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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

初めての商売の話

 レモネード・アントレプレナーシップ

僕なんですが、尾羽打ち枯らしたとはいえ今でも一商人ではあるつもりなんですよね。売るものが酒であれメシであれ不動産であれ文章であれ、一介の銭ゲバ商人であるというマーチャントスピリットは忘れたくないわけですよ。そういう言葉があるのかどうかは知りませんが。

そういうわけで、僕にも「生まれて初めての商売」に関する心温まるエピソードがあります。ほら、あるじゃないですか。アメリカのイカした起業家が夏休みにレモネード売ったとかそういうの。僕にもあるんですよそういう思い出が。僕の原点となるエピソードだなぁと思ったので書くことにします。アントレプレナーシップのお話ですね。よろしくお願いします。今日のは本当にいい話です。自信があります。

 

バタフライナイフ

はい、僕が人生で初めて商った商材はこちらになります。というのものですね、昔ですね、粗暴なチルドレンがバタフライナイフにゾッコンだった時期があったんですよ。バタフライナイフってのは、なんか刃がかっこよく収納できるナイフなんですが。かっこよくクルクル回すとカッコいいなどの特徴があります。(詳しい形状とかはググってください)確か、キムタクが出たドラマかなんかで流行ったんじゃなかったと思います。少なくともウィキペディアにはそんなことが書かれてました。当時からほとんどテレビは見ない子だったのであんまり知らないんですが、そんな感じ。(チーマーブームやカラーギャングなどの概念も関係してるかもしれない)で、粗暴なチルドレンが教師を刺す事件が起きたんですね。そりゃそうだ、頭の悪いチルドレンにナイフ持たせたらどうなるかなんてわかりきってる。「キレる17歳」とかなんかそういう言葉もありましたね。懐かしい。少年犯罪がめっちゃ流行ってました。

そういうわけで、「規制するぞ」みたいなあれが発生した時期があったんですよ。僕が中学1年生のときですね。で、そういう話が出てくると当然のことですが、チルドレンの「ナイフめっちゃ欲しい」という気持ちはマックスになります。クラスでもバタイフライナイフを持ってる奴は「スゲー」という空気感になり、バタフライナイフを入手できなかったチルドレンは技術室から盗んだカッターナイフを携帯してクルクル回すなどしていました。みんなめちゃくちゃ欲しがってたんです。僕はそういう中学校の出身です。若い方にはイメージできないかもしれませんが、トイレでナイフ持ったチルドレンが決闘している中学校というものも存在したのです。存在しない方がベストだったんですが。

そういうわけで、僕は特にナイフに興味はなかったのですが、ある日街をブラブラしてると、粗暴なチルドレンが喜ぶ曖昧なアイテム(手錠とかスタンガンとかエアガンとか)を売るタイプの玩具屋の軒先に、大量のバタフライナイフがダンボールに詰められて置かれているのを発見しまして。(ただし、刃つけはされていないものでした。ペーパーナイフの類ですね。でも、そこそこは切れた。あと、頑張ると刃をつけることもできた)どういう経緯なのかはよくわかんないんですが、一本1000円で投売りされてたんですよ。たぶん社会からの風当たりが強くなってきたので在庫処分したかったんでしょうね、主要客層は中高生でしょうしPTA等に怒られたんでしょう。30本入りで3万円。見た瞬間に思いましたね。「コイツは儲かる」と。当時、バタフライナイフはそこそこ売られていましたが、刃なしの安物でも3000円くらいはした記憶があり、1000円はかなりお買い得感がありました。

で、何も考えずにお店に駆け込んだわけです。財布の中には1000円程度しかなかったですが、とりあえず店主に話しかけてみました。うん、中身もそんなに悪いものじゃない。ちゃんとクルクル出来そうだし重みもある。そのナイフ全部まとめて欲しいニャー、まとめて買うと安くならないかニャー。

その結果、このような結論がアウトプットされました。

  • 中学生にはこれは売れない、社会から怒られる。俺はモラルがあるんだ。
  • ところでおまえ兄貴とかいる?
  • 一箱まとめて全部なら25000円だな、いやおまえに売るんじゃないぞ
  • アンダスタン?
  • 承知しました

そういうわけで、やっていく気持ちが発生したわけです。

 

資金を調達しましょう

はい。良い商品が見つかったら次にやることは資金調達です。流石に中学1年生がポンと2万5千円は出せない。そういうわけで、当時時々出入りしていた喫茶店に出向いて、曖昧なおっさんたちに相談してみることにしました。昔は体制と戦うのがライフワークだったタイプの曖昧なおじさんが経営するお店で、やはり昔は体制と戦うのがライフワークだったタイプの曖昧なおじさんたちがいつもたむろしており、背伸びしたがる中学生に大変寛容なお店だったのです。(一応、制服で来るなというルールはあった)。友達はいないし家にも居場所がなかったので貴重な逃げ込み寺でした。僕はこまっしゃくれたクソガキとして、曖昧なおじさん方には可愛がられていたんですよ。

「バタフライナイフめっちゃ安く売ってるのみつけたんですよ、学校では皆欲しがってるからまとめて仕入れて売りたい」

という話をしてみたわけですね。出資を募ったわけです。結果としては、曖昧なおじさん達の反体制スピリットに火がつきまして。「学校でナイフを売るという発想が良い」「武器の調達だな?」「そもそもナイフを規制しようというのが気に食わん」などのお褒めの言葉をいただき、「よっしゃ、3人で一人5000円ずつ出資してやる、金は儲かったら返してくれてもいいし、なんなら返さなくてもいい。ただし、俺たちから金を得たことは誰にも話すな。あと、その後どうなったか必ず報告に来い」という結論になったわけです。あと1万円は家中かき集めたらギリギリ届きました。お年玉の残りなどもあった気がする。

ナイフを実際に買う買い付け人ですが、中学を卒業した後曖昧にブラブラしてる先輩に「ナイフ一本あげるから買うの頼んでいい?」って言ったら「いいよ」という話になり、これもあっさり解決しました。曖昧な先輩は曖昧なのでいつもその辺にいましたし、誰もかまってくれないので後輩に時々遊んでもらうなどしていました。その先輩は現在も地元で曖昧にブラブラしているという情報が先日耳に入りましたが、特に感想はありません。変わりゆく世界にも変わらないものがあるんですね。

 

おっかない人たちと話をつけましょう

ナイフですが、すぐに同学年の連中に6本くらい売れました。値付けは2000円です。仕入れ値は一本862円ですのでなかなかの利益率と言えるでしょう。何せ、店に出向いても中学生じゃ買えませんからね。有害玩具とかそういう概念がありました。たかがペーパーナイフに大仰な話だと思いますがね。

みんなあれをパチンパチン振り回したかったんですよ。掛け売りもアリでしたので、商品はそれなりに売れはしました。ただ、友達が少なかったので想定よりも遅いペースではありました。2000円も中1にはちょっと高かったですね…。そして、マーケットは我が故郷のヘル中学校ですのでわりと早い段階で「呼び出し」という概念が発生します。はい、商売にはつきもののあれですね。「ショバ代」とか「シマ」とかそういう概念です。

「おい、俺のシマでなにやってんだコラ、誰が許可した?」のようなことを言いに3年生数人がやってきました。誰かにチクられたんでしょうね。ヤンキーの皆さんです。僕は昭和の最後の方の生まれなので流石に「番長」などの概念に遭遇したことはありませんが、やはりサル山なので序列があります。

これは結構やばく、最悪袋叩きに合った上商品を全部強奪される可能性もあります。やってることがあまりコンプライアンスを遵守しているとは言えないので泣きつく先もない。自力で乗り切るしかない状況です。ぶっちゃけこれが発生する前に売り切るつもりだったんですが、友達の少なさとヤンキーの異常な動きの早さ(社会性昆虫並み)が仇になり、間に合いませんでした。あいつらフェロモンとか出して集まるし、異常に嗅覚が働くのホント意味わかんない。知能はちょっと賢いチンチラくらいしかないくせに。

そこでショバ代交渉が始まったわけです。しかし僕も、学校に全てのナイフを持参するほどのアホではありません。

「今手持ちのナイフは1本しかないですし、この場でフクロにしても奪い取れるのはナイフ1本だけですよ。それより一緒に商売しませんか」

という話です。

「今は2000円で売ってるけど、先輩のご自由に値付けしてもらって構いません。仕入れ値は1500円なので、1本売れるごとに1500円はください。1500円以下に値段を下げるなら売るの自体をやめます。絶対に下げません。商品の先渡しはしません。客を連れてくるか金を持って来てください。条件は絶対譲りません。先輩、僕は先輩に敬意を持ってますよ、先輩の顔で儲けてくださいよ。サンプル1本渡しますね、このお代も売れたらください。その代わり、1年生に売るのは見逃してください、2年3年には売りません。」

というお話でした。結果的にはこれが当たった。流石ヤンキーネットワークですね、翌日の放課後には大変上機嫌に満額を持ったヤンキーヘッドがやってきて、商品をドサっと渡すと「おう、ありがとうな、まだ買いたい奴はいるぞもっと仕入れて来い、20本くらいくれ。あとなんかあったら俺に言えよ?」などの言葉を残して去っていきました。23本お買い上げです。

いや、これは本当に良かったですね。チマチマ自分で売るより手間もないしリスクもない、売値については上手いことハッタリをキメられたので利鞘は確保出来た。なによりデカいのはヤンキーヘッドが後ろ盾についたことです。しばらくはヤンキーヘッドに媚びて商品を供給する従順な後輩であればいい。

たぶん、エグい値段で売ったんでしょうね。まぁ、商品としても人気がありましたから、顔の広いタイプのヤンキーなら労なく売りさばくだろうとは思ってました。古くは「パー券」とかその辺に近い概念ですね。政治家とかもよく売るらしいですね、よく知らないですけど。幸運だったのは「損得勘定は出来る」タイプのヤンキーが仕切ってたことです。「ただひたすらに粗暴」みたいなのが仕切ってたらこの時点で話は終わっていたでしょう。また、「仕入れルートを奪って自分で商売する」ところまでは頭の回らないタイプだったのも幸運でした。

 

収支計算をしましょう

はい、ここまでの収支を計算しましょう。仕入れにかかったコストは2万5千円です。売り上げは2000円で販売したのが6本、1500円で販売したのが23本です。合計46500円也。イヤッハァァァァ!差し引き21500円の儲けだぜェェ!

という世界観になりました。このときの嬉しさは未だに覚えていて、仕入れて売って儲けるというのは本当に快感だということがよくわかりましたね。あの快感をまた味わいたくて商売をしているフシはあります。本当に嬉しかった。

いやー、とてもよかった。儲かった。さぁ、次の仕入れだ。

 

ハイパー欲掻きタイム

はい。まぁ、あれですよ。そこに需要があるなら売らなきゃダメじゃないですか。ね、お客さんが待ってるんですよ、僕の商品を。わかるでしょ。だって販売ルートも出来て、あとは仕入れさえすれば買ってもらえるんですよ。しかも手元に資金もある。そんなのやるしかないじゃないですか。皆が待ってるんです。期待に応えなきゃいけない。もっとお金欲しい。もっとお金欲しい。もっとお金欲しい。大丈夫もう一回くらいイケる。よっしゃいこう。(引き際という重要な概念はあります)

そういうわけでですね、再び曖昧な玩具店の店主と交渉しまして、今度は2万円分仕入れたわけです。もちろん、曖昧な店主が処分したかった各種安物ナイフやそれっぽいもののバルク売りです。バタフライナイフは半分くらいで、あとはちゃちなナイフとか、メリケンサックとか、なんか握って殴るとイタい凶悪なツボ押しみたいなのも混じってた気がします。大丈夫だ、バタフライナイフじゃなくても多分イケる。あいつらの販路は強い。たまごっちのパチモノみたいな雰囲気で売れる気がする。ギャオっちとかあったし。よし、これを箱で持って行ってヤンキーヘッドに渡して3万円貰う。話はそこで終わりだ。よっしゃ行くぞ、と思ってたらナイフの買い付け代行をしてくれた先輩に「おまえ儲けてるだろ」と言われて5000円奪われました。

流石にこれくらいの時期になると、「なんかやばい気はする」という感覚はあった気がします。これ売ったら終わりと心に決めてました。まぁ、1年分以上のお小遣いが4~5日で稼げたんだからヨシとしようじゃないかと。上級生のヤンキーズにも上手く取り入れたし。当時の僕のお小遣いは月2000円でした。それでコーヒー代や本代などを賄っていたわけです。友達はいなかったので交際費はあまりかかっていませんでしたが…。

しかし、この時期はヤンキーヘッドを抑えて販路を確保したことですっかり危機感が薄れていました。ヤンキーヘッドに「金になるあれを持って来る1年坊」という肩書きを与えられたおかげで、学校内でのカーストも上昇したような気になっていました。同学年の不良ぶってる連中などにアヤをつけられても、ヤンキーヘッドを呼べばいいだけですし。教師にチクられる心配もまずない。僕の商売をつぶすということは、ヤンキーヘッドの商売を潰すということです。そんなアホはこのサル山には存在しない。順風満帆です。

 

ハイパー怒られタイム

刃傷沙汰が発生しました。はい、僕の売った商品で人間が刺されるという事態が起こったわけです。起きる気がするなー、とは思ってましたが、我が母校の平均IQの低さをナメてました。まさかそんなすぐ起こるとは思わなかった。ペーパーナイフなんですけどね…まぁ尖ってますしね…。結構流血したそうです。僕はそのような事態が三年生のフロアで起きているとはつゆしらず、ナイフやらなんやらのゴッチャリ入ったカバンを部室に隠し、大変愉快な気分で授業を受けていました。教科書は全て机に突っ込んであるので、カバンがなくても特に不都合はなかったです。

あれは確か国語の授業だったと思います。突然授業が止まり、数人の教師が教室に雪崩れ込んで来て持ち物検査が始まりました。僕はナイフを持って授業を受けるほどアホではないのでそこでは捕まりませんでしたが、バカ数名がナイフ没収になりました。やばいやばい、こいつらはバカだし意思も弱いので僕が売ったということは必ず露見する、とりあえずバックレだ、とにかく学校から逃げ出そう…と思ってたらですね、そのまま数人がかりで職員室に連行されましてね…。

あれはすごかったね、職員室に投げ込まれるまでほとんど地面に足がついてなかった。いやー、とっくの昔に僕が売ってるの割れてたんですね。教師舐めてましたね、本当に速かった。別室ではヤンキーヘッドと愉快な仲間たちもガン詰めされてたらしいですね。つーかあのクソども、一端の不良を気取ってる癖に教師に仕入れ元ゲロったの本当に死ねばいいと思う。そこはダメだろ常識で考えろよ。

