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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

明日役立つブラック企業類型ガイド

ブラック企業にも色々ある

世の中にブラック企業はわりといっぱい存在し、いざ仕事を選ぶ段になると「コンプライアンス完璧」「労働法規は100%遵守」「パワハラ皆無」といった職場なんてほとんど無いのでは?という気持ちになります。たぶんその通りだと思います。じゃあ、ブラック企業が大体皆同じような存在か?と言われれば、それはまた違う。「幸福な人間は大体みんな似たようなもんだが、不幸な人間はめっちゃヴァリエーションある」みたいな話を誰かがしてましたが(誰だったっけ?)、ブラック企業も実に色々あるわけです。

「いちばんマシなブラック」を選ぶしかない局面というのは人生にわりと起こります。自分の適性をよく見極めたうえで適切に選ぶのがコツですね。

ブラック企業選びの軸には「完成度」と「儲かっているか」の二軸を採用します。

 

A 完成度が高く儲かっているブラック企業

わりと企業としては強いブラック企業になります。儲けのシステムがしっかり仕上がっている会社ですね。規模は概してデカく(このタイプの企業はスケールがある程度ないと成立しない)、経営者は結構いい暮らしをしています。「軍隊みたいな理不尽研修」「謎の社内ルール強制」「妙に高い給料」とかそういうのが特徴になりますね。お金があるからシステムを構築することが出来るパターンです。

こういう会社は、たいてい人間をいっぱい採用して過半数が短期間で退職していくというのを前提にシステムを構築しています。僕が知る限りですが、とにかく人間を「君ならやれる、君はすごい。是非弊社に!」と引きずり込む採用担当と、甘い夢を見て入社してきた新入りをとにかくシバキ上げてスキミングする教育担当に完全に役割が二分化されていることが多いです。

僕が知っている某社(現存)は、採用担当は「何人引きずりこめるか」のノルマを課されており、教育担当は「何人研修中に退職させられるか」のノルマを課されていました。すごいですね。この会社の幹部と友人だった時期があるんですが(酒席で殴りあいに発展して縁が切れた)「使えるバカを選別するシステム」と言ってました。こんなブログを将来書くことがわかっていたら、社会性をきちんと発揮して縁を維持しておくべきでしたね…。ちなみに僕は柔道2段ですが、彼も某武道モリモリ系大学で剣道をやっていたそうです。武道が人格を滋養しないという事実がよくわかりますね。

で、このヘルカンパニーの話をもう少しするんですが、この会社は結構よく出来ていて、新入りをまず2週間ほど泊り込みの研修にブチ込みます。その間とにかく理不尽を浴びせまくり、どんどん辞めていくに任せます。もちろん携帯電話などの外界と連絡できる手段は没収になります(途中で帰るのは完全自由、ただしその場合は帰りの交通費は自腹というシステムと聞きました)。

この研修を越えた新兵には次の試練が襲い掛かります。果てしなく続く「誰でも出来る仕事」で競い合う時間です。あんまり具体的に書くと訴状が飛んでくる可能性があるので控えますが、まぁとにかくそういう仕事を果てしなくやらされるわけです。この会社とは別の会社の例ですが、「町中の賃貸アパートを観察して空き室率が一定割合を越えるアパートを見つけて報告する」とかですね。

これがまた中々のものなのです。効率よくノルマを達成した人間はひたすら賞賛され、成績の悪い人間は朝礼などでボッコボコにされる。もちろん成績の悪い人間は退職していくことが前提になっています(というか残られると困る)。すると、ゲームに適応し結果を出す人間だけが最終的に残っていきます。彼らがブラック選別に耐えたブラックサバイバーたちです。ブラックという大釜で煮詰めに煮詰めて最後に抽出される一滴(3%を切ると思います)。大変有能な皆さんです。

企業経営者、それも学歴や金集め能力などを持たないタイプはこの手の選別を生き残った人間がそれなりの比率存在します。叩き上げタイプの社長ですね。彼らが世界に種としてバラまかれ、また新たなブラック企業が生まれます。これがブラック円環の理です。

実はこのタイプの企業は選択肢としては「ベストではないけれどありえる」可能性があります。少なくとも給料は貰えるし、生き残り方針が比較的定めやすい。一回勝ちサイドに回ればモリモリ承認を投与してくれるので、「うっかり勝ち残った発達障害者」が多数生息しているエリアでもあります。また、この手の企業で一回泳ぐと生存スキルが一気に高まりますので、「いつでも逃走する心構え」を前提に、僕はこの手の企業に入ることを全否定はしません。彼らは基本的に去る者を追わない(というかそんな時間はない)ので、逃げも打ちやすいです。社員がある日突然パーフェクトバックレなんて日常ですし。

