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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

残念な新卒のための生存手引書(実践編応用2 雑談、飲み会、コミュニケーション)

発達障害ライフハック・仕事

コミュ障過ぎて先輩と話が全く合いません

梅毒増殖中さんからのお便りです。名前に勢いがあり過ぎるのはともかく、僕もこれは悩みました。僕は結構喋るタチなんですが、会話の盛り上げに失敗して気まずい沈黙がずっと続くあれは大変辛いものですし、当然ながら芳しい評価につながることはまずありません。職場の先輩などは結構長い時間一緒に過ごす存在ですからストレスもどんどん溜まっていきます。大変辛い。逆に言えば、上司や先輩に「コイツと喋るのめっちゃ楽しいな」と思わせておけばかなりのメリットが見込めるわけです。是非とも抑えておきたいポイントです。なんならこの能力だけで1~2年は生き残れたりします。極めていくと単体でメシが食える技術ですので大変奥深いものがありますが、基本を抑えてコミュニケーションの方向性を切り替えるだけで結構利益が見込める技術だったりもします。わりと即効で効果が出ることもありますし。

今日はそういう内容を書いていこうと思います。

尚、応用編に入ってからの本ブログの内容はわりと難度がハネ上がってます。「定型発達者でも難しいだろこんなん」という話はその通りです。しかし、頭の隅に入れておいて損をする話でもないと思います。完璧にやり遂げようとは思わず、なんとなーく意識してみるなどの距離感が適正だと思います。

コミュニケーションは喋らせるゲーム

 まず、前提です。「良いコミュニケーション」とは「楽しく喋れる」ことではないということです。いや、正確に言えばこれは定義の問題ですので「自分が気持ちよく喋れるのが良いコミュニケーション」という定義もアリです。しかし、新卒の皆さんは自分が気持ちよく喋れればそれでいいという意識でコミュニケーションを捉えるのは不可能でしょう。この場合、コミュニケーションの目的はそれを行うことによって利益を得るということになります。

要するに、上司や先輩と「良好なコミュニケーションをすることで得をする」ということですね。「うまいこと気に入られて得をする」に読み替えてもいいです。この結果を狙う場合、「当意即妙な受け答え」とか「示唆に富む発言」とかそういうのは必要ありません。むしろなるべくやらない方がいいです。必要なのは相手に対して「こいつは俺の話を真面目に聞いて敬意を持っている」と感じさせることだけです。

というのもですね、これは前に書いた「ガン詰め」エントリと同じ概念なのですが、人間というのは基本的に承認欲求の塊です。何かを喋った結果誰かに認められて承認されるというのは凄まじい快感です。あなたの上司や先輩も例外ではありません。

人間が複数人でそれぞれ喋りたいことを喋った結果全員が楽しいというのは、ある種の奇跡です。ある時代、ある場所で、ある条件が揃ったとき起きる美しい奇跡です。狙ってやれることではありません。しかし、人間はついこの状態を目指して喋ってしまう悪癖があります。また、喋ることによって得られる承認は麻薬のように脳を麻痺させるので、ついつい人間は「自分の喋りたいことを喋って」しまいます。

わかってきましたね。要するに、欲しいものを与えてやればいいのです。人間は基本的にチンパンジーとあんまり変わらないので、ボタンを押したら飴玉が出てくるマシーンを連打してしまう機能があります。僕が無限にツイッターで喋り続けているのを見たらわかりますよね。この状態に相手をネジ込めばコミュニケーションは勝ちなのです。

 

今日は楽しく喋ったなぁ、は負けフラグ

たとえば、あなたはある会社の新卒で、今日は新人歓迎会でした。ジャンジャン酒を注がれ「君には期待している」「会社に新しい風を吹き込んでくれ」「組織に染まるなよ!」などの嬉しい言葉をグイングイン注入され、あなたは大変気持ちよく喋りまくり、ほろ酔い気分で帰途につきました。「楽しかった、明日から頑張ろう、自分らしさを出して行こう」などの気持ちが湧き上がってくると思います。これが典型的な負けフラグです。結構な確率で悲惨な未来が待っていると思います。