こっから先はあんまり楽しい思い出じゃないんですけど、いやまぁね…。話は「はっちゃけて怒られました」で閉じないですよね…。はい。あんまり詳細に書くとあれなんですが、ハイパーメガウルトラアルティメット怒られタイムに突入し、財布に入っていた儲けも隠しておいた商品も全て没収され、耳から緑色の汁が出るくらいグチャミソに怒られました。はい。社会がマジギレするとこういうことになるのか…という感じがしましたね。社会は本当に怖い。せめて現金をまとめて持ち歩かなければ利益は持ち逃げできたし、商品も学校に持ち込んでさえいなければ後から少しずつ換金できたんでしょうけどね…。ヤンキーヘッド抑えて完全に調子に乗ってましたね…。隠し場所も安直過ぎましたね。あっという間に発見されてしまった。

最初は「違法性はない」「自分の金で買った商品を売ることに何の文句をつけられる筋合いがある」「刃がついてない、つまりナイフではない。ペーパーナイフは文房具だ、文房具を売って何が悪い」「俺の商品を奪う権利があんたらにあるのか、それは所有権の侵害だ」などと論陣を張ってみたりもしたんですけど…まぁね…。はい。本当にすいませんでした。はい。親とか出てくる話になるんでこの辺でいいっすかね…。

まぁ、あれですね。地回りのヤクザを抑えて調子に乗ってたら警察に怒られたみたいなあれですかね…。あ、僕はとても真面目で誠実なチャイルドだったので、出資者と仕入れ元は最後まで口を割りませんでした。これは自分を褒めてあげたいです。すいません、反省してます。

 

いい話ですよね

いや、本当になんというかですね、この話本当に「商売」という感じするじゃないですか。社会に怒られるところまでワンセットで。世の中の人間がハシャいで怒られが発生するまでの流れって大体こんなんじゃないですか。

でもほら、あれですよ。この話ですけど、僕の何が悪いって、本質的に悪いこと何一つしてないじゃないですか。少なくとも法にはだいたい触れてない。刃はついてないわけですし。(正直に言うと、バタフライナイフ型の時点で、おまわりさんがその気になれば軽犯罪法で取り締まられる気はする。バタフライ型のペーパーナイフを所持する正当な理由は難しそう)

商材を見つけ、出資を募り、仕入れ、おっかない人たちを抑えて販路を作る。めっちゃ頑張ってるじゃないですか。需要をガッチリ認識してるのもエラくないですか?しかも、社会的なアレで供給が乏しくなった商品をピンポイントで仕入れてるんですよ。しかも需要は増えて供給は絞られてるのに仕入れ値は下がってる商品ですよ。これしかない!って感じしませんか。

まぁ実を言うとエラくは特にないと思うんですけど、「これは売れる」という感覚は間違ってないですよね。将来的に僕がめっちゃお金持ちになったときに逸話として語られてもいいと思いませんか。将来的にめっちゃ金持ちになる目があるかはともかくとして。すごい頑張ってると思いませんか。アントレプレナーシップと呼べませんか。呼べませんか。確かにそんな気はしてた。ごめん、調子に乗った。尚、出資してくれた曖昧なおっさんたちに事の顛末を説明しにいき、「一ヶ月1000円ずつ返すから許してください」という話をしたら、大爆笑の末なんか褒められました。それから頑張って少しずつ返そうとしましたが、受け取ってもらえませんでした。これはいい話では。微妙なところか?

今でもたまにバタフライナイフという概念を見かけると、この思い出を思い出します。懐かしいですね。良い経験を子供の頃に出来た、大変微笑ましい思い出であり引き際という重要な概念を教えてくれた経験だった…と思っていたのですが、その後30歳を目前にしてやはり引き際を誤って爆死し、現在はブログを書いているという話でした。ご清聴ありがとうございます。次は上手いことやります。次こそは。

ちょっと毛色の違う話で発達障害関係なく恐縮ですが、今後もやっていきましょう。

 

タコとカラスミの炊き込みめしの話

はい。

negineesan.hatenablog.com

文脈が発生しました。

どういうことかというと、僕は昨年の末からカラスミの作成にトライしてまして、築地に出向いて宮崎産ボラ子を2キロ買い付けるところから気合いを入れてやっていっていたんですが、折角作ったんだから面白い調理をしてくれそうな人に送りつけようってことになりまして、結果としてイブニングの人気漫画家のネタ元になれるという栄誉をいただくことができたわけです。

カラスミ製作過程ですが、序盤の画像はスマホ破損により完全に失われたため後半をダイジェストでご覧ください。

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6割方干しあがってきている頃です。この頃は大変カメラ性能の悪いスマホを使っていため写真がひどい(現在も良いとはいえない)ですが、このような過程を経て製作されました。色の違いですが、塩抜きの際の酒の違いで色が濃い方がアードベッグ(すごい匂いのするアイラのウィスキー)、薄い方が越の寒梅(もらいものの日本酒)です。どういう理屈かわからないのですが、ウィスキーに漬けると異常に色が乗ります。メイラード反応と糖質があれしてるなどの仮説を立てて論文を漁るなどして検証してみましたが、理屈が結局合わなかったので(酒に残存した糖がメイラード反応を促進してるなら糖質ほぼゼロのウィスキーで色乗るのおかしいだろ)謎のままです。誰か答えを出してください。

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干しあがりです。上がアードベッグ漬け、下が日本酒漬けです。いい色です。伊勢丹で売ってるのを買ったら1個3万くらいすると思います。(伊勢丹に売ってるものとこれがどの程度品質が違うかですが、食べ比べたことがないのでわかりません)

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最終的にこの程度の量が産出され、様々な人間に自慢していたら消滅しました。不思議です。一人で食ってたら半年分の晩酌のアテになったと思うんですが…。

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完成品です。ねっとりとした魚卵のうまみにアイラモルトのピートが効いており、無限にウィスキーが飲めます。カラスミ製作過程で、僕は毎日2ミリずつ削って「仕方ないなぁ…」などと言いながらウィスキーをペロンペロン飲んでいたのですが、肝臓が劇的に悪化しました。

結論としては、カラスミですが好きな酒と合わせて作ると幸福度が高くなると思います。僕はアイラモルトのピートがクッソ効いたヤツが好きなので、やはりアードベッグで漬けたのは正解だったと思います。日本酒がすきな人は日本酒で、ワインが好きな人はワインでやればいいと思います。(ビールはモノによっては大失敗するのでチャレンジ案件です。ホップがめっちゃ効いたIPAなどにスピリタス等でアルコールを補ってやるのが安パイ)

ネットを探しても僕以外にやってる人間がいないので客観評価は不可能ですが、こいつを齧りながらアイラモルトをクピっとやるのは大変幸福度が高く、次シーズンは3倍作りましょうという機運が発生しました。

 

やっていきましょう。

 カラスミを作りました、美味しかったで完結するべきなんですが、前述の小林銅蟲先生のエントリを見ると僕もふざけたことをやりたいという気持ちが発生しました。パスタをやられてしまったなら、僕はメシを炊くしかないだろうというわけでやっていきます。

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そこでおもむろにマダコ(半身)の登場となります。

これは妻の実家からいただいてきた相馬のタコで、大変甘みがあり歯切れもよく単体でくそうまいタコです。カラスミ先生の生贄に捧げましょう。

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曖昧にバラしていきましょう。「タコなんて大体どうやってもうまいんだからなんでもいいだろ」という気持ちで恐れを知らず包丁を入れました。結果として、タコは大体どうやってもうまいので問題なかったです。

タコの正しいバラし方ですが、知りません。料理ですが、調べるのがめんどくさいので常にフィーリングで行い、ADHDなので計量の類は一度もした事がありません。我が家には大匙も小さじも計量カップも存在しないです。(尚、僕はお客さんに金とってメシを出すシェフとして厨房にたっていた頃もありましたが、その時期もすべてそれで押し切りました。製菓以外はなんとかなります)(製菓は死にます)

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ここでおもむろにカラスミを摩り下ろします。2ヶ月近い月日と多大な投資をかけて製作された成果物がゴリゴリすりおろされていくのは一種の快感で、パチスロにクッソ負けてる時みたいな気持ちになります。

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つい切り出して食べてしまい、舌が猛烈なうまみに襲われどんどん頭が悪くなっていきます。カラスミですが、うまみにも致死量があるのだろうな、ということがわかってきます。基本的には海のうまみの化身なので、どうやって食ってもうまい。

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クソ高い粉天下一武道会合法の部エントリー者です。後半の方は「なんかもうおろすのだるい」という気持ちになり適当に刻みました。僕はそういう人間です。こちらの物体が何に近いかといえば、殺意の波動に目覚めたハッピーターンの粉という感じがします。舐めれば舐めるほどIQが下がる。静脈に注射したり鼻から吸ったりする方が正しいような気がする。

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ふざけたことをやっています。こちらですが、当然クソうまいです。クソうまいのは確かなんですが、タコでもカラスミでもない異常にうまいがよくわからない物体に化け、素材の味のアウシュビッツでした。ジャンク要素ゼロなのに完全に味の構築がジャンクフードで、「うまければいい」というわけではないことがわかってきます。「うまいね」「うまい」「でもわさびがいい」「俺は柚子胡椒がいいわ」などと妻と同意しました。タコの命を粗末にしてはいけない。

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穏当な食い物です。結論から言えばこれがベストで、「ああ、ちゃんと素材と料理の味がする」という感じがします。先ほどのタコにかけたやつは、脳に流し込まれる「うまい」という信号みたいなものでした。これくらいが妥当です。

 

炊きましょう

 

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そういうわけで中略が発生しました。刻んだタコとカラスミ1.5本分の粉末を米2合とともに炊きましょう。分量ですが、いっぱいいれました。米とタコが1対1くらいだったと思います。わかりません、なにもわかりません。料理ってそういうものだと思います。ピートの香りがすごい。アイラ島のウィスキー職人もボラの卵巣を漬けられた挙句タコと一緒に炊かれるとは思わなかったでしょうね。

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成果物が産出されました。盛り付けて大葉をクッソ乗っけました。僕は大葉が大変好きで、とにかくいっぱい乗せたい派です。家の周りに無限に大葉が生えていたらいいな、と思って昨年の春は種を庭や家の周囲にバラまいてみましたが、全部枯れました。新宿対紫蘇の戦いは新宿に軍配が上がったようです。パクチーも全滅しました。その後、インターネットで調べたら、紫蘇の種をバラ撒くのは通常テロと看做される非人道的行為だったようで、爆植しなくて本当によかった。

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完成品です。タコが思ったより縮んでしまいましたね。倍入れてもよかった。次回への反省としましょう。タコが2に米が1でよかったですね。で、味ですがクッソうまい…というよりはしみじみと「うめぇなぁ…」という感じです。

アイラモルトのピート香とカラスミとタコから発生する潮の香りはすさまじく、香りの時点では「これはすげえ破壊力に仕上がったぞ」と思ったんですが、口に入れてみると存外におとなしい。まずタコの食感とうまみがきて、その後に米の甘み、そして最後にカラスミが潮をあげてきます。うまみのビッグウェーブが襲い掛かってくる感じをイメージして作ったのですが、実際のところはスゥーっと潮をあげていく海のように口内をうまみが満たしていく感じです。イメージとしては、カラスミの添え物がタコだったんですが、仕上がってみるとカラスミがタコのフォローに回ってますね。

一口目の感想は「?」です。和食屋とかでたまに高いメシ食わせてもらったりすると、最後になんかよくわかんない味メシ出るじゃないですか。で、酒も入ってるしまぁメシは食うよ、という感じで一膳平らげる頃に「あれ?これクソうまくね?」って気づくタイプのアレあるじゃないですか。(丼で欲しいと要求したらすごいイヤな顔されたことあります)感想は完全にあれで、非常に上品です。とりあえず妻と二人で2合食いましたが、一人2合でよかったですね。(カラスミも倍必要になる点については色々考える必要がありますが)

とにかく食えば食うほど旨くなってくるタイプの食い物です。あと、冷えた方がうまいですね。しかし、製作段階で構想していた下品かつ破壊的な味わいはまったく獲得できず、今後の課題となりました。カラスミですが、熱を入れると非常におとなしくなってしまうみたいですね。いや、気合いの入った和食屋が敢えてやるにはいいと思うけど、僕が求めていたのは必ずしもそういうものではなかった。加水、あるいは油を加えながらペースト状に練るなどの素材のパンチを殺さない調理法を模索していく必要があります。人生味メシランキングですが、2位にランクインですね。1位の某山荘で食った野生キノコが死ぬほど入ったメシには勝てませんでした。

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残存したタコの様々な部位です。足とも頭とも言いにくい謎の部位がうまかったです。あれですね、最初は妻と一緒にカラスミの粉に刻んだ大葉混ぜたやつをつけて食ったりしてたんですが、タコはタコとして食うほうが絶対に良いですね。マグロにもカラスミつけて食ってみましたが、「言うまでもなくうまいが、食感以外はタコの時とほぼ同じ結果が脳に出力される」という結論になり、だったらもう脳に電極つければいいんじゃないかという感じでした。

 

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エンディングですが、エビとカラスミのパスタです。小林銅蟲先生の三分の一程度の分量しかカラスミを入れていないため、大変穏当な味でまぁうまかったです。しかし、なんというかエビとカラスミはもちろん合うし、太麺のパスタもそれをガッチリ受け止めてはくれるんですけれど、今日のメシもこのパスタも、鱈の白子という単体でメイン張れるうまみモンスターを添え物に持ってくるという先生の暴挙には及んでいない感じがしますね。暴力性が足りない。高めていかなければいけない。

そういうわけで、今日は料理エントリでしたがまた明日から通常更新に戻っていきます。そして、次のシーズンですが最低5キロはカラスミを作ります、龍吟レシピも試す。そういうわけで、引き続きやっていきましょう。

残念な人類のためのタスク・スケジュール管理術

タスク管理が終わってますね

はい。僕もそうでしたし、そもそも「タスク管理」あるいは「スケジュール管理」というのは「定めた通りきちんと実行する」というところまでワンセットになった概念ですから、完璧にやれているということは人生がほぼほぼ予定通りに運んでいるということになります。おそらく、そういう人はほとんどいないでしょう。「やるぞー」と決めてクソデカい手帳を買ったり、スマホにモリモリアプリをインストールしたりは誰もがしたでしょうが、それが実になったことがある人はかなり少ないと思います。

ツールを購入したり、あるいは「やるぞ」と決めた日から数日くらいはどんどんタスクを入力していくでしょうが、次第に未消化タスクが積みあがっていき、しかも新規タスクの書き込みは徐々に行われなくなっていったのではないでしょうか。

