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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

皆がつらいお仕事の話

このような出来事がありました。

 

課長「新入りさん、この山盛りの文書をAとBに分類して、AはA´の方法で、BはB´の方法で郵送してくれ。尚、今日出さないとヤバイ。わかり?」

新入り「わかり」

僕「営業終わりましたー(帰社)」

課長「借金玉、新入りさんに郵送の仕事任せたんだが、最終チェックおまえな。出す前に全部チェックして帰りがけに郵便局出しとけ。俺は商談に行く」

僕「わかり」

新入り「モリモリ」(事務の出来る人なので良い速度で進んでる)

僕「わからないとこないですか?」

新入り「ないです(手元を隠す)」

僕「よかった。(ウッ、この人年齢も事務キャリアも僕より上だしこの程度の仕事の進捗を途中で見せてみろとは言いにくい、いうて僕もこの会社入ったのこないだだし…)ではなんかわかんないことあったらいつでも聞いてください。ちなみに、どんな指示なんです?」

新入り「郵送物をAとBに分けて、AをA´、BをB´の方法で郵送しろとの指示です。時限は今日中です」

僕「承知しました。では、出来たら呼んでください。いつでもお気兼ねなく」

新入り「わかり」

僕(自分の仕事はあと1時間で終わるな。今日はもう営業のアポはないし、定時まで2時間か。自分の長期タスクに手をつけるか、誰かの仕事拾いに行ってポイント稼ぐかどっちがいいかな。長期タスクに手をつける気分でもないし、先輩の仕事引き取るか。仕事流してもらいたいし)

僕「先輩さん、書類引き取りますよ」

先輩「マジ?じゃあ頼むわ!借金玉ちゃんサンキュー!(ボードに直帰と記し軽やかに帰宅。会社に残ったのは僕と新入りさんだけ)」

僕「モリモリ」

新入り「出来ました」

僕「じゃあチェックさせてもらいますね」

新入り「定時なので帰ります」

僕「お疲れ様でした(あと15分早く終わらせてくれれば僕も定時に帰れたんだが…しゃあないか。まぁ、課長が帰る前に終わらせれば良かろう)」

新入り「お疲れ様でした」(颯爽と退社)

僕「やるか」

僕「…これ間違ってね?」

僕「完璧に間違ってるやんけ。半分以上ダメやんけ」

僕「ヴァーアアア」

課長「商談終わったで。まさか今日程度のタスク量で残業してるような無能はおらんな?ここを残業代が沸いてくるタイプの会社だと思い込んでるバカはおらんな?」

僕「ヴァーアアア」

 

このストーリーにおける悪を探しなさい(10点)

まぁ、結論から言うと初手から新入りさんの理解が間違ってたんですよ。まぁ、もっと具体的に言うと課長は「業者には」「客には」って表現をしたんですよ。この場合の「業者」は同業者のことなんですが。新入りさんはそれを「法人」と「個人」という解釈をしてしまった。要するに、送り先が会社名になってるものと個人名になってるもので文書を仕分けしてしまったんですね。

でも、法人だろうが客の場合もあるんですよね。(個人名で業者ということは流石にないのでそれは助かりました)つまり、最初のAとBの概念が完全に間違ってた。でも、言葉の上ではそれを認識する手段がなかった。

新入りさんに「どのような指示を受けていますか?」という確認は僕もしてますし、新入りさんも明確に「この文書を業者宛てとお客様宛てに仕分けして、それぞれの方法で郵送する準備をする」って言ってましたしね。

で、久しぶりに怒られスープレックスが発生して後頭部から社会に落ちたわけですよ。絶対に社会を殺す、という気持ちを新たにしたとてもいい日でしたね。

 

仮説1 僕が悪い

まぁ、謝罪はしました。「すいません、途中で仕事に割り込んででもガッツリチェックするべきでした。腰が引けていました。申し訳ありません、以後気をつけます、再発させません」という旨をごめんなさいしたわけです。課長は基本的にはとても良い人なので、5分ほどボンバーした後手伝ってくれました。ありがとうございます。