これは経営者になって気づいたのですが、大抵の経営者は、同じ経営者として接する限りにおいて、腰が異常に低いです。(例外もいますがこれは後で詳しく語ります)喫茶店で打ち合わせをした後は基本的に領収書ビーチフラッグが開催され、とにかく金を払いたがります。漫画や小説に出てくるような傲然とふんぞり返った悪い経営者なんてほとんど存在しません。(たまにいますが、後述)僕のようなポッと出の若手経営者でも金の匂いをさせている限りは、かなり大物の経営者を相手どっても「君はすごい、応援している、私なんかただのショボいおっさんだ君には到底敵わないよ」という姿勢で遇されることが多かったです。これが調子に乗った若手を粉砕する社会のミキサーです。

ニュアンスは伝わりましたでしょうか。

もう少し経営者の話を続けましょう。経営者というのは、基本的に常時殺し合いをしているタイプの部族です。もちろん協力関係を形成することもありますが、基本的に行動のベクトルは「利益」に固定されています。要するに、合法の範囲であれば人間をハメたり背中から刺したりすることも日常の範囲であり業務の一部なのです。彼らがその殺し合いの中で長い時間をかけて最適化していったコミュニケーションスタイルがこれです。落とし穴に落とされず、背中を他人に見せず、殺されずに殺すためのスタイルです。

剥き出しの人間の闘争が結果としてこのようなコミュニケーションスタイルを生むというのは大変不思議なことですが、大体起業して2年もたって適当にボッコボコにされて何回か修羅場を抜けると、傲慢だった若手もかなりの割合がこのスタイルに落ち着いていることが多いです。さもなければ死にます。(死ぬ方が多いです)彼らはお中元やお歳暮を決して忘れず、機会さえあれば他人への感謝と敬意を口に出し、他人を諸手を上げて賞賛します。そして、適当なタイミングで見事に背後から殺してのけます。

ニュアンスは伝わりましたでしょうか。

彼らは決して「自分が気持ちよく喋る」ことに注力しません。相手を気持ちよく喋らせ、海底の砂の中に住むグロテスクな魚みたいに機会を伺います。自分より強い存在を丸ごと食うためです。これは捕食者の作法です。彼らはひたすら相手を「気持ちよく喋らせる」ことに注力します。そしてコミュニケーションのイニシアチブを確保します。相手に「喋りたい」という感情を持たせることで支配するのです。コミュニケーションにおいて強者であるためには、捕食者の作法を身につけることが重要です。

逆に、自分が気持ちよく喋ってしまった場合は「負けた」と認識してください。あなたは踊らされたのです。

喋らせる技術

さて、実際にやるにはどうすればいいのか。一番シンプルな方法は、相手を尊敬することです。心の底から何の曇りもない敬意を相手に対して持つのが一番簡単です。しかし、好意を持っていない相手にそれを行うのは難しいでしょう。しかし演じてください。演じる努力をしてください。人間というのは大変面白い機能を脳に搭載していて、本気で演じれば段々本音と建前の境目が不明瞭になってきます。しかし、不思議なことに「こいつを殺せば儲かる」という段になると、スパっと演技の衣を脱ぎ捨てることが出来ます。演技に没頭してください。数をこなせば次第にできるようになっていきます。

まず、あなたが取り入るべき相手の「すごいところ」を探してください。あなたがド新人のペーペーならすぐに見つかるはずです。見つからないのは観察が足りないからです。組織で一定の期間生き延びて来た人間である、という点一つをとっても敬意に値するはずです。もしあなたがその人間に対して「殺したい」という感情を抱いていたとしても、尊敬すべき美点を必死に探してください。「殺す」という目的意識を前提にしても、それが一番手っ取り早い行動です。

人間を知りましょう。知る努力をしましょう。敬意を持って話を聞きましょう。「面白い話をする」スキルより「他人の話を面白く聞ける」スキルの方がずっと人生に於いて有益なんです。初手は、相手に個人情報をとにかく吐き出させることに注力するのがお勧めです。何を好み、何を嫌い、何に怒りを覚える人間なのかを知らないことには対策も立てようがありません。

