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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

残業禁止は強者のルールなのでは、という話。

dennou-kurage.hatenablog.com

 

ウァァ!

「もう本文これだけでいいんじゃね?大体通じるんじゃね?」という気がしましたが、僕は書きます。上に引用したエントリはまぁ、正しいと思うんですよ。そう思う。本当に思うよ。みんなスパっと働いてスパっと帰宅する。そして家に帰ってシェスタする。そういう世界が美しいと思う。本当に思う。僕もそうしたい。そうしたいんだ…。(パソコンの前で「記事を書く」画面を睨んで2時間が経過しようとしています)

僕がかつて勤めていた職場の雰囲気もこれでした。その昔は常に残業カーニバルが開催され、人々は踊って暮らしていたそうです。でも、ある日マッキンゼーって額に刺青した部族がやってきて全てを蹂躙したとのことです。それ以来、残業は罪となり、罪は塩の柱となりました。祭りはこのように終わったのです。

で、まぁ長い前置きだったんですけど、要するに僕が言いたいのはこういうことなんですよ。「それ、効率良く働けるマンしか生き残らないよな」ってことです。人が仕事をこなすスピードというのはかなり幅があります。10のタスクをこなすのに12時間かかる人もいれば24時間かかる人もいる。「定時帰宅」を絶対是とすると、まぁ効率の良い人しか生き残らないよねー、という話です。

 

どうも、効率の悪い人です

僕は仕事が遅いです。正確に言うと、アホみたいに早いときがごく稀にあり、それで帳尻を合わせるタイプです。これはもう生まれもった特質で、努力は常にしてるつもりなんだけど未だに治りません。一生治らないと思う。コンサータで多少マシになるけど、「多少マシ」程度であってですね。まぁ、基本的に遅いです。生きててすいません。

そういう僕の処世術は「ロスタイムのフル活用」です。一日30分から1時間、管理職の目を盗んで職場に残り、電話の留守電ボタンをポチっと入れてからが僕の「やるぞー」タイムです。それが出来る職場なのが大変にありがたい。電話応対やメールの着信、ポケットの中でピコーンピコーン言うLINE、唐突に差し込まれる細かい仕事、そういう状態の中で集中力を出すということが僕には中々出来ません。

この「ロスタイムで帳尻を合わせる」というのが出来るようになったのですら最近のことで、それ以前はまるっきりダメでした。前の方のエントリで書きましたけど、効率よく仕事する皆さんにボッコボコにされた悲しい経験があります。「給料いらないから残業させてくれよ!もう無能認定してくれていいからあと1時間仕事させてくれよ!」という声にならない叫びを押し殺して、明日のガン詰めに怯えながら帰宅した皆さん。大丈夫、あなたは一人じゃない。酒に逃げるな。適切に服薬しろ。

 

生産性=効率…なんですかね?

「え、職場についていけないなら辞めればいいじゃん。無能なんでしょ?」そういう声も聞こえてくる気がします。はい、まぁ一面的には正しいと思います。要するに、「職場が求める水準に能力が達していない」ということですね。仰るとおり、としか言いようのない面もある。(だったら雇用の流動性もっと上げてくれよ、とか色々言いたい感じはあるけど)

その一方で、「時間を区切って生産性上げろよ」「効率上げろ」と仰る皆さんの話にも、ちょっと反論の余地はあると思います。そもそもですが、効率上げたら生産性って上がるんですか?いや、上がることもあると思うんですけど、確実に上がるといえる?本当に?

というのもですね、それって結局単純作業の効率の話なんじゃないんですかね?と思うんですよ。例えば、「パーツAとパーツBとパーツCをネジで止める」みたいな話であれば、手を速く動かせば生産性は確かに上がると思います。そりゃそう。でもさ、そういう作業で金を稼げるエリアって今の日本だとガンガン減少してますよね。機械化やら人件費の安い海外やらに対抗する策が「手を早く動かす」って、本当にそれでなんとかなるの?負け戦じゃね?って思うわけですよ。

いや、もちろんこんな単純な話じゃない、業務の中の非効率を除去していって効率化するのは絶対必要だろ、とかその辺はわかる。それは確かに要ると思う。だから、基本的には「一理はある」というのは認める。それを踏まえた上で、「本当にそれだけですか?」という話なんですよ。

 

創造性は時間単位では計測できない気がする

ブログ書いてて思うんですが、かけた時間とエントリの評価はまるっきし比例しないです。僕のブログで一番のヒットだったエントリは、正味45分で書きあがってますが、全く評価されていないエントリに5時間かかってるなんてのもザラです。そういうもんだと思います。僕も文章書いて長いですから、「効率よく字数を埋める」は苦手じゃないんですよ。下請けの████で他人の████を書いている時なんかは完全にこのモードですので、字数ベースの生産性は非常に高い。でも、本当にそれって生産性ですかね?