 

B 完成度が高く儲かっていないブラック企業

最悪です。これだけは避けましょう。この手の企業は大体のところ、「かつてはブイブイ言わせていた時期があったが、時代の変化とともに収益構造が現実に即さなくなってきた。でも、ブイブイ言わせていた時の残滓でなんとなく生存はしている」タイプの会社です。大戦末期の日本軍みたいなもので、皆「なんとかしなきゃ」とは思ってるんですが、築き上げたシステムのガワが巨大過ぎて何をどうしていいかわからないという状態にあります。

この手の会社は「このサワヤカ青年が『アットホームな職場』『がんばればいっぱい金がもらえる』をやけに主張してる求人はどう考えてもダメだ。この端っこの方に常時出てる地味な求人が案外当たりなんじゃね?」などと考えた場合にツモることが多いと思います。そういうのは、求人にかけるカネはないけど常時人は不足している、という悲しい事実を示唆している場合が多いですね。

こういう会社はせっかく入ってくれた人間を逃すまいと基本的に考えてますし、経営陣は「なんでこんなに新人が定着しねえんだよ」と頭を抱えていることが多いです。ですから、明らかに選別にかけることを目的としたわかりやすい研修などは無いことが多いです。そんなところに投下する資金も無いわけですし。もちろん現場は終わっているので、ヌルいということでは全くありませんが。

この手の会社に新卒や新入社員として生き残る方法ですが、基本的に無いと思います。いや、あるかもしれないけど、だったらマッキンゼーとかボストンコンサルティングとか入った方がいいと思います。

こういう会社は、多くの場合部族としての悪習をゴリゴリに維持したまま滅びていきます。煮られるカエルだということは彼らもわかっているのですが、過去に染み付いた成功体験が変化を拒否し続けます。つまり、Aの会社に僅かにある美点を丸ごと全部失ったのがこの会社になります。

尚、この手の会社の部族の風習として残り続ける意味のわからないアレは、「昔は合理性があったが時代の変化とともに合理性が失われ、形式だけが残った」というものが多いです。最悪ですね。しかし、人間の組織に「それは合理性がないから改めよう。時代に合わせて変化しよう」と呼びかけても、まぁ大抵は無理です。(それが出来るからマッキンゼーとかはめっちゃ金もらえるわけですし)

わかりますね。金も未来の希望もないのに槍一本でライオンに挑まされ、しかも部族から逃げようと思ったら粘りつくような妨害工作を打ってくるのがこの手の会社です。最早、構成員は人間をやめています。個人の努力、プレイヤーとしての研鑽をどれほど積もうと、「基本的な収益構造が終わっている」という点をひっくり返すのはほぼ不可能です。諸星大二郎みたいな世界観ですね。

「ウチやんけ」と思った皆さん、逃げましょう。そこで一定期間戦った皆さんは基本スキルがそれなりに向上していると思います。熱湯でバタフライした経験を生かして次の職場で頑張りましょう。大丈夫、そこよりはヌルい。

 

C 完成度が低く儲かっているブラック企業

はい。来ましたね。これは希望です。要するに「いっぱい人間を採用して、いっぱいすり潰していく工程そのものが収益を生む」というブラック黄金律の開発がまだ完了していない会社です。スケールは比較的小さい場合が多いですが、稀に人員が三桁規模になってもこの状態ということもあります。(経営が傾いて基幹人材が逃亡した瞬間に全てが終わるという点については目を瞑ってください。そういうものです)

この手の会社ですが、経営陣に異能持ちが複数存在しているパターンが多いと思います。とにかく仕事をいっぱい持ってくる営業スキルの化身みたいな経営陣が存在している会社などはこの状態になりやすい気がします。

とにかく、こういう会社は「個人の異能」をベースに全てが回っています。この状態をシステムに落とし込むことが出来ればホワイト企業に到達する可能性があるわけですね。でも、現在はまだそのような状態ではありません。

また、「とにかく金だ、まず金だ、数字を上げる奴が正義だ」という風習がゴリっと一本軸になっています。当たり前ですね、儲かっているとはいえ企業としてのシステムが完成していないわけですから。創業期からのベンチャースピリットが色濃く残っています。重要なのは合理性と戦略的妥当性だ、細かいことは気にするな(というか気にしている暇も人員もない)という文化の場合が多いです。というか、そうじゃなきゃ生き残れないですし。利益に直結しない風習なんてやってるヒマないんですよ。言うまでもないことですが、結果を出せばガンガン出世します。「え?じゃあ辞める」と言った瞬間に肩書きと給与が2ステップくらい上がるのは普通でしょう。