話を聞いて貰うというのはものすごい快感です。たいていの人間はこの欲望を拭い去ることはまず出来ません。これはサイコパス野郎であろうがなんだろうがそうです。「一杯行こうや」と上司や先輩に言われた時点で相手は欲望を曝け出してるに等しいのです。人間というのは常に自分が気持ちよく喋れる相手を探しています。人生の大半をこの作業に費やす人間だって珍しくありません。上手に踊る人間より上手に踊らせる人間を目指してください。

 

話題を合わせる

これは大変重要な作法です。というのも、人間というのは「喋りたい話題」を抱えている生き物です。同じ話題で喋れる人間に親近感を持たない方が難しいです。しかし、この作法を完璧にこなすにはこの世の全ての知識に通じている必要があります。(昔、まだ僕が良い背広を着て誇らしい名刺を持っていた頃に連れていかれたクソ高いクラブのホステスさんは毎朝主要4紙に目を通すと言ってました。もちろん知識の幅を広げる努力それ自体は必要です)

では、相手が自分の知らない話題を振って来た時にどうすればいいか。簡単です。「その話題に興味を持つ」ことさえ出来ればクリア出来るんです。目をキラキラさせて自分の話を聞いてくれる人間を拒否するのは相当難しいことです。逆に、うろ覚えの知識で話題を合わせるなどは逆効果です。知ったかぶりは簡単に見抜かれます。(ただし、うろ覚えの知識を敢えて開陳して相手に突っ込みを入れさせ感服したポーズを見せるというポピュラーな技はあります)

他人の話というのは概してつまらないです。敬意を持てない相手の話なら尚更でしょう。しかし、面白く聞く努力をしてください。質問をしてください。ピントを外してもいいです。ズレた質問をしてもいいです。それはしょうがないです。質問のピントが的を射ていることで評価を獲得するなどという高等テクはもう少しレベルを上げてからでいい。ド新人が目指すべきはそれではない。まずは「気持ちよく喋れる相手」と認識されてください。これさえ確保すれば仕事を教わるのが非常に楽になります。

ある程度、上司や先輩と話題を合わせるために時間とコストを投下するのも実は効果があります。クソデキ新卒をよく観察してみてください。「あのラーメン屋がうまい」と言われれば彼らは音速で食いに行きますし、「あのミュージシャンが良い」という話を聞けば速攻でyoutubeに走ります。これはデキる人間は多かれ少なかれ大体やってます。そして、投下したコストは結構見合います。コストとリターンのバランスを気にしながらやってみてください。

しかし、繰り返しになりますがそれをやるためにはまず相手を知る必要があります。まずは、敬意と興味を持って相手に個人情報を吐き出させてください。これさえ出来れば勝ったようなもんです。逆に、人間にコントロールされることを恐れているタイプの抑制と警戒心の強い人間はこの時点でブレーキをかけてきます。しかし、ド新人の新卒というのはどうあがいても「ナメられる」存在です。こういう相手に抑制を効かせるのは存外難しい。どんどん喋らせましょう。コミュニケーションのイニシアチブを握りましょう。「喋りたい」という気持ちを相手に起こさせた時点であなたの勝ちです。逆に「僕の話なんかつまらないよ、君の話は面白いからどんどん話してくれ」という上司や先輩に遭遇した場合は警戒心をMAXまで引き上げてください。そいつはクソ怖いです。

 

例外の話

ここまで僕のコミュニケーションの話は「相手の喋りたい、承認されたいという欲求を上手く刺激して言語外でコミュニケーションのイニシアチブを握る」という方向に特化してきました。しかし、これと全く逆の方向性でコミュニケーションを支配する技術も実はあります。(新卒という立場ではまず実行出来ませんが)