こうして考えると、タスク管理というものには実に様々な要素が求められることがわかります。すぐに情報を書き込んだりあるいは参照したり出来るアクセス性が大事ですし、記載されている情報と日付や時間がしっかり紐づいていることも重要です。長期タスクに関しては進捗度と現在のヤバさがある程度見えないと、「忘れてた」になります。3ヵ月後に締め切りのある概念を手帳に書きとめたら、次に参照されたのが2ヶ月後だったということってありますよね…。

そういうわけで、求められる諸要素を分割して最適なやり方を探っていこうと思います。僕の場合、スマホのスケジュールアプリは色々使ってみたのですが、スケジュールなどに限らず全ての情報が一箇所に固まっていないと無理だということで、結局は手帳に落ち着きました。この辺の情報は

syakkin-dama.hatenablog.com

このエントリに大体まとまっています。僕の使用している手帳はこちらです。薄くて胸ポケットに違和感なく入り、メモ欄が非常に多いのでこれが一番便利だという結論に達しました。

item.rakuten.co.jp

スマホ族の皆さんは機能的には大きな差がないので、そちらを使ってみてもいいと思います。僕はダメでしたが、「俺は四六時中スマホ見てるからそっちがベスト」というパターンもあるかと思いますし。僕は「喋りながら図などを加えつつメモを取る」という需要が大きいので手帳にしている面もわりとあります。

そういうわけで、今日はツールではなくハックとしてのタスク管理手法について考えてみたいと思います。よろしくお願いします。

 

最も重要かつ実行の容易なタスクとは何か

僕も長年タスク管理、スケジュール管理を失敗しまくってきて一つ結論に達したんですけど、「予定通りやっていっている」という実感が積みあがり、生活が管理されたスケジュールと完全にシンクロしているとどんどんやる気が出てきます。(逆に言えば、1つスケジュールを実行しそこねた場合、連鎖的に後のスケジュールも崩れ、果てしなくやる気が失われていきます)そういうわけで、まっさらの手帳、あるいはインストールしたばかりのアプリに最初に記入するべきは、「最も重要で」「最も実行の容易な」タスクなんですよ。これを軸にして予定を立てるべきなんです。

はい、具体的にそのタスクとは何か。休養です。何もしないというタスクです。

僕もそうだったんですが、スケジューリングする時に「休養」を単なる「スケジュールをなんとか帳尻合わせする余剰時間」と無意識に認識してしまっている人は多いと思います。例えば、今日が金曜日で締め切りが月曜日の必達タスクがある。この場合、我々は9割がた日曜の夜にそのタスクに取り掛かることになるでしょう。で、3時間で終わると踏んでいたらまるで終わらず徹夜に突入し、週はじめから終わった体調で世界と戦うハメになる。こういうのを回避するのが一番大事です。休むべきときはきちんと休む。そして、おもむろに世界と戦う。それが出来てるのが一番大事なんですよ。2連休のオーラスに徹夜カマして迎える月曜日の絶望感ってありますよね。

そういうわけで、「この日は休む」「この時間までは休む」という予定を一番先に手帳に書き込む習慣をお勧めします。僕は毎月25日に翌月の予定を立て始めます(給料日とシンクロさせており、金繰りのために手帳を開くので)。その際、一番最初にやるのは休日の決定です。月に何日の休養が必要かは人によるでしょうが、少なくとも3日は取った方が良いです。クリーニング屋にワイシャツを出したり、洗濯をしたり掃除をしたり、付き合い飲みに出たりする日は休日ではありません。まっさらな何者にも汚されていない休日を、まず最初に抑えましょう。

人間は休日が大好きなくせに、いざスケジューリングをする段になるとそれを一番おろそかにします。しかし、このガンガンスマホが鳴りメールが届きラインがピンピンいう時代に、「休養を取る」というのは立派なタスクです。そこには明文化された意思の力が必要です。

とにかく、スケジュール管理が終わっている皆さんの最初の必達タスクは「きちんと休む」ことです。「あれやんなきゃなぁ…」と思いながらダラダラ過ごす時間では全く回復できていません。純度100%の休日を、たとえ半日なりとも取ることが重要です。他はとりあえず後回しでいいです。「休む」というタスクをまずは意識して、手帳に書き込んでください。我々のタスク記入優先度1位は「休養」です。

これは起業されたりあるいはフリーランスだったり自営だったりする皆さんにとって最も重要な概念だと思います。というのもですね、「休暇は優先度1位だ」と腹括っておかないと、休みなんてマジで取れませんよ。これは僕の特質なのかある種の症状なのかはわかりませんが、休まないと動けなくなることは分かりきっているくせに妙に付き合いがよく、誰かに何かを頼まれたり飲み会に誘われたりしたら「休み取れなくなるな…」と思いながらもつい安請け合いしてしまう悪癖があります。

月末にはとにかく翌月の「休養日」を定義しましょう。そして、それは「スケジュール」であり「タスク」なんですから、厳密に守りましょう。ADHD度合いの強い人は「まずこれだけ」でもいいです。明らかに変化が出てきます。「明日は休みだから今日のうちにこれを終わらせないと」という概念を体に覚えこませてください。極論を言えば、100連休があっても100日目が終わっていれば次の日の仕事のクオリティは最低です。我々のような人間のスケジュール管理・タスク管理は「短時間に最大の効率を出す」とか「効率よく時間を使う」みたいなところからは始まりません。そんなのはデキるヤツのやることです。そういうわけでまずはここからです。「予定通り何もしなかった!」という達成感と、「今日休むことには何の罪悪感もない」という免罪符をまず勝ち取りましょう。本当に回復度合いに差が出ますよ。

まとめ

  • 最も重要なタスクは「休養」です。あらゆる予定に優先して定義しましょう。
  • 焦燥感に焼かれながらダラダラしても回復はしません。純度100%の休日をきちんととるようにしましょう。
  • 最終的には「休養日を増やすために予定をやりくりする」概念が発生してきます。ここまで来ると勝ちゲーです。

 

短期タスク

意外に鬼門です。「住民税を払う」とか「ガス代を払い込む」とかそういうことが、我々には存外出来ません。「特に明確な理由はないが住民税を半年払い込まずにいたらものすごい延滞金がついた」みたいな悲しいエピソードを持っている方も多いでしょう。僕もです。

ところで、みなさん短期タスクですがどうやって管理してますか。たぶん、「特に何も管理してないがいつも何かやり忘れたことがないかヒヤヒヤしている」みたいな皆さんが大多数のような気がします。次に多いパターンが、メモ帳やノートなどに締切日とともに書き付けて一括管理している、でしょうか。スマホのスケジュール管理アプリに思いついたときに入力して、そのまま忘れるパターンも多いですよね。そのとき手についた適当な紙に書き付けるんだが、その紙が見つかる可能性は高くない、みたいなのもありますよね。

そういうわけで、とりあえずスマホでも手帳でもいいので、情報の入力先を一元化しましょう。「用途ごとに複数のツールを使い分ける」というのはデキる人のやり方です。これはカバンのエントリとも共通する概念ですが、「とりあえず一箇所に圧縮する」は基本戦略といえます。オススメはやはり手帳です。仕事用の手帳とプライベート用の手帳を分けるみたいなことはオススメしません。「あれ?あれの締め切り日いつだったけ?」みたいなあれが発生した場合、探す場所は1箇所以上に増やすべきではありません。さっさと「締め切り日がわからない」という結論を出して、ゴメンナサイの電話を入れたほうがよほど建設的です。

そういうわけでなんですが、短期タスクには2種類あります。

  • 定期発生型タスク
  • 個別型タスク

です。「ガス代を払い込む」みたいなのは定期発生型ですし、「~さんにメールを返す」みたいなのは個別発生型です。で、定期発生タスクの攻略はわりと容易です。月に1回手帳にまとめて書き付ければいいわけですから。先月の予定を見れば今月何が発生するかもわかりますし。(先月のスケジュールを見ればわかるんだから、別にわざわざ書きつけなくていいじゃん、先月の見ればいいでしょ、みたいな概念はオススメしません。『イヤでも目に入る』が重要です)ちなみに、「月に1回手帳に来月の予定を全て書き込む」はそれ自体をタスクとしてスケジューリングしておくのが重要です。

問題は、個別型タスク、それも常時差し込まれるタイプのヤツですよね。例えばメールの返信だとか、書類を送るみたいなやつです。これは例えばデスクワークの仕事をされている方でしたら「メモ帳に記入して机に置いておく」とかでわりと簡単に解決するんですが、プライベートの予定だとそうもいかない。

そういうわけで、これも僕は「手帳にすぐ書き付ける」で統一しています。LINEやメールで差し込まれる予定については、「情報が既に参照できる形で保存されているんだから特になにもしなくてもいいじゃん」という気持ちが発生するのは事実ですし、それで油断した結果こないだ僕もミスって怒られが発生しました。(すいませんでした)

僕は、プライベートも仕事も一冊の手帳を常に携行するというのが最終的解決策になっています。スマホという解決策もありえると思います。(情報入力の自由度が高くないのが欠点なんですよね…)

まとめ

  • 定期タスクは毎月1回翌月分を予定として記入する習慣をつけましょう。僕は毎月25日の「休日の定義」と同じ日にまとめてやってしまいます。基本的には前月踏襲のはずなので、そんなに手間はかかりません。
  • 個別タスクは、都度手帳に書きつけて記録しましょう。その際、情報の記録媒体は可能な限り一元化しましょう。少なくとも、「手元に情報がない」という結論だけはすぐに出るようになります。
  • 「さっさと謝罪する」というスキルをセットで覚えておくことも重要です。あ、あれ忘れてた!と気づいた時に2秒で連絡を飛ばせるクイックさは、ここに書かれた管理術の10倍重要です。
  • ごめんなさいの連絡はあらゆるスケジュールに優先します。気が進まないので後伸ばししてしまう気持ちはわかりますが、すぐやってください。大人は怒りの電話とかしてくれませんよ。
  • 人間はキレながら連絡を待っている間に怒りを熟成し、どのように責め立てどのように報復するかのプランを練っています。謝罪はとにかく早い方がいいです。早い方が…。

 

長期タスク

はい、鬼門ですね。鬼門です。これが完璧に管理できるなら人生大体うまくいくよ…くらいの難易度があります。例えば1年で終わらせるべきタスクがあるとしますが、これをスケジューリングなしで片付けるのはかなりリスキーです。人生大体なんとかなったからなんとかなるんじゃないか…みたいな発想は捨ててください。なんともならなかったときに終わります。

とりあえず皆さんの長期タスクに対する基本的なプランについてですが、僕は詳しいですよ。まず、よっしゃやるぞ!って思いますよね。そして、おもむろに期間の3割~半分程度をドブにぶっこみます。期間の2割程度を空費したあたりから焦燥感が発生し、長期タスクに手をつけることがますますイヤになってくる一方、それが気がかりで日常生活にも支障が出てきますよね。

で、残り時間が半分~3割を切った辺りでおもむろに「やるぞァァァ!」みたいな気持ちを発生させ、良いシナリオでは過集中がガンガン発生し、細かいことはよくわからないけど成果は出た、という感じになります。悪いシナリオは特に記述しなくてもいいですよね…。「なんかわかんないけどなんとかなった」みたいなあれですが、再現性は基本的にないので、いつもそうなるとは思わない方がいいですよ。

で、長期タスクの処理ですがまぁ基本は分解なんですよね。要するに、100の過程があるなら、それを2を50回に分けて、個別の短期タスクとして処理していくわけです。で、長期スケジュールに2を50個配置するわけです。あらゆるスケジュール管理の本に似たようなことが書いてあります。「100をイッキにやるのは難しいけど、2を50回なら出来るよね!コツコツやろう!」みたいなことが書いてありますが、殺すぞボケって思います。

で、まぁ「予定通りスケジュールをこなしていくのが基本的に厳しい」っていう僕の特性を抜きにして考えて、これがなんで「殺すぞボケ」って話になるかなんですけど、初めて取り組むタスクの場合、100を2×50に分解するのがまず簡単じゃないんですよ。だって、全体像が見えてないとタスクの細分化自体が出来ないじゃないですか。全体をある程度見通せるくらいのところまでタスクをやりこまないと、スケジューリング自体が出来ないんですよ。

そういうわけで、僕は100のタスクを受け取ったら、そのうち1~2割の時間は「タスク総体の理解とスケジューリング」にブチ込みます。3割かかっても構わないと思ってます。「千里を行く者は九百里を半ばとする」みたいな言葉がありますが、僕はこの格言は間違っていると思います。千里の半ばは100~200里です。皆さんも「千里を往く」というタスクに取り掛かって爆死したことはあると思いますが、たいてい序盤戦で死にませんでしたか?逆に、全体の2~3割が終わる頃には、大体のタスクの総体性が見えてきて、「取り組む」というよりは「こなす」という感じになってきたと思います。

というのもですね、作業効率というのは作業への理解度が上昇し、慣れが発生してくるとどんどん向上していくもんなんですよ。どの程度向上するかは場合によりますが。少なくとも最初期の速度が最後まで続くということはまずない(故に、序盤戦は「こんなの終わるわけねえだろ…」みたいな感覚に捕獲されがちです)。で、どの程度作業効率が上昇してくるかの測定と、タスク総体の大掴みを経ずに、単純に100を50に分割したスケジューリングを行った結果、まるで予定が噛み合わず爆死する。そういうことだと思います。

そういうわけで、話はわかってきましたね。100のタスクを受け取ったら、まずは全体の1~2割の時間を目処に、タスク総体の理解に取り組みましょう。全体を一望し、どこにどれくらいの労力が発生するかの大掴みを行いましょう。それと同時に実際に手を動かしてみて、一定期間でどの程度作業効率が上昇するかを把握しましょう。具体的なスケジューリングはそれが終わった後に行うのがベターです。

つまり、期限までの時間の1~2割はスケジューリングというタスク処理に用いるという概念がとても重要です。何度もいいますが、タスクの総体性も掴まず、作業効率の測定も行わないまま、タスクを単純に分割して日程に当てはめるのは絶対にやめましょう。序盤で「こんなの終わらねえよ」に取り付かれて死ぬのはまだマシで、前半が思ったより楽勝だったからダラダラしてたら後半で難所に突き当たり、タイムアップで死ぬというパターンもあります。避けましょう。僕は両方のパターンで死んだことがあります。

