんなやつ。

よし、作ろう

しかし、僕は今ちょっと忙しい。大量の雑務に忙殺されている今、アクをとりながらコトコトスープを煮込むってわけにはちょっといかない。かけられる労力はせいぜい1時間だ。時間がかかるのはいいが、手間はかけられない。よし、やっていこう。

まずは鶏ガラスープを作る。

冷凍の鶏ガラが眠っていたので、これを熱湯にブチこむ。解凍とかそんなめんどいことはしていられない。そのままグラグラ2分ほど煮る。するとある程度ヨゴレやアクも取れて解凍もされるので、取り出す。腹の中に残ってる内臓だけはかきとる。下ごしらえはこれで終わり、正味10分というところだ。

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その後、もう一回グラグラ沸かす。煮すぎてはいけない。今度はグラグラになったらそれでいい。これを炊飯器に放り込む。レンジが汚いのは見逃してほしい。そのうち綺麗にしたいと思ってる。アク取りとかそういうめんどい作業は放置でいい。

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冷凍庫に鶏むねもあったので、凍ったまま一緒に放り込む。さっきのグラグラのお湯をドバー。ここで温度をグラグラまで上げておかないとちょっと辛いことになるので注意して欲しい。水量はこんな感じ。

そして、保温ボタンをポチり。ポイントとしては間違っても「炊飯」ボタンを押してはいけない。この水量だと大惨事になるし、そんな温度で煮ると異常なスープになってしまう。(そういう流儀もあるけど、あれはちょっとエクストリーム系だ)

鶏ガラスープの仕込みはこれでおしまい。お好みでネギの青いとことかショウガとか入れてもいいけど、別に入れる必然性はないと思う。冷蔵庫になかったので今回は鶏ガラのみ。

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なんかカツオブシもあったのでダブルスープの機運が発生した。やっぱちょっと魚の香りもした方がいいよね。カツオブシはあっという間にダシが取れていい。これは粗削りなので、煮込みは10分ほど。東京醤油ラーメンは江戸前蕎麦の系譜という考え方もできるし。

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グラグラ沸く手前くらいの温度で10分。これが上質なカツオブシなら香り優先で75度くらいが良いんだけど、この業務用カツオブシにそういうデリカシーはないので、沸かさなければいい。アクは取りたかったらとってもいい。僕は気にしないけど。アクを取るかとらないかの基準は舐めてみてイヤな味がしたら、というのが僕ルール。

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はい。ダシが取れました。右側にあるのは二番ダシ。これはこれで、結構使い道がある。おでんとかね。カツオの香りが立ちすぎたらうっとうしいやつには二番ダシの方がむしろよかったりする。冷蔵庫にダシがあると豊かな気持ちになるよね。

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さて、醤油ダレを作ろう。といってもカエシがない。カエシというのは、醤油と砂糖がいい感じにあれしたやつなんだけど、これがないと甘味と塩気が衝突して、なんか収まりが悪くなる。しょうがない、ここは既製品。市販のめんつゆを4割ほど使って誤魔化そう。創味のめんつゆが好きなんだけど、あれはそれ自体がかえしだから。

そこに、鶏の胸から剥いだ皮とかカツオだし、昆布、作成途中の鶏ガラスープ、醤油、砂糖を入れて煮詰める。ソースパンがあればすごく早い。分量はよくわかんないけど、雰囲気で作ればいい。ラーメン屋と違って完璧なオペレーションを組む必要はないんだし、味の微調整は最後にやれる。

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醤油ダレができるころ、炊飯器の中で鶏むねが仕上がる。見て欲しい、このシットリ感を。炊飯器保温調理ならではだ。僕は凍ったままの鶏を炊飯器にしばしばブチこむのでなんとなく煮加減がわかってるけど、これは皆さんの使ってる炊飯器とか水の量とかで変動するので、炊飯器とよく相談して欲しい。あいつは真摯に相談すると応えてくれるいいやつだよ。僕はよく人生について教わってる。