で、なんですよ。単純な知的作業さえもAI化していく世界で、人間がウォー出来るエリアってもうこの「創造性」以外にそんなにないと思うんですよね。長期的にはこのエリアすらAIが殴りこんで来て尖った棒で我々を追い出すのかもしれませんが、それでも今のところ。(自動でブログ書いてPV集めて広告貼るAIがはてなを支配する日も来るのかもしれない)

確かに「稼ぎの仕組み」が出来上がっていて、完全にシステム化されている大企業なんかは「創造性とかそういうのはいい。手を動かせ。どのように手を動かすかはマニュアルに書かれている」みたいなやり方も不可能ではないとは思うんです。知的作業を一部の人間に丸投げして、職場の多くの人間はマニュアルの沿って手を動かしていればいいみたいなところまで完成した企業は。

でも、中小零細企業というのは概してそうはいかない。だいたいの場合、現場の人間がそれぞれの持ち味でウォーしてまわしているのが中小零細企業です。大企業には出来ないお客様のニーズにきめ細かく応える持ち味で戦っている会社なんていっぱいありますよね。そういう会社は「定時が来たらキチっと帰れ」と言われたらたいへん厳しい。そういう戦い方で大企業に勝てるわけがないですからね。

 

残業禁止は強者のルール

はい、何が言いたいかってコレなんですよ。規定演目でよーいドンで戦ったら、そりゃ体力があって効率が良い奴が勝つってことなんですよ。資本が厚く、ブランド力を持ち人材の層が厚くシステムの完成度を高めた大企業が勝ちますし、効率よく動ける定型発達者が勝ちます。中小零細企業や我々発達障害マンは負けます。

弱者の戦い方は基本的にゲリラ戦です。劣悪な環境下で、他の人がやらないようなことをやることに勝ち筋が僅かながらにある。それがこの社会だと思います。だから僕もアホみたいな時間を投資してブログ書いたりツイッターしたりしてるわけですよ。でも、そういう芽をガツっと毟るのがこの「定時には帰れ」ルールですよね。勝つべき者が勝つべくして勝つルールと言ってもいい。

横綱相撲を取れる皆さんが諸手を挙げて喝采するのはよくわかります。優秀な皆さんがノリノリになるのもよくわかります。だって、皆さんが勝てるルールですからね。「残業禁止最高!」って思ってる皆さんは、おそらくだいたいが効率良く仕事を回すことに自信のある皆さんだと思います。

その一方で僕は思うんですよ、「完全に勝てないルールだ…」って。僕は作業効率にアホみたいなムラがあります。下手すると、作業効率が1桁違うなんてこともあります。決まった時間の枠の中で定型発達者と競ったら、そりゃ負けるわけですよ。でも、僕も捨てたもんじゃなくて、長期的にはそれなりの結果を出していたこともあります。毎学期に行われる定期テストは下から数えた方が早かったですが、たまに行われる学力テストには自信がありました。

そういう人間を皆殺しにしたら、社会は本当に得をするのかな…。(するかもしれないとうっすら思ったのでこの話ここまで)

 

で、どうしますかね

そういうわけで、悩ましいんですよ。過労死とか実際にあるわけで、「俺は長時間労働したいんだ!死んでもいいから労働させろ!」とか吠える気にもならないし、「長時間労働する自由を!」とか言う気にもならない。「労働時間を短くしよう、人間らしく生きよう」というアプローチはそれはそれでとっても大事だと思う。短い労働時間でお賃金をきちんと頂戴できればそれはそれで素晴らしいわけで。

でも、僕の人生と経験に照らして考えると、それをゴリ押しするだけでは失われてしまうものがきっとある。決まった枠の中では結果を出せなくても、3ストライクでアウトのルールでは三振しか出来なくても、100ストライクまでアウトじゃないならどこかでとんでもないホームランを放てる人間というのもたまにはいる。そして、これは特に根拠のない霊感なんですが、人類の社会をたまにウォーさせるのはそういう人間なんじゃないかなーって思うんです。(実は違うかもしれない、多分に希望的観測が含まれている)

そういうわけで、今回のエントリには明確な結論がありません。引用したエントリも一面的には正しいと思うんですよ。別に批判したいわけじゃない。でも、そのルールだと僕死ぬんだよな…とボソっと言いたいだけです。

確かに効率良く仕事を終えて、定時の長針がパチっと12を指したら家に帰りたい皆さんにとって、その辺りの時間からモリモリし始める我々は目障りかもしれない。悪に見えるかもしれない。でも、そういう我々も結構一生懸命なんとか生きてるので、ほどほどに抑える努力はもちろんしますから、ちょっとだけご容赦いただけませんか、ダメですか。もう2~3回バット振らせてもらえませんか。当たるとデカいという噂がありますから。

そういう話でした。

まぁ、定時に帰る努力は必要ですよね。僕も早くロスタイムなしで仕事をまわせるところまで発達したいです。やっていきましょう。