まとめ

  • スケジューリングに全体の1~2割(多くて3割)の時間を注ぎ込む覚悟をしましょう。間違っても作業を期間で頭割りしただけのタスク進捗予定をベースに進めるのはやめましょう。
  • 作業効率は熟練とともに向上していきます。序盤戦で、どの程度作業効率の上昇見込めるか測定を行いましょう。
  • 長期タスクは、どこにどの程度の労力がかかるのかが不明です。必ず最初に全体を見渡して、総体性を把握しておきましょう。
  • 具体的な予定を立てる場合は、前述した「休日ベース」の考え方をお勧めします。休みゼロでやればなんとか…みたいな発想が出現した場合は既に終わってると認識しましょう。(それでなんとかなっちゃうこともあるのが悪いところだ)
  • タスクを日程と作業人員数で頭割りしただけの「進捗予定表」をベースに仕事を進めようとするクソマネージャーですが、殺すしかないですね。

 

モチベーションの維持

クソ鬼門です。これに関しては本当に難しく、「なんかやる気がどうしても出なかった」というあれがなければたいていの人の人生は上手くいくのではないでしょうか。長期的にモチベーションを維持し、一定の作業効率を維持するということはそれだけ難しいことで、実際問題これが100%出来る人間なんてまずいないでしょう。

しかし、僕も少しずつではありますがこれに対応する方法を覚えてきました。まず、第一ですが「とりあえず手をつける」がとても重要な概念です。というのもですね、一般的な理解だと、スケジューリング⇒作業⇒達成じゃないですか。でも、僕が思うにこれは間違ってるんですよ。前述しましたが、作業(効率測定と全体像の見渡し)⇒スケジューリング⇒作業⇒達成だと思うんですよ。

で、皆さんですが長期タスクが爆死した場合を考えてみてください。皆さん、「ある時期までは好調だったけど、急にガタっとやる気が落ちて進まなくなった」ってケースの経験ありますか?実際問題、これってそんなに多くはないですよね。ゼロではないと思いますけど。たいていの場合、そもそも手をつけられないままに長い時間が経過し、焦燥感に焼かれながらも動けない時間が流れるうちに、いまさらどうにもならないという諦念が発生して終わった、というケースが多いと思います。

というのも、人間はある程度労力(と金)をぶっこんだタスクを「手放す」っていうのもかなり難しいはずなんですよ。これは前の就職活動エントリで書いた、「パチンコで5万溶かしたらもう席を立てない」と同じ現象です。「ハマる」ところまで到達してれば、それをやめるのはかなりの精神的苦痛を伴うはずで、たいていの場合ここまで到達する以前の段階でモチベーションが終わっていたのではないでしょうか。逆に言えば、そこまでやりこんでいたなら「いまさら後に引けないんだ、既に時間と金をぶっこんでしまったんだ…」というあれが発生してるはずですし、やめるのもそれはそれで難しいはずです。ボクサーや司法試験浪人などによく起きる現象です。

で、長期タスクはとりかかった序盤が圧倒的に苦しいです。作業効率は低いですし、全体像も見えないままとにかく手を動かさなければならない。進捗も達成もほとんど感じられないでしょう。それを突破して、スケジューリングが終わった段階を僕は「千里の半ば」と定義しています。とにかく、この千里の半ばまで到達することが一番大事だと思います。僕や皆さんが心ならずも爆死した長期タスクを考えてみると、大抵「半ば」まで到達していないと思います。でも、ここまでのめりこまないとモチベーションなんて沸くわけがないんですよね。

で、例えば長期の休養期間(という名のダラつきタイムなど)を挟んでしまい、作業効率も再度低下し予定も大崩れしてしまったという場合ですが、これも基本的にはまた同じことをやるだけだと思っています。手を動かし、全体像を眺めなおし、再度スケジュールを切りなおす。一年のスケジュールで1ヶ月を空費してしまったら、既存のスケジュールなんて既に死んでますからね。この作業をやるしかないんですよ、実際のところ。

で、モチベーションが沸かなくなり作業が手につかなくなり、どんどん時間が流れるうちに「何をやればいいのかいまさらわからない」みたいな状態がモチベーションの低下に拍車をかけますよね。でも、このスケジューリングの再構築という考え方を優先度一位に設定しておけば、とりあえずやるべきことは明確ですし、そこから再度「ハマる」状態を作っていくしかありません。

モチベーションが低下した状態ですが、「手をつけることがいっぱいある」とかあるいは「何に手をつけていいかわからない」という状態が最悪です。人間は決断を行うのに半端ではないエネルギーを消費します。可能な限り決断するものを減らし、「とにかくあれをやればよい」という状態に持っていきましょう。そして、普段からモチベーションが低下した場合に備えて、とにかく行うべきことを定義しておくといいですね。

で、モチベーションが低下した状態から再びタスクの処理に戻る場合ですが、邪魔者が山ほどいると思います。机の上は片付いていないし、メールは返していないし、洗濯物もたまっているでしょう。そういうものですが、とりあえず全部無視してください。まずは手をつけることが重要です。机の上を5秒で片付けるライフハックを伝授しますので、よく覚えておいてください。まず机の上に腕をおきます。次にその腕を右もしくは左に大きくスライドさせます。大量に物が落下しますが、作業スペースだけは確保出来るはずです。後から拾えばいいんです。まずは今は手をつけましょう。やりましょう。やらずにモチベーションが空から沸いてくることはありえないですよ。

モチベーションが低下したときの突破術は「とにかくやる」に集約されるんですが、その場合「何をやるのか」「どのようにやるのか」の定義が問題になり、これを定義しなおすとリカバリーに甚大な時間を要します。モチベーションの低下に備えて、普段から可能な限りこの辺を整えておくのが長期的にはとても大事です。

オーケー。まず手を動かせ、そして全体を眺めろ。そしてスケジュールを切りなおせ。以上です。この基本ルーチンを頭に入れておくだけで、リカバリーも取り付きもかなり楽になります。覚えておいてくれると嬉しいです。

まとめ

  • モチベーション維持の特効薬は「とにかくやる」こと。
  • 「なにをやるのか」「どのようにやるのか」が不明瞭だとそこで足止めを食らうので、普段からきちんと定義しておくことが重要。
  • 長期のダラつきからのリカバリーは、「手を動かす」「タスク全体を眺める」「スケジューリングを切りなおす」の3工程であり、これはタスクに取りかかるときとなんら変わらない。
  • タスクにとりかかる邪魔者については全て無視を決め込むことを推奨。「まず部屋を片付けよう」はダメです。
  • やれ。
  • やれ。
  • やります。すいません。

本日一番重要な概念は「休養」です

はい、お疲れ様でした。

いきなり全てを実行するのはほとんど不可能だと思いますし、またこの辺が完璧に出来てれば人生大体上手くいくよ…くらい難度の高い概念ですので、少しずつやっていき、その中で自分に向いたやり方を見つけていくのがベストだと思います。今日、何を差し置いても知ってもらいたいと僕が思っているのが、「休養日の定義」です。予定を立てる上での軸を「何もしない日」に定義するのは、僕のライフハックの中でもかなり効き目がありました。

特に、フリーランスや自営、あるいは経営者の方なんかはこの概念を早めに習得しておかないと、「大して作業成果は上がっていないのに過労でダウン」みたいな事態が高確率で起こります。人間は自分の疲労度を自覚するのすらわりと難しい生物です。ある日突然倒れて全てが破滅、みたいなことになりたくなければ「休養日」を軸に予定を積み上げることを心からお勧めします。本当に倒れますよ。(倒れました)

経営とかやってるとあれなんですが、リスクと決断が常に襲ってくるのでパリッパリにハイな状態がかなり長時間維持されてしまうことがままあります。また、本人は休んでいるつもりでも常に何かを考えており、また決断に次ぐ決断は人間を容易にボロボロにします。「人間にとって最も重要なスケジュールとは休養である」という考え方の採用は是非おすすめいたします。僕は大失敗しましたので…。

いいですか、細かいことはいいです。とにかく、「この日は休む」という予定をしっかり定義してください。かなり捗りが発生すると思います。いいですか、焦燥感に焼かれながらジリジリダラダラ過ごすあの時間は全く休養になっておりません。それだけは覚えておいてください。

本日もありがとうございました。引き続きやっていきましょう。

 

 

 

就職活動攻略法TIPS集 ミミズだってオケラだって31歳ブロガーだって

小技集です

ここまで3回に渡って書いてきた就職活動エントリもこれでおしまいになります。

今日の内容は、これまでと違ってあまり体系的ではなく個別に「これは便利ですよ」という感じのTIPS集になりますので、その分即効性があります。こういう知見はわりとインターネット上にたくさんあるので僕のブログに限らず積極的に情報を取り込んでおくと本番に便利だと思います。なんにせよ、就職活動は情報戦の要素が強いので色々調べてみましょう。サッと調べてすぐそこそこの説得力があるあれをアウトプットする能力は人生全般でかなり使えますので、この機会に身に着けておくといいですね。

志望動機

エントリーシートを書いていて一番苦しむのは、大抵の場合これだと思います。もちろん、特色の強い企業や業界一番手の会社などは書きやすかったりもしますが、財務諸表までじっくり同業他社と見比べた結果、「本当に志望動機の出てこない企業だなテメーは」みたいなことになるジャンルも結構あります。

受ける企業を厳選して、それなりに高い期待値をもって攻めるみたいな就職活動を展開する皆さん(僕は経験がないですが理系の方とかハイスペの皆さんはそういうのもあるらしいですね)はとにかく調べまくって情報を集めに集めるという戦略を採用することも可能だと思いますが、僕がこのブログで提唱している内容は「数をそれなりにいっぱい受ける」が前提です。志望動機にそこまで時間をかけていたらそもそも戦略が成立しません。期待値計算をざっくりやると、「んな時間かけてられっかよボケが」という結論は容易にアウトプットされると思います。

さて、志望動機をきちんと書く理由はなんでしょうか。面接官に「コイツはちゃんとウチに入りたいと思ってるんだな」と思わせることですし、「こいつはウチの仕事に適性があるな」と感じさせることですし、「短時間で情報を収集し、それなりに説得のある話を展開出来る」という能力を示すことだと思います。

そういうわけで、志望動機に求められている要素をざっくり列挙するとこんな感じだと思います。

  1. 志望業界や志望企業に対する知識
  2. 志望企業における自己の業務適性
  3. 自分がその会社を志望する個別的な理由

の3つですね。1.はまぁ勉強すればいいですよね。2.は、前のエントリ

syakkin-dama.hatenablog.com

で書いたあれを応用して、自分の持っているエピソードを根拠に、上手いこと論拠を付与して「以上の理由で私は御社にめっちゃ向いてます」とこじつけるしかないので、難しいといえば難しいですが、そんなに悩む要素はない。

一番かったるいのが3.です。だって、志望業界絞って受けてるってことはその業界の1番手も受けてるに決まってるじゃないですか。1番手を敢えて嫌って3番手4番手に飛び込もうとする理由をヒネり出す。これが難しい。いや、例えば専門商社みたいに会社ごとに扱ってる商材も収益システムも千差万別という業界ならいいんですよ。それならやりようがある。しかし、学生が得られる情報をどれだけ分析しても業界一番手を蹴って3番手4番手に飛び込む理由が出てこない業界というのは存在します。営業職採用でN證券ではなくM証券に敢えて入社したい理由が存在する就活生がこの世にいますかね?

はい。そういう時は作るしかないので作りましょう。説明会などの機会に採用担当者に「~様が実際に働いていて感じる、御社の一番良いと思える点と今後改善していくべきだと考える点を教えてください」などの質問をして、それをベースに志望動機を作りましょう。「実際に説明会でお話を聞いてみて~~というお話を聞いて強く共感し、このような考え方を持った社員様がいる会社で働きたいと強く思いました」とか言っとけばいいと思います。同業他社で同じ質問をして、他社と比較した結果…みたいな画を作ると尚ベターです。(同業他社の情報がないなら適当に捏造すればいいと思います)

これは最善手ではないと思いますが、一応「自力で情報を取りに行って志望動機をヒネり出した」「他社との比較もしている」などの要素があり減点されにくいようで、僕は基本的にこの方法をテンプレにして志望動機をヒネり出していました。まぁ、説明会すらめんどいから行かないという場合はもっとアクロバットな手法を採る必要があるでしょうが、大体の場合説明会くらいは出るでしょうし、「個別的な志望動機に直結するストーリーを作れる質問」をするクセをつけるととても便利ですよ。

尚、1.2.3.のうち、どれか1つ、あるいは2つの要素でゴリ押す手法もありえると思いますが、僕が試しまくってみた結果かなり戦果は悪かったです。特に最悪だったのが、3.のみでゴリ押した場合で「御社にはユーザーとしてめっちゃ世話になってるし大好きな会社なんだよ、だから入れて」みたいな志望動機なんですが、完全に落ちます。目も当てられないほど落ちます。やはり、志望動機はきちんと要素を全て入れて、それぞれで突出出来なかったとしても、バランスよく作るのが良いのではないでしょうか。

ただし、このやり方が一切通じない界隈もあります。ベンチャー界隈です。

ベンチャーはたいてい「儲けのシステム」が1個しかありません。(いくつもの事業を持って領域ごとに全く別の事業をやるレベルまで育っても自社をベンチャーと言い張ってる会社もありますが、ここでは除外します)つまり、自社が何をどうやって儲けているのかしっかり理解した学生しか取りたくないんですよ。「仕事が合わない」って言い出されても、配置を換える場所なんかないわけですから。

その代わり、ベンチャー企業の志望動機は書きやすいです。だって、なにをどうやって儲けてるのかが明確なんですから、「それがやりてえんだよ!」って情熱をアピールすればスルっと通ります。イケイケのベンチャーなんて大体は「この儲け方が革新的!」みたいな情報がすぐに手に入りますから。後は理解度が深いか浅いかだけの勝負になります。ベンチャーと呼びえる会社であるからには、同業他社にはない強みで勝負してるんでしょうし、「オマエはよーするにこういう会社でこーいうトコすげえしそれは俺のやりたいことだから入れてくれ、適性もあると自負してる」って書けば通ります。え、何をどう調べても「革新的な儲けのシステム」や「独自の強み」が見当たらない?それはベンチャーではないのでは?「低賃金労働者のケツをぶっ叩く」という革新的なシステムで利益を上げている企業はベンチャーではありませんよ。

逆に、ヌルいことを書いて「こいつわかってねえな」と思われると、イケイケ系ベンチャーはどんどん落としに来ますから気をつけましょう。僕も、はぁ?大手のアレとかアレとか通ってるテンプレで落ちるってどういうことよ?となって「そもそも求めているものが全く違うんだ」ということに気づきました。

採用人数も少ないですし、イケてるベンチャーは結構狭き門です。大手と同じテンプレで行くと完全にハネ返されますので、その辺だけはご注意ください。というか、収益システムがよくわかってないベンチャーを志望する学生とか本当に意味わかんないし、そんなん絶対採用したくないですよね。

 

弊社が第一志望ですか?