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さっきの醤油ダレに鶏むねを漬けよう。一回沸かさない程度に加熱して、それから10分ほど放置。それ以上やるとくそしょっぱくなるので、取り出してバットかなんかで寝かせておくといい。結構チャーシューっぽくて僕はこれが好きだ。

醤油ダレのコツとしては、これだけはちゃんとこの後一回アクを取り切らなきゃダメ。やってみたらわかるけど、鶏のたんぱく質が凝固して最後の段階で結構辛いことになる。このタイミングでアクは取っておこう。グワッと加熱すると固まるよ。

ここで就寝。とても疲れた。5時間くらい寝た。

さぁ、仕上げよう

目を覚ますと、部屋に鶏のいい香りがしてる。スープが出来上がってる感じがする。炊飯器は一定の温度で保温してくれるし煮詰まりもないから、時間は適当でいい。12時間くらい放置しても経験上は大丈夫だった。

今日の気分はスッキリした雑味のない東京醤油ラーメンだから、スープの雑味や油は取り切りたい。よし、取るか。

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コーヒーフィルター氏に登板いただこう。これをやることで、ちょっとびっくりするくらいクリアなスープになる。スープのアクはこれで取り切れるから、安心して欲しい。綺麗な鶏ガラスープになる。コーヒーフィルターは調理器具として便利なので、予備を一つ買っておいていいし、予備がなければ洗えばいいよね。コーノ式だと漏斗がない!みたいなときには代わりになる。

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ハイパークリアスープ氏ができあがった。このタイミングで精神科の予約を完璧に忘れていたことを思い出して、一時中座。帰り道にバーガーキングを食いたい衝動と闘いながら帰宅。ついでに麺とネギを買った。

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スープを作ろう。今日は鶏ガラ6にカツオ4。そこに醤油ダレを加えていく。ポイントとしては、醤油ダレに頼りすぎないこと。プロのやつと違って味の調整は甘いから、最後の「味キメ」は塩でやることになる。どんぶりにタレを入れてスープを注ぐスタイルは格好いいけど、別に家であれをやらなくていい。よし、うまい。ガスコンロが汚いのは許してくれ。

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麺を茹でよう。僕はデポは持ってるけど、平網は持ってなくて、東京醤油の細い麺だと平網が欲しいなと思った。デポだとちょっと湯切りが甘くなってしまう。まぁ、そんな細かい話はいいや。茹でる。ちなみに、成城石井で麺を買ったんだけどこれに醤油ダレが付属されてて「俺が作ったやつより旨い可能性については?」と一瞬考えたけど、忘れる努力をした。(うまい可能性は高い)

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そんなわけで東京醤油ラーメン出来上がり。上の方に乗っかってるのは麩。僕は東京醤油ラーメンに一番合う具は麩だと思ってる。スープを吸ったやつをほおばってじゅわってするとすごく幸せな気分になるから、ぜひ入れたらいいと思う。僕以外に入れる人は知らないけど。

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大事な写真なので2枚載せました。

とてもおいしい。なんていうか、すごくやさしい味に仕上がってて、ちょっとチープで。決断的にちょっとだけ入れた味の素も正解だった気がする。ラーメンってのはジャンクフードだから「優しい味」を目指すにしても、ちょっとトガっているところが欲しいよね。入れすぎたらダメだけど。「化学調味料は味を『立たせる』んだよ!」ってキレてた店主がいたけど、わかる気がする。でも、それを主張する必要はあんまりないかな…どうだろう…。

人生に疲れるとあんまり料理をしなくなるし、適当なめしを食べてなんか消耗してしまう。もちろん、飲食店のめしはうまいけど「今まさにこれが食いたい」を満たしてくれるのは自宅めしで、ほうれん草マシマシもできる。冷凍ほうれん草も実は嫌いじゃないけど、やっぱ生のやつはうまいよね。

そんなわけで日々をやっていこうという醤油ラーメン雑記でした。

うまいよ。