これもまぁ一理はありますよね。(自分が悪いと100%認めるのは腹が立つのでこのような表現になります)僕は新入りさんに手元を隠された時に、仕事を全うする気概を失って引いてしまった。仕事の最中にほんのちょっと先に会社に入っただけの若造に自分の仕事をチェックされるのはどう考えてもムカつくだろうな、先輩風は吹かしたくないな、嫌われたくはないな、という感情が入った。

でも、僕にも言い分がある。というのも、流石に年上で事務キャリアも上の後輩の仕事に割り込んで嫌われるのはこの先のデメリットが結構あるし、そもそも弊社は年功序列の色の強い会社ではない。プリミティブな出来ればエラいシステムが貫徹されている会社です。我々非正規雇用傭兵軍団の序列は「どれくらい出来るか」だけで決まっています。「めっちゃ出来る」という触れ込みで入って来た新入りに先輩風を吹かせて嫌われるのは、ワンチャン死までありえてくる。

そういうわけで、まぁ今後はこういう事態が既に1度発生したという前提で振舞うので再発は多分ないと思うんですが、それでも今回のストーリーで「僕が100%悪い」を受け容れるのは抵抗があるわけですよ。(まぁ、僕が100%悪い体で謝りましたが。だってそれが一番得なので)

 

仮説2 課長が悪い

「テメーの指示が悪いんだろうが」という言葉を200回くらい飲み込んだので、ここでいっぱい書いておきます。「テメーの指示が悪い」「テメーの指示が悪い」「テメーの指示が悪い」はい。いいですね、インターネットは。

でも、これもまた課長の身になって考えると「しょうがねえことだよな…」って思うんですよね。だって、僕が指示を出す立場だったとしても多分同じ現象発生してると思いますもん。相手が自分の出した指示を正確にリピートしている状態で、「本当にこいつ俺の言ったことの単語レベルの概念まできちんと理解しているか?」という確認を常時やるのは非常に難しい。そもそもそんな時間も心の余裕もない。これ本当に難しいですよ。だって、自分の会社でも似たような現象発生しましたもの。

しかも、課長は短時間とはいえ割とデカい商談に向かってたんですよ。今年の会社の純利益が二桁パーセント変化するレベルの。多分、頭の中はその商談で目一杯だったと思う。なんなら、よく郵便物の発送というタスクを忘れなかったもんだよなと思うくらいです。大したもんですよね。(まぁ、今日発送しないとアウトなところまで熟成させてたという問題もあるけど、これも本当に仕方ない。課長は死ぬほど忙しい)

課長に「テメーの指示が悪いんだろうが」とか「そもそも俺は残業代も貰えない前提で新入りの仕事終わるの待ってこの後カネも貰えない状態で郵便局行くんだぞコラ、死ぬか?」「全部仕事放棄してケツまくってやろうか?月末までアポミッチリだぞオラ?」「俺にはツイッターのフォロワーが1万人強いるんだが、この会社はコンプライアンスにそんなに自信があるのか?試してみるか?」とか言ってもいいんですけど。

まぁ、僕は今の職場が割と気に入ってるのでそういうことはしなかったわけです。課長、総体的にはいい人だしね。学ぶものもたくさんあるし。そういうわけで、課長が全部悪い説も一理は無くもないけど、それはそれであまりに課長に厳し過ぎるとは思います。このレベルで「全て管理職が悪い」にしたら管理職皆殺しになってしまいますね。管理職は管理職でクッソ大変なのは痛いほどわかるんだ…。

 

仮説3 新入りさんが悪い

まぁ、僕のカチーンと来たポイントを言うと、「定時ギリに終わらせて一言もなく帰宅した」という点ですよね。読んでいる皆さんもここに引っかかった人が多いと思う。これは結構悪手なので、新卒などの皆さんは気をつけましょう。ヘイトが溜まります。