第一志望です。

はい。これ以外答えはありません。この質問で悩むのは本当に時間の無駄です。さっさと、「ウチ業界4番手だし大した特色もないけどどうして第一希望なの?」って聞かれたときの対策を考える方向に脳をシフトしてください。この質問は、多分「テメー志望動機ちゃんと作って来たか?なんかヌルいんだよなおまえの志望動機、イマイチ嘘くせーんだよな」って感じのあれです。

そもそも、志望動機をきちんと作っておけばこの質問で困ることはないはずなんですよ。「御社に入りたい」個別的な理由まできちんと書いていれば。「ウチが第一志望なの?なんで?」って言われてウッとなった場合は作りこみが足りない証です。この質問は就職活動を代表する茶番劇だと思いますが、その一方で志望動機の作りこみ不足を端的に試すには非常に有益です。自分の志望動機はこの質問に耐えられるかセルフチェックはしておきましょう。

 

圧迫面接

チャンスゾーンです。勝ちが近づいていると思っていいです。そもそも、圧迫面接は弱者にとって非常に有利なんです。圧迫された、ということだけでスペックで自分に勝る人間がどんどんコケてくれるわけですから。僕は圧迫面接がキツければキツいほど勝率が高かったです。圧迫してくれよ!ダメだよ、こんな和やかな空気じゃ差がつかねえよ!おまえら素体スペック差で他の奴ら通して僕を落とすだろ…。みたいな気持ちになるくらいまで高めればいいだけです。慣れると圧迫がないと物足りなくなりますよ。

集団面接で圧迫が始まった時などは「ここで差をつける」と燃えてください。楽しみにいく姿勢が大事です。波のない水面を真っ直ぐに走るゲームなら、そりゃエンジンの強いヤツが勝ちます。でも、大時化の海ならそうはいかない。極端なことをいえば、モーターボートが全部沈没すれば手漕ぎボートの勝ちなんですから。荒れれば荒れるほどチャンスだと考えてもらっていいです。

圧迫面接の対処法ですが、普段の面接と何一つ変わりません。「圧迫」だからといって、鋭い質問を出来る人間なんてそうそういやしません。普段と変わらない質問をちょっと意地悪くやってくる程度が関の山です。ちゃんと聞いてちゃんと応えればいいだけです。むしろ、和やかな雰囲気で鋭い質問される方がよっぽど怖いですよね。

ただし、表情の固定技術だけは身につけた方がいいです。あなたが考える「圧迫面接された時にこの表情を保てれば完璧」という顔を鏡の前で作って、それをひたすら固定する練習をしてください。僕は「口は笑わないで目だけで笑う」表情が一番自分に向いていると考えるのですが、これは人それぞれ顔のつくりや雰囲気によって最適解が違うと思います。

間違っても食って掛かるような表情になったり、逆に狼狽した表情になるのは避けてください。面接官が主に見ているのはそこです。つい手をモジモジと動かしてしまったり、身体をゆすってしまう人もわりといます。これもダメです。どうしても表情が決壊しそうになった時は微笑んでください。本来「笑う」という行為は敵を威嚇する表情が元になっているとかなんとかそんな感じのウンチクを聞いたことがあります(真偽不明)が、確かにいよいよ表情が決壊しそうな時でも口角を持ち上げて微笑むことなら可能です。

まぁ、そんなわけで圧迫面接は大量加点のチャンスであり、マトモに行ったら受からない企業に受かるワンチャンスだということは覚えておいてください。ゲーム性がピリっとするので、茶番センサーが強い人ほど楽しめると思います。楽しみましょう。ただし、敵を論破するゲームではないのでその点だけは覚えておいてください。

個人的には圧迫面接は無意味どころか悪しき面接手法だと思います。他のマトモっぽい人材落として僕を選択的に採用しちゃうわけですし。最悪では?

 

集団面接でモンスターハウスに嵌った

これはあるあるだと思いますが、集団面接の場で周囲を見渡してみたら、学歴も実績も及びもつかない連中に包囲されていた。そういうことってありますよね。「ウガンダで海外ボランティアしてきた」とか「自転車で世界一周してきた」とか「数学オリンピックで…」とかそういうのとぶつかることもままあります。

こうなった時ですが、開き直って逆張りを推奨します。以前も書きましたが、人間というのは「誰が聞いてもスゴい話」も大好きですが、一方でそれに対する反感も多少は抱きます。その僅かな反感を煽ってやる、「ささやかで庶民的な心にぐっとくるエピソード」を話せれば、逆転KOの目も無くはないわけですよ。二度目ですが、共感を得る凡庸さは、時に非凡さに勝るのです。「ささやかな話で恐縮ですが」のマクラを置いてブチかましましょう。負けて元々です。カマせ。やってやれ。

ちなみに僕の持ちネタは、「人生で一番辛かった話」で「大学進学後とにかくお金がなくて、みんなが新歓なんかでワイワイやってる中、一人池袋のラブホテルでシーツを撤去するアルバイトをしてたら、担いだシーツの塊から謎の液体が垂れてきて顔にかかり、その場で膝をついて号泣した」というエピソードです。これで一番ゴツい内定獲りました。尚、この後のキメ台詞は「だから私はたいていの仕事が平気です。ラブホテルのバイトもやりがいを持ってやりぬきました。私にとってやりがいのない仕事など御社には存在しないと思います」です。(尚、入社後の仕事は全くやりがいを感じられませんでした。シーツ運ぶバイトの方が楽しかったです)

僕のこのエピソードは実話ですが、ぶっちゃけこんなんナンボでも捏造できるわけですよ。あなたの多少は経験のあるエリア、「1」を1000まで膨らませて創作しちゃいましょう。ものすごく便利です。3つくらい用意しとくといいと思います。

あと、これは「誰が聞いてもスゴい」エピソードをお持ちの皆さんへのアドバイスですが、そのエピソードは確かに素晴らしいと思います。しかし、それをちゃんと就職活動用にカスタマイズしていますか?就職活動の質問は全て「おまえウチの会社で役に立つの?」という意味だというお話は以前しましたよね。ちゃんと話の落としどころを考えて話さないと、単なる実績自慢になってしまいますからね。人間は自慢話が嫌いです。面接官も例外ではありません。

 

どうしても緊張してしまう

診療内科に行って安定剤を貰うのが一番効き目がありました。「就職活動に疲れて、気持ちが全く落ち着かない。面接本番になるとパニくってしまう」とか言っとけば処方されるので大変便利です。ここを読んでる皆さんには、「あんなラムネ効くかよ」って方も多いと思いますが、初めて飲む方はそれなりに効果を実感できると思います。これ以上の緊張対策は実感的には存在しない気がします。あとは慣れですね。

 

有給休暇消化率とか長期休暇が取れるかとか聞いちゃダメなの?

内定取ってから聞きましょう。入社するかどうかを考えるのは内定が出てからで大丈夫です。

 

これで面接は終わりですが、最後に何か質問ありますか?

この質問がわりと厄介です。面接の間に持ち弾を打ち尽くして、やっと終わったと思ったところにこれがぶっ刺さることが結構あります。もちろん、質問する内容を事前に一つ二つ考えておくのがベストなんですが、その内容が面接の内に消化されてしまったり、あるいは終わり際で頭がエンプティ状態になってることはわりとあります。

この場合、面接官個人に何か質問をする形で乗り切るのがベストです。アドリブで大仰な質問をしようとすると大抵コケます。「~様のこれまでの仕事において、一番嬉しかった体験を教えてください」みたいな質問が大して加点にもなりませんが、減点にもなりにくいです。要するに、面接官に「おまえの承認欲求を満たす発言していいよ」というボールを投げるのです。このボールを投げられて気持ちよく喋った上に、「めっちゃ勉強になった、モチベーション上がった、サンキュー!」みたいなこと言われれば、たいていの人間は気持ちいいです。気持ちいいこと言ってくれた人間は嫌いになれません。少なくとも好印象だけは確保できるわけです。この際、「仕事は楽しいですか?」みたいなボンヤリし過ぎた質問はダメです。こんなん「楽しいですよ」と返ってくるに決まってますし。具体的なエピソードを伴う回答を得られる質問を心がけましょう。

 もちろん、面接官を唸らせるような鋭い質問をするのがベストではあるんでしょう。しかし、正直に言うと学生の立場でそういう質問をするのはかなり難しいことです。開き直って、「シメにこいつを気持ちよく喋らせよう」と考えた方が良好な結果が出ることが多かったですね。

「入社までに何を勉強しておけばいいでしょう」 が鉄板だという説もありますが、僕はこの質問をする学生を無限に見かけましたし、そもそも志望業界で入社初期に求められる資格や知識なんて調べればある程度わかることですから、あまり良くはないんじゃないかなぁ…と思います。不動産業界でこの質問をして「宅建はお持ちですか?…じゃあ宅建やっといてください」というツッコミ食らって撃沈した人間も見ました。

 

就職活動頑張ってください

就職活動もいよいよ本格化ですね。皆様も大変苦しんでいると思います。わかります。就職活動は本当にクソかったるいイベントです。しかし、わりと期待値のあるイベントでもあります。新卒の頃はイマイチピンと来ませんが、あれだけ企業に暖かく迎え入れられる時期というのは、新卒を逃せば二度とありません。(あれで実はめちゃくちゃ暖かく迎え入れられてるんですよ。既卒や30過ぎで求職活動してみたらよくわかります)

就職活動の結果が捗捗しくないと、「もうだめでは?」「完全に詰みでは?」「死ぬしかないのでは?」みたいな気持ちがモリモリ出現してくることもあると思います。そういう時は、自分の行っている活動を一つ一つ見直してみましょう。そして、ワイシャツをクリーニングに出しましょう。ネクタイにアイロンをかけましょう。スラックスをちゃんとプレスしましょう。ハンカチをちゃんと洗濯しましょう。髪を切りましょう。もうだめだ、と思った時は一回休みましょう。焦燥まみれの表情でよれよれのスーツを着て挑んだ面接が受かるわけがないんです。

何度も何度も言いますが、夏以降の採用にもかなりオイシイものは紛れています。3月に活動を始めて、4月から5月には極めてネガティブな意味で全てが終わっている就活生はかなりの数いますが、そこで終わるのはまだ早いです。周囲と比較して焦りも生じると思いますが、あなたはあなたです。あなたのペースでしか進めません。そんなもんです。適度な諦観を持ちながら、それでも進みましょう。もし、本当にダメならいつ止めたっていいんですから。就職活動で何かを得られないことはあっても、本質的な何かを失うことはないんですよ。新卒切符を失う程度のことです。そのときはそのときで違う方策を考えましょう。

大丈夫だよ、おじさんだって30こえて曖昧な自分の会社経営しながら非正規雇用で口に糊しつつブログ書いて書籍化狙ってるんだから。冷静になれよ。今の俺の肩書き(31歳 ブロガー)だぞ?大丈夫だって、ミミズだってオケラだって31歳ブロガーだって生きてるんだ。生きていこうじゃないか。

やっていきましょう。

 

 

 

就職活動攻略法、実技について。ES~面接

これまでのまとめ

ええと、どこまで書いたんでしたっけ。とりあえず、「筆記やれ」「企業分析と自己分析やれ」「茶番センサー切ってマインドセット固めろ」まで書きましたよね。やっと具体的な戦術論に入れますね。このエントリでは、エントリーシート~面接に至るまでの具体的な戦術について書いていこうと思うのですが、これまでのエントリで書いた内容をやっていることが前提の戦術論にはなりますので、まずは

syakkin-dama.hatenablog.com

syakkin-dama.hatenablog.com

こちら2つのエントリをご参照ください。これを読まずに本日のエントリの内容を実行するのは難しいのではないかなぁ…と思います。いや、今日のだけ読んでも役には立つと自負はしてますけれど。

そして、一番最初に言っておきたいことがあります。就職活動は死に覚えゲームです。試行がかなりの回数期待出来ますので、最初から完璧を期す必要はありません。最低限の武装を固めたら、とにかく突っ込んで数をこなしてください。内定辞退なんかアホみたいに簡単です。カレーやコーヒーをかけられたなどの噂もありますが、そのような事態が起きた時は証拠を保全した上ですぐ僕に連絡ください。僕の取り分は4で結構です。「会社まで来い、誠意を見せろ」とか言い出す企業もありますが、敢えて出向いて挑発の限りを尽くすのも楽しいですし、「嫌です」と一言言って電話を切ればそれでおしまいです。

後述しますが、面接は身体的な要素がかなりあります。どれだけ入念にシュミレーションをしても、ある程度は経験を積まなければそうそう想定どおりに動くことは出来ません。ガンガン死んでガンガン覚えてください。最初から死に覚えゲーだと認知しておくことが重要です。無駄に落ち込む必要はありません。何度もいいますが、夏採用にもかなり美味しい求人はあります。諦めるな。

 

エントリーシートと面接は一体だと心得よう

エントリーシートの書き方」とか「面接の正しい受け答え」みたいな内容の知見は結構インターネットにも書店にも転がってますよね。あれらは大体正しいです。とりあえずザーっと読みましょう。でも、この概念に触れているものは見たことがないので、一番最初に持ってきました。

面接官はたいていの場合、ESを事前に読んだ上で、あるいは読みながら面接を行います。要するに、ESと面接の発言内容の整合性が取れていないとアウトだということです。面接を完璧に乗り切るためのファーストステージは、実はESの記述にあるということは強く覚えておいてください。

更に言えば、ESを読んだ上でどのような質問が来るかということもある程度想定は可能です。もっといえば、ESを使って面接官を操縦することすら時には可能になるのです。ESは、自分の強みと弱みをよく分析した上で「この質問を面接官にさせたい」「この辺りの話題に踏み込んで欲しい」という明確な意図を持って書きましょう。場数をこなせば、「面接官の質問がほぼ全て想定通りだったので、成否はともかく今日の面接は自分なりのパーフェクトだった」という感覚が出てきます。

何度も繰り返しますが、ESと面接は一体だということを強く認識し、ESを用いて面接官をハックすることを目指してください。面接本番の受け答えだけを想定して演技のヴァリエーションを考えると、想定されるシチュエーションは限りなく無限になってしまいます。ESを使って可能性の分岐を可能な限り刈り込み、自分が最も強くアピールできる場所に面接官を引きずり込みましょう。そこまでやるにはかなり場数をこなす必要がありますが、とにかく「ESと本人の印象がまるで一致しない」という状態だけは避けてください。間違いなく良い結果は生みません。

あなたのESは本当にあなたの印象と合致していますか?あなたが面接本番で語る内容は、本当にESの内容を補強するものですか?一次面接で妙に落ちる、という感覚を持っている皆さんはまずここを洗ってみてください。

 