こういう会社は楽しいです。飲み会の作法なんてほぼほぼ無いことが多いと思います。「時間出来たな!飲みに行くぞウォー!」みたいな世界観です。利益という絶対正義に価値観を統合した合理的な野蛮人の群れですので、毎日が文化祭前日という趣があります。この部族の風習が脳に馴染むと長時間労働はさして苦にはなりません。金は貰えますし、仕事の裁量も大きく細かいことも言われない。そんな暇はありませんからね。このタイプの物質を脳の中に出すのが人生の主目的になっている人もわりといます。

さて、ここまで良いことばかり言ってきましたが、もちろんこの手も会社もキッチリ「ブラック」です。労働時間は当然の如くクソ長いですし、労働法規?なにそれ?守ると利益出るの?という世界観です。「おしごとたのしい!」というシャブがキマった皆さんばかりですので。また、教育システムも基本的には存在しません。「え、仕事教えて欲しいの?他社行けば?」というノリです。

多分、僕のブログに「は?くだらない風習なんかやめちまえよ、利益になんねえだろ」という「無茶言うなよ」系のコメントをつけてる皆さんはこの手の会社でシャブがモリモリにキマった幸福な時間を過ごしている方々だと思います。大変良いと思います。

この手の会社で一山当てた発達障害者はわりといっぱいいます。ジョブズ系の成功譚ですね。勢いのある皆さんは挑むのもいいと思います。この手の会社に突入した場合、僕のブログの話は部分的にしか使えないと思います。(とはいえ、仕事を学ぶには自分の先輩にすり寄って盗むしかないなどの事情もあるので、使う必要はあるとは思う)

 

D 完成度が低く儲かっていないブラック企業

ギャンブル枠です。大体は数人規模のスタートアップ企業か、多くて十数人規模の会社でしょう。この手の企業には圧倒的な美点があります。仕事をある程度モリモリこなしていると、「あ?文句あるなら俺辞めるけど?いいの?口の利き方がおかしいんじゃない?」「株寄越せよ。さもなきゃ辞める」などの経営者恫喝が極めてやりやすいという点です。

というか、この手の企業に入るなら上記の二つは絶対に持っておくべき考え方で、これがないと普通に使い捨てられて終わります。収益の基本システムは持っていない、それどころか日々生き残るための商いを探し続けている、砂漠をさまよう遭難者のような企業ですが、逆に言えばポジション争奪戦に勝つのがとても楽です。

これは経営していて痛切に感じた点なのですが、「基幹人材が抜ける」というのはとんでもない痛手です。下手すると、会社の収益システムや経営ビジョンが丸ごと吹き飛びます。それくらい創業初期というのは業務の属人性が高いのです。わかりますね?妖怪「株くれ」が跳梁跋扈しています。生き残るために自分の唯一の希望である創業者利益をゴリゴリ譲っていった社長さん割といるんじゃないですか。オイ、目ェ背けるな。会社はわりと上手くいった。バイアウトも成功した。あれ?手元にこれっぽっち?という話はあるよな。

また、「部族の風習」ですが、薄いことが多いです。これはCのパターンと同じですが、そんなことやってる暇ないですから。資金繰りの金をくわえて帰って来る鳥が優れた鳥です。人格や振る舞いにどれほど大きな問題があったとしても、重用する以外の選択肢はありません。

わかりますね?

最近「起業」が割りと流行ってますが、「元手無いなら無理して自分で興さず、他人の作った会社に侵入してジャックしちゃえばいいのになぁ」と僕はよく思います。興した人が偉いわけじゃないですし、そもそも社長が異能を持っておらず経営にも貢献していないなら、会社の経営者としての立場はどんどん弱くなります。創業資金を丸ごと自分で用立てたなら話は別ですが、出資者から引っ張っている場合「こいつ冷静に考えるといらなくね?」でポイされることも多いです。

経営者が従業員より強いというのは単なる誤解です。この手の会社に入って経営と収益の軸になるポジションを奪取してしまえば、普通に従業員の方が経営者より強いです。従業員を解雇するよりは代表取締役を解雇するほうがよっぽど簡単ですし(株主目線)。あとはあなたのやりたいように経営をやればいいのです。

起業したい!と思っている皆さんは、自分で資金引っ張って起業する前に従業員数人くらいのスタートアップに1回もぐりこんでみることを薦めますね。空気感が掴めますし、そこでうまいことイニシアチブを握れたなら、妖怪株くれになればいいですし。めんどくさくなったら辞めればいいし。オススメです。「俺が辞めた結果会社が終わった」みたいな愉快な体験ができるかもしれませんよ。

 

C>A≒D>B

という結論になります。まぁ、どの会社も基本的には労働時間は長いですし、順法精神は皆無だと思いますが、それでも、とにかく何の希望もないくせにデメリットだけは山盛りのBを必死に避けろというのが今日のエントリの結論です。