とはいうものの、正直に言って僕は管理職の目が届かないところでは、あるいは許容される空気感があれば、割とルーズに自主残業をしています。「こないだ自主的に残業する新人のせいでホワイトな職場環境が死ぬ、あいつ殺せ」みたいな地獄が流れていたのを見ましたが。

togetter.com

これですね。

ここを読んでる皆さんは、これを読むと大変な気分になれると思います。「自主残業をコソコソやって辛うじて周囲に追いついていってる」という人も決して少なくはないでしょう。一日に30分でもロスタイムがあるというのは結構救いで、僕は業務中にどうしてもスイッチが入れられなかった日などはこれで帳尻を合わせています。電話も鳴らなくなりますし、大変捗るんですよ。あてにし過ぎてはいけないけれど、やはりあると助かる時間です。

そういうわけで、新入りさんから見ると僕は「定時をあまり気にしない人」だった可能性があります。定時後でも課長や先輩が雑談モードだったらお付き合いする主義ですしね。「私は非正規雇用だ、自分の与えられたタスクをただこなすのみだ。それ以外など知ったことか」という考え方も一理あるし、少なくとも責められる謂れはないでしょう。

「指示を自分が理解していないことに気づいていなかった」という点も仕方ないと思います。僕や課長の立場になると、「いや気づけよ」っていう気持ちが出てきてしまいますが、自分が新入りの立場なら「課長の指示が悪い」と思うでしょう。新入りというのはそういうポカをやってしまうものです。

僕が途中で出した「わからないことはないか?」「進捗ちょっと見せてみ?」という助け舟を蹴飛ばしたことについても、これもそう責められるほどのことではない気がします。ここで唐突に前提を追加しますが、僕は営業屋としての採用、新入りさんは事務屋としての採用です。「私の仕事だ」という気持ちが発生するのはある程度仕方ないことだと思います。

仕方ないですよね。これで新入りさんを詰めるなんてのは最低の職場だと思いますし。

 

 救いのある話と今後の課題

そういうわけで、課長と一緒にヴァーして仕事を片付けて帰宅したわけですが。ヒートアップしていた課長も手を動かしているうちに興奮が抜けて予定通り

「すまん、完全に言い過ぎた。そもそも俺の指示が悪いなこれ」

「新入りさん、借金玉より年上だしな。途中で見せてみろとは言い難いよな」

などのモードに入り、大団円を迎えました。

「いえ、私が途中できちんと確認していれば防げた話ですし、今日をきちんと反省にして以後気をつけます」

「課長、商談お疲れ様でした。上手くいったようで本当におめでとうございます」

みたいな感じで上手くエンディングに持っていくことに成功し、無事残業代も出ました。大変救いのある話ですね。課長は割と沸点が低いですが、その後シューっと反省するタイプの人です。日頃から円満な関係を作っている努力が出た日になったと思います。「謝罪を受け容れるぞ?謝るなら今がチャンスだぞ?」という暖かい気持ちを全身で表現した甲斐がありましたね。

尚、これは経験上ですが「謝罪を受け容れるポーズ」は往々にして「自分が悪いと反省して振舞うこと」です。人間は通常「俺は悪くねぇ」という態度の人間に、「ごめん俺が悪かった」と謝罪することは出来ません。この辺は人を見て振舞う必要もあるんですが(絶対に自分が正しいと思い込み続ける人、謝ったからにはこいつが悪いと充足する人などもいます)新卒など組織の新入りであるうちは、2割くらい自分が悪い要素もあるなと感じたらとりあえず、その2割について詫びるのが最善手だと思います。

さて、そういうわけでやっと「就労日誌」らしいエントリになったわけですが、最後に課題が残りました。課長に「新入りさんに間違ってたから今後気をつけて欲しいと伝えてくれ、俺はイヤだ」というタスクをブン投げられたからです。

やはり定型発達者は最悪ですね。殺っていきましょう。