ESの書き方とサンデーパンチエピソード

ESの書き方は前段の目的意識から導き出されると思います。要するに、あなたが最もアピールできる場所に向かって面接官を誘導出来ればそれが最も優れたESです。しかし、残念なことですが僕やあなたに「これをアピールすれば勝てる」ようなエピソードは存在しないでしょう。人生のどこをひっくり返してもそんなものは出てきませんよね。居酒屋のアルバイトは全くついていけなくて辞めた、ティッシュ配りのバイトは3個まとめて配ってたらバレてクビになった、サークルはなんとなく足が遠のいたまま一年経った、ボランティア?参加を検討したことすらねえよ。はい、それが我々です。

仕方がないですね、作りましょう。「バレるんじゃね?」という心配ですが、短期的には杞憂です。(ただし、そのエピソードが事実か事実でないかという点ではなく、あなたがあまりに現実と異なる人格を作りこんでいた場合、中長期的には露呈すると思います。この辺はリスクとリターンをよく検討したうえで判断してください)

エピソード捏造のコツですが、これは僕が某人事から賜った名言を皆さんに贈ります。「0を1にするのはダメだ。しかし、1を100にするのは許される」けだし名言と言えると思います。まずは皆さん、あなたの中の1を探しましょう。「1」すら無い人間というのはまずいません。この文章の中にすら「1」はあります。1を100まで膨らまして、あなたのサンデーパンチでありまた軸となるエピソードを作りましょう。

 

エピソード構築

じゃあ居酒屋バイトでいきますか。

あなた、居酒屋バイトをしてたんですよね。トイレ掃除しました?しましたよね。1回はやりましたよね。よっしゃ、それが1ですね。「あなたが大学時代頑張ったこと」については確実に問われます。その辺りで使うエピソードにしましょう。

「私は居酒屋のアルバイトを長年(2週間は長年に含まれます)続けていたのですが、その中でもとにかくトイレの掃除を頑張りました」

こんなもんで掴みはバッチリです。このエピソードは性質上、集団面接で「自転車で世界を一周しました」のようなクソ野郎が同席した場合に大変有効なカウンターパンチになります。人間というのは誰でも「スゲー」と思うようなエピソードを好む一方で、それに対する反感も持ちます。面接官のその感覚を上手く刺激して、圧殺しましょう。

「トイレ掃除は誰でも嫌がる仕事だと思います。私も最初はとにかく嫌でした。私の勤め先は学生街の居酒屋でしたので、トイレは目を覆うような惨状になることもしばしばでした」

まず、共感的なエピソードを入れましょう。「最初は嫌だった」の他に「いかにトイレが汚かったか」などを織り込みましょう。面接官に「そりゃそうだな」と思わせれば勝ちのゲームです。簡単でしょう。多少オーバーにするくらいの気持ちでいいです。なるべく具体的に表現しましょう。この場合「学生街の居酒屋のトイレ」の時点で否応なく共感が発生しています。

「ですが、私は気持ちを入れ替えて『とにかくトイレ掃除を徹底してやろう』と心に決めました。私の勤め先のトイレはそれなりに掃除されていましたが、いつも嫌な匂いが取りきれませんでした。大変汚い話で恐縮ですが、床にある溝に汚れが入り込んでいたのです」

ここはエピソードの具体性パートです。え、床はクッションフロアだったから一回拭けば綺麗になったって?そういう話はどうでもいいんですよ。面接官に「なるほど」と思わせる具体性があればそれでいいんです。エピソードを掘り下げるか、あるいは大胆に捏造してください。大丈夫です、誰も話のディティールなんざ記憶しちゃいません。「ディティールがあった」ことだけは覚えていますが、そんな細部誰も覚えてやしません。(ただし、「ディティールがなかった」ことはバッチリ記憶に残るので細部の描写は絶対に必要です)

「仕事の合間を見て、私は徹底した掃除をやってみました。他の仕事の合間にやっておりましたので時間はかかりましたが、結果としてトイレにこびりついていた悪臭は完全に取れ、見違えるほどキレイになりました。結果として、店長には大変お褒めの言葉をいただき、心づけを頂戴したのがとても嬉しかったです」

え、心づけなんて貰ってないって?そんなの誰も確認しようがないんだからどうだっていいんですよ。これが達成のパートです。何かを試みる⇒達成、というシンプルな構図です。ここから先がミソです。

「私は大学時代を通じて、このトイレ掃除をきっかけに『みんなが嫌がる些細なこと』に主体的に取りくむことを頑張ってきました。そして、皆が嫌がる些細な仕事も「やるぞ」と決めて主体的に取り組めば苦痛ではなくなり、誰かの役に立てることを学びました。とてもささやかな話で恐縮ですが、これが私の大学時代を通じて頑張ったことです。御社で働かせていただく上でもこの気持ちを持って取り組ませていただきたいと考えております」

はい、一般化のパートです。「大学時代頑張ったこと」ですが、これは暗黙のうちに「オメーは大学時代何をしてきた?それはウチで何の役に立つんだ?アア?」という問いですので、ここまで満たしてやらなければ100点にはなりません。

共感、具体性、達成、一般化という4つのフェイズがありましたが、これらをきちんと踏むのが重要です。共感パートは話の「ツカミ」です。面接官に「わかる」という気持ちを起こさせ話に引きずり込んでください。具体性パートは「俺はウソは言ってないよ、このリアリティを見ればわかるだろ」をアピールするパートです。これがないと真実を語っていても「ウソクセー」と判断されますので大変重要です。達成パートはストーリーのエンディングです。なんかちょっとした華々しいエピソードを入れてやると話がぐっと締まります(捏造OK)。一般化のフェイズは先述したとおり、「俺はちゃんと質問の意図を理解しているし、御社で役に立つというアピールをしているんだぞ」というパートです。これがないと思いっきり減点になる可能性が高いので留意してください。

これを完璧に組めば「バイトリーダー」とか「サークル幹事長」とかその手のありふれたエピソードは元より、「自転車世界一周」などのエピソードすら殴り倒せることがあります。共感を呼ぶ凡庸さは、時に非凡さに勝るのです。いいですか、エピソードの内実自体で突き抜ける必要は一切ありません。面接官に「こいつは使えそうだ」と思わせるゲームなんです。大学時代の実績天下一武道会じゃありません。それを強く意識してください。実績天下一武道会の土俵では我々は全くの無力です。さっさと降りて、勝てる土俵で勝負しましょう。このエピソードは理解を容易にするために単純化してあります。実際に使う場合はもっとガッチリ肉付けしてください。

とりあえず、この形式を踏まえたあなたのサンデーパンチとなる具体的エピソードを三つ作りましょう。もちろん、三つが相互に矛盾することのない形でです。すると、それ以外の場所も「それを踏まえて」作らなければならなくなるため、ESや面接の受け答えに一本芯が通ります。あなたの目指すべきキャラクター像が具体化されてくるわけですね。具体的なエピソードからあなたのキャラクター像を逆算する方式を僕はお勧めします。その逆はお勧めしません(完全な捏造になってしまうからです)。

念のため言っておきますが、「トイレ掃除」エピソードは僕がここで語ってしまったし、これだけ(一日最大5万人くらい来てる)の人が見たら人事の方も普通に見てるので、そのまま実行したら絶対ダメですよ。インターネットの好きな工夫のないバカと認識されるのは嫌でしょう。着目するべきは構造です。あなたの「1」を踏まえて構築してください。

これが出来上がる頃には「自己紹介」「自己PR」などの基本的な内容に苦労することは一切なくなるでしょう。しかし、ブラッシュアップは常に怠らないでください。

 

面接に勝つために

はい、具体的なサンデーパンチエピソードを3つ作りこみ、それに合わせてESをいくつか書けば、あなたの演じるべき自己像は大体明確になったと思います。では、それをコピーして、ヒマさえあればとにかく読み返すようにしてください。「もっといい表現があるな」という気づきも当然あるでしょうし、記述された内容を頭に染み込ませる必要もあります。また、企業に提出したESは必ずコピーをとって保存するようにしましょう。あなたがこれまでに行った試行とその成果を確認する必要があるからです。まさかとは思いますが、自分が提出したESを読み返さず面接に臨んでいる方はいませんよね?絶対にダメですよ。

この作業を繰り返せば、ESはどんどん洗練されていくでしょう。また、それに引きずられて面接もどんどん良くなっていくはずです。椅子に座るタイミングとか服装とかその辺のTIPはナンボでもその辺に転がっているので適宜調べてください。それはそれで重要です。

ところで、皆さん面接では自信を持ってしっかり喋れてますか?序盤戦ではまず無理だと思います。面接対策にミッチリ通った人は出来てるかもしれませんが、このブログの読者に「面接対策はバッチリ通った」という人は少数だと思います。

ところで、皆さんフリースタイルラップ出来ますか?僕は出来ません。出来る気もしません。例えばあなたがフリースタイルダンジョンに出て、R指定と勝負して恥をかかない程度に負けられるくらいまでラップが上手くなるのにどれくらいの期間が必要だと思いますか?わかりますね。面接も同じです。練習なしではまず上手くなりません。

これは、練習会に通うのもいいですが本番を数こなして死に覚えするのも良いです。また、自宅で鏡の前で練習するのもとても大事です。古い映画の話で恐縮ですが、「8マイル」ではエミネムだって鏡の前でラップをひたすら練習していました。あなたがエミネム以上に喋れるなら話は別ですが、そうでないなら当然ながら練習はいります。最初は「俺は何をやってるんだろう…」みたいな気持ちが当然出てきます。それでもやってください。徐々に「お、今のいい感じだったな」などの気持ちが発生し、体の硬さが取れてきます。茶番に没入してください。

練習で出来ないことが本番でも出来ると思うのは我々の大変悪い癖です。まずは、自分のサンデーパンチとなるエピソードを淀みなく感情をこめてしゃべれるようになるまでひたすら練習してください。録音するのも良いです。最近のスマホの録音アプリは大変便利ですよ。「盗み聞き」というアプリがお勧めです。録音した自分の喋りを聴いて「俺の声と喋りは本当にキモい」という感情が発生しなくなるまでやりこめば、相当上達しています。

面接において、相手の発言の意図を汲み、最適な発言を出力出来るまで考える時間は通常与えられません。いかに「型」を身に着けているかの勝負なんです。これはスポーツをやってた方ならピンと来る概念だと思いますが、何百、何千回と繰り返して身体に染み込ませた動き以外本番で信頼できるものなんてありませんよね。やってください。練習は裏切りません。

 

主張の型、論証構造

そんなこと言ったって具体的にどういう風に喋ればいいんだよ…。という悩みはあると思います。また、ESにエピソードを書く場合などにも応用できる話なのですが、論証構造という考え方があります。

主張ー根拠ー論拠

という3ステップに主張のパラグラフを分解する考え方です。単純そうに見えて結構深い概念で勉強するとわりと便利なんですが、今日はとにかく実戦で生かすことだけが主眼ですので細かい説明は省きます。

というのもですね、就職活動で問われる質問の大抵は表現は違えど、「オマエ、ウチで役に立つの?」という内容なんですよ。ですから、主張は常に「私は役に立ちます」に固定されているんです。問題は、その「役に立ちます」という結論に向かってどのように論旨を組み立てるかだけなんです。

先ほどのトイレ掃除の例を挙げますと、主張(私は役に立ちます)根拠(大学時代トイレ掃除を一生懸命やったからです)論拠(トイレ掃除ですら一生懸命やれる人間はどのような仕事にも主体的に取り組むことが出来ます)

みたいな形式ですね。要するに、主張と根拠の間の飛躍を埋めるブリッジが論拠です。根拠と論拠が揃っていないと「主張」が成立しないことは直感的にわかりますよね。「大学時代トイレ掃除を一生懸命やったから、私は御社で役に立ちます」では、主張と根拠の間が離れ過ぎていてなんとなく意味がとれる程度にしかなりません。この隙間を埋める「論拠」をきちんとつけてやるのが重要です。

この形式を敷衍すると、先ほどの「具体的なエピソード」を根拠に、「私は役に立ちます」という結論まで運ぶという構造が見えてきますよね。僕の経験則で恐縮ですが、ほぼこれ一本で就職活動はブチ抜けます。

主張(私は役に立ちます)根拠(具体的なエピソード)論拠(主張と根拠の間をブリッジする理屈)という形式だけを頭に入れてください。「何かを説得力のある形で主張しろ」というタイプの質問はほぼこれだけで大丈夫です。ただし、言うは易しでこの思考の形態が身体になじむにはそこそこの練習がいります。普段から何かを主張する段になったときは、自分の主張にはきちんと根拠と論拠があるのか考えるようにしてみてください。自分がきちんと喋れていたつもりでも、論拠が吹っ飛んでいたら意味不明ですし、根拠がなければそれはただ単に言い張っているだけです。

説得力のある主張には大体(レトリックなどを用いる例外はありますが、これは所謂詭弁になりますので無理に覚える必要はないです)根拠と論拠があります。このワンセットを意識してみてください。ぐっとあなたの話には説得力が出てくるはずです。

また、前述した「共感」「具体性」「達成」「一般化」の話にも、この主張ー根拠ー論拠の要素が埋め込まれていることが読み返すと理解されると思います。共感から始まる一連の流れが話の運び方、演出です。主張ー根拠ー論拠の流れが話の組み立て方であり、骨子です。どちらも大変重要です。数をこなして両方使いこなせるようになるととても便利ですよ。

 

はい、お疲れ様でした

今日は濃いですね。書いてて大変疲れました。流石にこれは要約が必要だと判断したので要約をつけておきます。

  1. 就職活動は死に覚えゲー。結果にいちいち落ち込むな。どんどん死にに行け。
  2. エントリーシートは面接の流れを決める非常に重要なもの。面接の受け答えと齟齬が発生しないように作りこめ。また、必ずコピーをとり面接の前に見返せ。エントリーシートの時点で面接の流れは決まっているし、操作することも出来る。
  3. セルフアピールの骨子となる具体的エピソードを3つ作りこみ、それを軸に全体的な自己像を構築しろ。0を1にするのはダメだが1を100にするのはアリだ。
  4. エピソード構築は、共感・具体性・達成・一般化の流れを意識しろ。ツカミ・細部・エンディング・御社で私が役に立つ理由、と言い換えてもいい。
  5. 声に出して練習しろ。面接はスポーツだ。身体に染み込んだものしか信頼できない。
  6. 何かを主張するときには、主張ー根拠ー論拠の論証構造を意識しろ。そして、主張の根拠は具体的なエピソードを伴う経験から導け。これだけで説得力が1桁上がる。

いかがだったでしょうか。どれも「言うは易し」です。概念を理解しただけで即座に実行出来るとは思わない方がいいと思います。しかし、これらの概念を意識して動けばあなたのESと面接の受け答えは飛躍的に精度を増すはずです。