しかし、現実的にどのタイプのブラック企業が多いかといえば、圧倒的にBです。全く儲かっていないし資金繰りはキツいが、ガワだけはデカく企業として存続してきた年月が長いので融資などもそこそこ受けられる。潰れたら困るので銀行もわりと金を貸します。しかし、中身は完全に腐敗していますので最早滅びる時を待つ死に掛けた象です。

この手の会社は企業としてのネームバリューをそこそこ持っていますので、「とにかくちょっとでも良い会社」みたいな曖昧な方針で職を探すと圧倒的にぶつかりやすいです。しかし、内部的にはベンチャー企業と大手企業の悪いところが集約されておりますので、大変に地獄です。「新卒からこの会社一本」みたいな会社と自我が癒着した妖怪が多数生息しており、終わっていきます。

本気で避けろ。「弊社は創業~年」みたいなところをゴリ押ししてくるあれはやめろ。本当にやめとけ。朝の会社の前と周囲の掃除などを誇らしげに語り始めたら即帰宅していい。何のメリットもない。

 

Aタイプの企業で生き残る方法

ぶっちゃけ、Cって普通に入れなくね?というご意見はあると思います。確かに、ベンチャーホッピングをしているタイプの皆さんは選択的にCに飛び込みますし、割と狭い門にはなりがちです。起業するほどの勢いはないが、それでも一発当てることを夢見てこの手の会社を探し続けている人類はわりといます。とはいえ、採用スキームすらない会社なので紛れ込む難度は大手優良企業に比べればクソ低いんですけどね。

そういうわけで、現実的な選択肢になりがちなAで生き残る方針をちょっと書いておきます。長期間そこで働くというのはあまり現実的ではない場合も多いですが、上手いこと幹部になれれば美味しいですし(良心をドブに捨てる必要はありますが)。社会適応訓練としてはわりと有意義です。

まずこの手の会社ですが、敵は弱いです。大手優良企業で同期と競い合うのに比べれば、この手の会社にいっぱいいる人類はそれほど手ごわくありません。当たり前ですね。だって、基本的には「なんでもいいからとにかく採用してふるいにかける」という方針なんですから。ですから、仮に5年生存率が3%としてもそんなに恐れることではないんですよ。敵は有象無象です。

しかし、部族としての完成度はかなりのものなので、適応する必要はあります。誰よりもデカい声を張り上げ、大きく頭を下げる必要はあります。基本的な生存メソッドはこのブログに書いてある内容をゴリゴリやれば足りると思うんですが、敵は順法精神のカケラもない会社ですので、こちらも狂気を含んだ対応をしていく必要があります。

まず、一番重要なのは「勝ち筋を掴めなかったら即逃げ」という方針です。だって、しがみつくメリット無いじゃないですか。Aタイプのブラック企業なんて無限にあるんですから、ここの会社で得た知見を持って別の会社に移って強くてニューゲームすればいいだけの話です。さっさと逃げましょう。基本的に辞めるのは(多少おっかないこと言われるかもしれないけど)簡単なので、最後は思いっきり迷惑をかけて後足で全力で砂をかけて逃げればいいと思います。

この手の会社に勤めていて「告発したい」という向きがある皆さんはすぐに連絡ください。全力で協力します。

後は、「順応するぞウォー」という狂気を含んだ愚直さと、「勝てないと踏んだら即逃げ」「基本的にこいつらはクソ部族だから人間と思っていない」「使える反則技は全部使う。バレたら辞めればいいだけのこと」などの理性的な判断を両立させるマインドセットが重要だと思います。洗脳されたら終わりですからね。誰よりも愚直に動きながら、誰より冷徹に周囲を見渡す理性は結構両立します。それが出来るとかなり楽になります。クッソどうでもいい会社だという点はかなりメリットです。

僕は昔、飛び込み営業で浄水器を売るゴミみたいな会社の構成員だったことがありますが、あれは良い経験でした。老人が██████████████████団地で、試薬を██████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████などの戦術でわりといい営業成績を上げていました。この手のクソブラックゴミ集団は一回勝ち筋に乗ると楽しいです。朝礼で全員からクソデカい声で賞賛されながら拍手喝采を浴びるのはクセになる快感です。おまけに、その浄水器には定価という概念が存在せず、上乗せした██████████████████████████████████████████でした。すごいですね。もうやらないです。許してください。一生懸命ブログ書きます。当時の僕は進学資金を貯める必要があったんだ。若かったし何も持ってなかったんだ。今も何も持ってないけどさ。

そういうわけで、皆さんやっていきましょう。
とにかく、Bタイプの会社には入るな。僕が言いたいのはそれだけです。