本日一番重要な概念は、ESを面接の前に必ず読み返すことです。ESで想定されていたキャラクター像と本人の印象が全く食い違った場合、それがポジティブに働くことはまずありません。「ESはやっつけで書いて送ったし、何を書いたか全く思い出せない」という状態では、面接が始まる前から負けています。それだけはまず避けましょう。とにかく、総体性を意識してください。ESと面接が全く別のものだとは思わないでください。ESと面接での受け答えが完全にシンクロした時に初めて良い結果が生まれます。

それと、論証構造は本当に意識して損はありません。また、他者の主張を精査する場合にも大変便利です。根拠と論拠を洗えば、相手の主張の穴を見つけることはかなりやりやすくなります。なんとなく覚えておいてくれると嬉しいです。

それではやっていきましょう。

皆さんが就職活動に失敗する理由。茶番とマインドセット。

ところで、就職活動って茶番じゃないですか

あの、いきなりやる気を削ぐようなことを言って申し訳ないんですけど、就職活動ってくだらないですよね。筆記はまぁテストだからある程度尺度としての妥当性が担保されてると言えなくもないにせよ、エントリーシートと面接、こんなので業務遂行の能力が測れると思いますか。断言しますけど、測れませんよ。計10時間近く面接して僕を採用した某企業が存在するのがその証です。あれで測れるのは「クソ茶番を演じる能力」であって、個人の業務適性や才覚なんてものは1ミリも計測出来ません。

新卒一括の就職採用がクソか、クソ以外の何かかと言われたらクソ以下の何かだと僕も思いますよ。本当にくだらない。どうしようもない部族の風習だと思います。細かくクソな点を挙げていくとあっというまにこのブログが埋め尽くされるのでこの辺にしときますが。クソがクソである理由を並べるのはあまり心地の良い作業ではないですからね。色や形や匂いについて描写するのは流石の僕も嫌です。

そういうわけで、このブログを読んでいる皆さんの認識も大体そんなもんだと思います。皆さんは世の営為から茶番を嗅ぎつける能力がとても高いので、この認識についてはすり合わせが要らないでしょう。100%同意します。これが大前提です。

ところで話は変わりますが、皆さん「面接の練習」行きましたか?なんとなーく大学のどっかでやってるらしいという噂は耳にしたけれど、行ってないし行く気もない皆さんが大多数だと思います。このブログを読んでる皆さんですもんね。そんな茶番オブ茶番に参加する気にはならないですよね。わかります。僕もそうでした。筆記はね、まぁペーパーテストだから「対策くらいするか」って気持ちになった人が多いと思うんですけど、「面接の練習」って言われたら嫌悪感が半端じゃないですよね。僕、次は「面接のコツ」とか書こうと思うんですけど、このエントリを挟まなかったらブクマでボロクソに叩かれたと予想するんですがいかがでしょう?

その理由を挙げましょうか。「面接の練習」ってのが気に入らないんですよね。だって、面接ってのは企業と学生がそれぞれの特性がフィットするか測り合う場として機能するのが妥当じゃないですか。練習が要るってことはある種の技能を高めるってことですよね。それって企業が採用したいのは「上手に面接が出来る奴」「茶番を上手に演じられる奴」って話になりますよね。そんなモンに参加したいかと言われたら誰だってNOですよ。馬鹿馬鹿しい。絶対にやる気にならないね。

以上の理由で皆さんは就職活動に失敗します。

 

茶番センサー

「要するに面接の練習に行けって話?」と思われたかもしれませんが、もうちょっと内容があるんです。というのも、これは皆さんの中にバリバリの高感度で搭載されている茶番センサーについての話なんですよ。

皆さんは世の中の様々な営為を眺めたとき、「これは茶番だ」と認識する能力がとても高いのではないかと推察します。実際、人間がなんか必死でやってるのを見て「くっだらねえなぁ」と思うことが非常に多いのではないですか?少なくとも僕はそうです。アルバイトで単純な仕事をしたとき、街頭で募金を求める人を見かけた時、政治的な意見を掲げてデモをする人々を見かけた時、皆さんの中を通り過ぎるあの冷笑的な感情は否定できないでしょう。リクルートスーツを着た新卒の群れを眺めてこの感情が起きない人間が僕のブログを読んでいるとは思えません。

目の前に越えなければならない壁が立ちふさがった時、僕が一番最初に考えることは「これくだらなくね?」です。就職活動も正にそうでした。こんなことに本気出すなんて冗談じゃない、という気持ちが最初にやってきました。だから、僕が就職活動に本格的に動き出したのは4月の終わりごろだったと思います。結果が出始めるにはそこから更に2ヶ月を要しました。(最終的には内定コレクターと化し、9月まで内定集めに没頭しました。これは余談ですが、夏以降の採用にもかなり美味しい求人はあります。諦めるな)

そういうわけで、皆さんは就職活動を茶番だと考えていると思いますし、その認識に関しては僕も同意するという話なんですね。皆さんの茶番センサーは今日も元気に稼動している。繰り返しますが、皆さんを失敗させるのはこいつです。これが皆さんが自主的に背負い込んだハンデの正体です。

 

ところで皆さん、今すぐ本気で大声を出せますか?

ところで皆さん、「今すぐ全身全霊の大声を張り上げてください」って言われて100%の声を出せますか?体育会系部活の経験者の皆さんくらいですよね「余裕」って感じなの。たいていの人は無意識のリミッターがかかっており、何度か練習しない限り、あらん限りの声を振り絞るという行為さえ出来ないと思います。

カラオケで合いの手をデカい声で入れることが出来ない、皆が盛り上がって手を振り上げているときに自分だけ全く動けない。そういう経験はありませんか?これはこのブログの読者にはかなり多い傾向だと思います。僕自身もこの傾向はとても強く、いわゆる「ノリの悪い」人間です。

逆に、ガチの体育会系を経験した皆さんは完全に余裕でしょう。「声出し」は基本中の基本ですからね。曖昧な理由で意味の不明瞭な奇声を発することに関して皆さんはエキスパートだと思います。ブラック寄りのアルバイトを経験した皆さんもやってるかもしれませんね。

あれが茶番センサーを克服する訓練です。企業に於いて、体育会系が重用される理由も大体これです。部族の風習に順応する訓練なんですよ、あれ。無意味なことを全力でやらせる、結果として無意味なことに全力を出せるようになる。そういう話です。「大声を出す」というのは非常にシンプルかつ訓練の結果が出やすいので多くの場所で採用されているんです。ブラック企業などでも積極的に採用されています。餃子の王将の研修動画とか見てきてください。このエントリの内容そのままですよ。

逆に言えば、この程度の訓練をしないと人間は「これは茶番だ」と感じたことに全力を出せるようには出来てないんですよ。そして、このブログの読者の皆さんはこの手の部族の風習を避けて避けて避けまくってきたことだと思います。わかります。僕もそうです。「くっだらねぇ」と吐き捨てて逃げ回ってきました。

皆さんは就職活動を以ってめでたく部族の風習から逃げ切れなくなったわけです。おめでとうございます。どうしましょうね。茶番自体を回避しますか?それとも、茶番に全力を出しますか?どっちか選ぶしかないですよ。

 

どうして面接がやれると思ったんですか?

面接なんて嘘と演技だろ、茶番を演じる能力の査定だろ、と皆さんは思っていますよね。一切の反論の余地なくその通りです。ところで、何故皆さんは「嘘と演技」が自分にはやれると思ってるんですか?だって、本来の自己像とは違うものを演じるわけですよ。簡単なわけがないじゃないですか。上手くやれたらそれ単体でメシが食えるスキルですよね。「大声を張り上げる」という極めて簡単なことすら練習なしには出来ない皆さんが、そんな高度なことを練習なしで出来ると思いますか?(練習なしでは出来ないことがわかっていたなら面接の練習に行ってるはずですよね?なんで行かなかったんですか?)

出来ません。僕も出来ると思い込んでましたが、出来なかったです。「採用面接」というものに対する心理的拒否感を有したまま実戦に望んで良い結果を出すのはかなり難しいのです(素体スペックが相対的に高いとか特殊技能があるとかそういう人は別ですが)。面接のテクニックとかノックの回数とか受け答えのTIPSとかそういう以前の問題として、皆さんはまず茶番センサーのスイッチを切ることを覚えないと、かなり高い確率で就職活動に失敗します。

「これは茶番だ」と感じた時、我々は曖昧な理由で「だから簡単だ」と誤解してしまいます。半ば無意識に見下してしまうわけですね。でも、実際のところ「茶番」であることと「簡単」であることは同一ではありません。就職活動は確かに茶番ですが、億の単位で生涯年収が動く資本主義の戦場であることもまた事実です。そこで有限の数の椅子を奪い合うのが簡単なわけがないじゃないですか。

皆さんはここの部分の認識が甘いまま就職活動本番に突入するでしょう。そして、無残な敗北を繰り返すうちにある者は「全力の出し方」を覚え、ある者は全力を出せることすらないままに撤退するでしょう。「全力を出す」というのは簡単なことじゃないんですね。少なくとも、「本気で大声を張り上げる」よりは難しいことです。本気で茶番に興ずるにはそれなりのマインドセットが必要になります。

 

茶番センサーをオフにしましょう

就職活動においてはマインドセットをきちんとしないと、深甚なハンデ戦を強いられることになる、そういう概念は理解していただけたでしょうか。でも、皆さんに「駅前に立って六甲おろしを全力で歌え」とか言っても無理ですよね。僕も無理です(やったらかなり効果は見込めるとは思いますが。実際やってる会社ありますよね)。

生まれつき、「茶番に全力を出す」というのが得意なタイプの人間も存在します。定型発達力が高い皆さんですね。少なくとも、皆さんはそういうタイプではありません。だったらこんなブログ読んでるわけないですからね。しかし、この文章を読んで「納得した」って感覚が生まれた皆さんも、「初めて考える概念だ」って方は少ないでしょう。「言語化してなかったけど、うっすらわかってた。やっぱりやらなきゃダメなのかよ」って気持ちですよね。わかります。

ではどうするか。答えは簡単です。「いまさらこれが茶番だと言い切ることは出来ない」ってくらいまで金と労力を突っ込めばいいんですよ。人間には「引っ込みがつかなくなる」という面白い機能が搭載されてます。一定以上金と労力をブチこんだものに関しては、人間は思考の上では「茶番だ」と認識していても、これまでに突っ込んだものが惜し過ぎて引っ込みつかなくなるんですよ。

いませんか?そういう人。マルチ商法などにうっかりハマった皆さんが大体こういうマインドセットに突入していますよね。パチンコに5万突っ込んだら脳から汁がドバドバ出ますよね。あれを意図的に自分に起こせばいいんです。何事も、最初から全力を出すなんて不可能です。でも、ある程度まで金と労力を突っ込んでしまえば「全力を出さなきゃこれまでの全てが無駄になる、自己否定になってしまう」というあの力が宇宙から降り注ぎ、人間がウォーします。就職活動には「激アツ」「中段チェリー」「魚群」などに類似する存在もありますので、ウォー自体はしやすいです。大丈夫です、人間はパチンコにもマルチにもハマれます。就職活動にもハマれます。安心していいです。

ポイントは「金と労力」です。どっちか片一方ではダメです。「5万円分就職関係のハウツー本買って来い」、では資源を無駄にするだけです。ハウツー本を買い、面接の練習に行き、合同説明会に向かってください。はい、結局は面接の練習に行けという話だったわけですが、ご納得はいただけたのではないでしょうか。

皆さんの茶番センサーはとても強固です。これまで二十余年の月日をかけて構築された強力な思考の形質が一朝一夕で変わるわけがありません。「決意を改める」「心を入れ替える」などの行為は全て無駄です。やってもいいけど、今まで効果出たことなんてないでしょ。僕もないよ。

ジャブジャブ金と労力突っ込んでください。一定ラインを越えたら勝手に体が動き始めますから。「賭博者」は読みましたか?あのババアの状態まで自分を持っていくだけの作業です。大丈夫です。誰でも出来ます。歴史が立証しています。就職活動において、茶番センサーをどうしてもオフに出来ない皆さんに足りないのは、本気でも気合でも能力でもありません。投資です。思考は金と労力をブチこまないと変わりません。逆に言えば、それさえぶっこめば簡単に変わります。正確に言えば、「金」だけでもいいんですけどね、それなりにデカい金なら。でも、就職活動に引っ込みがつかないほど金を使うのも難しいですからね。

どうしても「労力」を突っ込む行動が出来ない皆さんですが、今すぐ僕に連絡をください。借金玉就職セミナーの受講料ですが、親御さんの年収の4割で結構です。効果は約束出来ます。

 

茶番センサーの切り方を覚えよう

ところで就職活動を「茶番だ」と認識する思考形態なんですが、とても大事なものだと思います。こういう思考ルーチンが全く無い人間もごく稀にはいますが、正直言って心踊る話相手ではないですよね。物事をメタ的に、構造的に、俯瞰的に見る目線は、「茶番に全力を出す」能力と同じかあるいはそれ以上に重要な能力だと思います。分析能力の萌芽そのものですからね。

茶番を茶番と認識する能力が一切ないとしたらそれはそれでマトモに人生を渡っていくのは難しいと思います。新興宗教やマルチなどにあっという間に吸い込まれるでしょうし。人生のディフェンスがゼロということになってしまいます。就職活動が茶番だと感じたことが一切ない皆さん(まさかいないとは思うが…)については、少しこの辺考えてもいいかもしれませんね。「無双出来るゲームだったから楽しくてそんなこと考えたこともなかった」という話もあるかもしれないですけど。

その一方、茶番センサーの感度が良過ぎるのも考え物です。だって、就職活動が茶番なら世の中茶番じゃないことなんてそう滅多にないですよ。長期の話とはいえ、賭けられている金額は億単位なんですから。皆さんは「全力が出せない」という強烈なハンデを背負って生きていくことになるわけです。ピッコロさんのつけてた重石よりはキツいと思いますよ。

これは社会に出てからもそうです。我々は「くだらない」と感じたものが一切脳に入らないという傾向がありがちです。僕はせっかく就職活動で茶番センサーを切ることを覚えたのに、これを言語化出来ていなかったため就職した後またも同じ罠に嵌りました。仕事は就職活動ほど射幸性が高くなかったのでハマることすら出来なかったです。(僕が営業を推奨する理由はこの辺にもあります。歩合制はかなり良いです)

理想は、怜悧に茶番を茶番と認識しながらも、同時にその茶番に向かって全力で突撃していけるマインドセットです。世界は茶番です。無意味でくだらないクソです。でも、勝ちたかったら全力を出すしかないわけですよ。本気で茶番を演じるしかないんですよ。戦略分析にはメタ視点や俯瞰視点が不可欠ですし、歩兵として突撃するにはウォーするしかありません。人生は分業できないので、この矛盾を丸ごと飲み込むしかないんですよ。でも大丈夫です。やれます。意識的に繰り返していけば、「茶番」に没入することは少しずつではありますが出来るようにはなります。セルフ体育会系メソッドですが、一回「なるほど、メリットがあるな」と実感として感じることが出来ればかなりやりやすくなります。

僕がこのブログで推奨している「部族に順応する」などの概念も、全て茶番です。クッソくだらないです。でもやりましょう。人生は分業できないのですから。あなたは冷徹な戦術家であると同時に、雄叫びを上げて一番槍を突く歩兵である必要があるのです。それを踏まえて、就職活動は素晴らしいトレーニングの機会です。試行回数は多く、多少失敗しても後に響きません。ここで感覚を掴んで再現性を確保しておけばその後の人生がかなり楽になると思います。

どうですか。ハラは決まりましたか。

次回は具体的なテクニックについて語ろうと思います。やっていきましょう。

 

 

 

就職活動の話。自己分析をトチると死にます。(死にました)

就職活動が始まりましたね

なんか3月1日から企業の採用活動が始まるという話を聞きました。2018卒の皆さんの最後の戦争が始まるわけですね。皆さんは戦っていますか?

なんか色々あったけど、とりあえずこのブログはなるべく皆様のお役に立たせてもらうのがモットーですので、就職活動の話を書いていこうと思います。そういうわけで、僕は就職活動がわりと大成功した組です。学歴や経歴、能力を考えても「よく入れたな」という場所になんとか滑り込みました。しかし、その大成功はその先の大失敗への見事な布石だったわけですが。(人生はえてしてそういうものです。そもそも成功していなかったという解釈も正しいと思います)

「とにかく採用される」「後のことはどうでもいい、とにかく椅子を奪い取る」に最適化した就職活動戦法というものは、少なくとも僕の中ではあります。僕はその方法に特化して内定をもぎ取りました。でも、現在思い返してみると「ああいうやり方、運があれば上手く行くだろうけど、長期的に失敗する可能性はやはり高いよな…僕失敗したしな」と思っています。

そういうわけで、就職活動に関してはその辺も踏まえたエントリを書こうと思います。「長期的に自分の適性を鑑みてしっかり働ける職場」という選び方もありですし、「とにかく滑り込まなきゃ話は始まらない、採用されてから困ればいい。転職だって最初の会社のネームバリューが影響するだろ」という考え方もあると思います。どちらを選ぶかは、皆さんの状況や適性に合わせて選んでいただければいいと思います。

尚、僕はその先で起業という選択肢を選びましたが、最初の資金集めの段階でも「会社のネームバリュー」はウルトラ使えます。というか僕は最初の会社の名刺を持ったまま資金集めに奔走しました。強い名刺があれば、結構な割合の人がとりあえず話は聞いてくれます。生かしましょう。起業する予定だから就職はテキトーでいいや、という考えはもったいないので、是非使えるものは全部使ったらいいと思います。その場合はとにかくつよい名刺を配布をしてくれる組織に飛び込みましょう。

 

筆記試験の対策はしろ

はい、すごい地味なところから入りましたが、これクッソ重要です。なんなら一番重要と言ってもいい。いや、「あんなもん無勉で余裕だろ」「アレに勉強が要るとか脳にサナダ虫沸いてんじゃねえの?」みたいな皆さんもいると思いますが、ハイパークソ文系マンの僕は実地に臨んでから「マジかよ、筆記落ちってあるのかよ…」と気づいて愕然としました。せめてあと1ヶ月早く対策を打っておけば良かった…。と後悔しても遅い辛さがこの「筆記」にはあります。就職活動の序盤戦は、筆記対策をしていなかったという理由でリングにすら中々上がれないという大変辛い思いをしました。

やりましょう。ドゥーイット。(それをやれ)たぶんまだ遅くないと思います。今からミチミチやれば個人差はあれどそれなりに点数は上がります。『その概念はなかった』ってみなさんいると思います。やりましょう。文系の湯に4年間浸かってきた皆さん、皆さんの脳は現在、かなりの確率で残念な状態になっています。受ける業界や会社によってテストの方向性は違うと思うので、その辺はインターネッツを活用して情報を収集しましょう。インターネットテストの場合ですが、あれもう実質的に「友達がいる奴はテスト免除」みたいな性質なので、そのように出来る人はそのようにすればいいと思います。(借金玉さんは「数理系問題なら任せろ!」という知人に託した結果落ちて、それから自分でやるようになりました。やるなら成功報酬にした方がいいですよ)

あの筆記、つまるところ機械的にザクっと応募者の下x割を落とす仕組みなので、これを突破してないとどれだけ試行しようがn=0です。完全に無駄です。評価基準は多分点数化された学歴+筆記の点数の合わせ技一本なんじゃねえかなぁ…と思いますが、落ちる時は落ちます。僕の知り合いの学歴マンたちも「落ちた」「マジで?」「フリースルーじゃなかったの?」「俺の学歴見たらとりあえず面接には呼べよ」などとボヤいておりました。

これだけはなんとかやってください。尚、インターネットを地道に捜索すると、人間の悪い知見が集約され、読んでおけばとりあえず点数の取れる水が沸く泉が発見できることもあります。そういうのも使いましょう。テストセンターの筆記試験、多分アレのせいで就活序盤から後半にかけてモリモリ点数上がってると思う。人間は悪い。

 

自己分析ですが、重要です

金玉さんは自己分析をナメてました。というのも、就職活動序盤で落ちまくり、また文学部卒かつ2浪という経歴から、「選ぶ余裕は俺にはない」と思い込んでおりました。この判断が正しかったのかどうか、未だに結論が出ないところではあるのですが、もし選ぶ余裕があるのならじっくり自己分析をして、ある程度適性のある業界に飛び込む方が絶対にいいです。「就職活動をとにかく成功させる」というのをゴールにするとこの判断は間違いではない

ですが、就職活動というのはその先の人生に大きな影響をもたらすイベントです。なるべく長期スパンでの最適解を選んだ方がいいですよ。

で、まぁ選び方って色々あると思うんですよ。「休日数」とか「ホワイト」とか「給与」とか「人間関係」とか「会社名のブランド力」とか。でも、自己分析という作業にはわりと問題があって、そもそも「自己」を分析した結果を「企業選び」に生かすのが自己分析の作業なわけじゃないですか。でも、就職活動をしている皆さん「企業」について知ってるかというと微妙なとこですよね。多少情報はあるけど、なかなか難しいと思います。

そういうわけで、僕なりに労働者の立場からざっくり分類してみると企業には3類型あると思います。(混在型を含めて4類型)尚、この3類型は完全なものではないです。どの会社もポジションによってこれらの要素のそれぞれが存在すると思います。あくまで、「企業全体の傾向としてどういう評価軸の業務が多いか」の指針と思ってください。

 

1.成果評価型企業

営業成績などの具体的な数字から人間を評価する企業です。「証券営業」とか「不動産営業」とかが典型例ですね。新卒の皆さんが「死んでもイヤだ」と思いがちな企業類型だと思います。しかし、僕のようなADHD傾向が強い組などについては「とにかく数字さえ出せば生存できる」などのプラス要素もある企業ではあります。「定められた期間一定の出力を出し続けることは難しいが、俺は一発には自信がある」などのタイプはこの企業に飛び込みましょう。(この手の企業はみんなが嫌がる分、転職バリューがわりとあります。勝ち筋掴めなかったら強くてニューゲーム前提です)借金玉さんイチオシの企業群です。勝ち筋に乗ると、多少粗相してもみんなお金欲しいのでニッコニコしながらフォローアップをしてくれるなどのメリットがあります。みんな嫌がるので「気合あります!」でスルっと採用を突破できたりもします。今思うと、なんで新卒で僕はこれに飛び込まなかったんでしょうね…。内定持ってたのにね…。

 

2.成果物評価型企業

プログラマなどがわかりやすいと思います。一定の期間に成果物を製作し、そのデキで評価が定まるタイプの企業です。このタイプの企業のメリットとしては、「とにかく帳尻さえ合えば許される」だと思います。また、「一定期間」にどの程度の長さがあるかもポイントで、例えば1ヶ月スパンなどの場合は出力が安定しない人でもなんとか帳尻を合わせることが可能かもしれません。モノが納期に間に合わなければくそやばいので、勤怠管理もヌルいことが多いでしょう。また、成果物作成の異能を持っていれば、「作る」作業に没頭することが評価につながる、対人折衝などのマルチ技能を要求されずに済むことがあります。客先に出ないことが前提の場合も多く、とにかく成果物を上げられる人間がエラいので、部族の風習はあまり強くないことが多いでしょう。ASD傾向の強い皆さんが多数生存しているのが観測されるのがこのエリアです。尚、「会社全員が成果物だけで評価されている企業」というのは通常存在せず、営業部署なども必ずあります。営業と製作の中間に立つような職種もあるでしょう。そういうところに回された場合はまぁ適宜戦うということで…。

 

3.作業評価型企業

会社の収益システムがほぼ完成されており、創造性や数字の競い合いなどは末端の労働者にはほぼ要求されず、「定められた業務手順を定められた通り効率よくこなす」ことが最も重要視される企業です。「公務員」なども該当します。(公務員の中でも国税徴収官のような例外はありますが)僕のブログを読んで納得が強いタイプの皆さんには心からお勧めしません。部族の風習は極めて強く、数字や金以外のよくわからない何かで評価が決まります。効率も重要な評価基準ですが、効率さえ上げてれば良いということでもなかったります。でも、冷静に考えてみると「会社の収益システムがほぼ完成されている」「末端従業員を数字や成果物でケツを叩かなくても回る」などの前提条件を踏まえると、これはイコール「ホワイト企業」ということです。概して休日も多く、給与もそれなりでしょう。社会的な評価もついてくるでしょう。普通にやっていけば、定年退職までしっかりお賃金がもらえて、退職金もモリっとついてくるでしょう。(尚、普通でないこともわりとよく起きます)住宅ローンだっていい金利で組めると思います。このタイプの企業の欠点を論うなら、「具体的な金になるスキルがつきにくく、転職バリューが乏しい」ということです。10年とかやったら、他の水でもう一回泳ぐのはかなりキツいと思います。ヤベェと思ったら「若さ」と「会社名ブランド」で評価を勝ち取れる20代のうちに転職を推奨します。

 

4.混在型

1~3の要素が混ざり合っている企業です。というか、大体の企業は混在してるんですけど、混在型の色が強い会社というのもあると思います。その場合は、どの部署にいるかによって評価基準がまるで別物、ということになるでしょう。例えば、デカい商社なんかの場合は「営業や事業で評価と数字を勝ち取る」部署と、「会社のシステムを回すための作業を果てしなく続ける」部署が混在していると思います。また、その両者の中間に属するような部署も存在するでしょう。企業はわりと志望動機や志望職種を人間に尋ねますので、自分の適性を把握して自分が最も合いそうな部署に飛び込むことが重要になります。部署移転などもあると思うので、そういうタイミングを上手に狙っていくと良いでしょう。自分の部署の評価基準は何か?を都度理解して適切に振舞っていくなどのマルチなスキルが要求されるでしょう。とはいえ、「あらゆる適性の人間を適切に配分出来る企業」などはたぶん存在しません。自分の適性にあった業務が主軸となっている企業を選ぶのが非常に重要です。

 

どれが向いている?

はい。これを抑えておくと、少なくとも自分が納得できる評価基準の中で戦いを展開していくことだけは出来るでしょう。就職活動のときは、とにかく3のタイプの会社が輝いて見えます。ピカピカしてみえます。「あいつらまるで働いてねえのに金貰えるの最高じゃん、とにかく出社してればクビにならないし年功序列で昇給もするんでしょ」などの考えが死を招きます。具体的に言うと、銀行員は15時にシャッターを閉めてあとは遊んでると思い込んでいるタイプの皆さんを誘導する罠です。役所の皆さんの主な業務が、窓口で「ここのところの記載抜けてますよ」ってチクチク言うことだけだと思ってる皆さんを即死させるタイプの罠です。

確かに銀行のバック担当(フロントは別)や役場の職員は数字には追われませんが、その代わり効率と部族の掟にミッチミチに支配されています。考えてもみてください、数字でも成果物でも評価されないとしたら、人間はどうやって人間を評価するんでしょう。そこでも勝ち組と負け組みの序列はしっかり形成されるわけですよ。

「常に効率さえ上げればいいんでしょ、自信あるよ」という皆さんについてですが、「協調性」などと刻印された黒光りする棒でブン殴られることについて考えてみてもいいと思います。突出してもそれはそれで死ぬから注意な。だって、個人の異能が必要ないところまで完成してる組織なんだからな。スゲー仕事出来るマンが入って来たとしても、回りの普通に仕事出来るマンにとってはブチ殺すのが最適解だったりするからな。そういう組織だと、ウルトラ成果上げてもそれが昇給に即座に結びつくことは稀ですので、「効率を上げる」メリットすらなかったりしますね。

皆に劣らない効率が出せて空気を読むのも得意、という皆さんには3をお勧めします。そうじゃない皆さんについては、3に飛び込んで適応を目指すか、あるいは1か2か4に飛び込んでそれぞれの特質の中で生き残りを図るかのどちらかの選択は必要になるでしょう。「明らかに4だな…」という企業に飛び込む皆さんについては、採用面接の段階でわりと「あいつはアレ向きっぽいな」という方向性が形成されることも多いので、採用後まで睨んだ立ち回りを心から推奨します。

 

自己分析も企業分析もどちらも大事です

僕は、「自己分析って無駄じゃね?だって、企業に迎え入れてもらうためには企業に向いてることをアピールしなきゃいけないんだから、そんな暇あったら企業分析して何を言えばウケるか考えたら良いんじゃね?」という方針を展開し、短期的な成功の後に死にました。就職活動に勝利することだけを考えればこれは最適な方針だったと思うんですが、人生は就職活動ではないということですね。就職活動がクソ上手いという悲しいスキルを形成した失敗者が僕だということです。いやー、ナメてましたね、働くということを。

しかし、「採用されなきゃ始まらない」というのも事実です。企業に対して、「俺はウルトラ御社向き!採用しなきゃ損!」というアピールを展開する能力もそれはそれで必要です。自分の適性を踏まえた上での企業へのアピール法などもこの先のエントリで書いていこうと思いますので、それが全て正しいなどという保障はどこにもありませんが、ご参考にしていただければ大変幸いです。

就職活動を頑張っている皆様。

やっていきましょう。