要するに教祖型ですね。ガンガン喋って相手を感服させるスタイルです。僕が今このブログでやっていることもこれに近いと思います。ある種の発達障害を持つ人間にはこれが異常に得意な人間も多いと思います。少なくとも「自分が喋ると気づいたら独演会になっているか、完全に話題からはぐれて無言で酒を啜ってるしかない」という症状を持っている皆さんは結構多いと思います。

これはコミュニケーションの方向性を間違わせる危険な能力です。僕も「良いコミュニケーションとは、人間が僕の話題に感服してくれている状態」という誤解を結構長い間有していました。最悪ですね。こんなん新卒で来たら殺すしかない。

しかし稀に、この能力をフルバーストさせて社会を駆け上がっていくモンスターが存在します。(僕は駆け上がろうとして叩き落されました)経営者界隈にもたまにいます。「傲然とふんぞり返った悪い経営者」のイメージは彼らによるものでしょう。彼らのコミュニケーションスタイルですが、基本的には絶対に真似しないでください。「カリスマ」「異端者」などの称号は格好いいですし、「ああなりたい」と思わせるだけの圧倒的な魅力を彼らは有していますが、あれは特殊技能です。努力で習得出来るものでは通常ありません。(そもそも彼ら自体がカリスマを演じているのは外面だけで、社交の席ではペコペコしているなどもよくあります)

しかし、彼らは自己顕示欲が非常に強いので本などをよく書きます。新卒を致死的な罠に誘導するウィルオウィスプです。あなたが誰にも真似できない特殊技能を有している場合などには良い可能性もありますが、基本的には絶対にあっちに進んだらだめです。死にます。僕を見たらわかるだろ?見事に死んだぞ?

あなたがこの方向で突き進みたいというなら、僕は止めはしません。僕みたいな敗残者の言葉などどうせ耳に入らないだろうし、あなたが見事に勝利を射止める可能性だってゼロじゃない。心から応援してる。でも、「自分は圧倒的に優れた人間ではない」という確信がある皆さんはこの方向性はよした方がいいです。「友人は多くないが、たまに自分を圧倒的に信頼する信者が発生する」という皆さん、結構いると思います。あなたの教祖特性が本当に社会に通じるのか、じっくり検討してみてください。

まぁ、これで勝てるなら勝ったらいいと思うし応援してる。どうせ止めても止まんねーし。そういう皆さんは僕を全力であざ笑ってると思うけど、それはそれでいい。あなたが勝利を収めることを僕は祈ってるし、負けた時はいつでも戻ってきてください。死なないでね。死んだらダメだよ。

 

かといって常にこれやってたら人生がアレになる

はい。まぁ、そういう内容だったわけですが、僕が常にコレをやってるかというとそうでもないです。だって、私生活でまで自分を出さずに相手の背後を取ること考えてたら辛いじゃないですか。利益を狙いに行くシーンでは利益を狙い、そうでないシーンでは気持ちよく喋る。この切り替えが大事だと思います。

人間がお互いに喋りたい話題を喋った結果、二人とも楽しいという奇跡。僕はあれが大好きです。素晴らしいことだと思います。(もちろん、人間が本当に楽しんでいるかなんて知りようがないんですから僕の幻想の場合も多々あると思うんですが)それが出来る間柄の人間を持てるか持てないかは、人生の価値を大きく左右する一大事だと思います。

まぁ、あとですね。ささやかながら僕の財産としてポケットに残ったおしゃべりクソ野郎属性、まぁ教祖特性とか適当に名前つけましたけど。これを発動させた方が得をする可能性があるシーンも無くはない。一発狙いに行くシーンですね。具体的に言うと、カドカワさんから書籍化の話が来た時とか、それに伴ってブログを書いてる時とかね。ありのままの自分を出して愛される!これより素晴らしいことはない!僕を愛せ!ブログにアクセスしろ!その上で印税も発生させてくれ!幸せにしてくれ!出資者に金を返したいんだ!

まー、深夜にダーっと書くことの多いブログやツイッターで自分を殺しきるなんて不可能に近いですからね。要するにコミュニケーションの方向性の使い分けなんですよ。そういうわけで、私生活でまでコレやるのは本当にオススメしないです。ありのままの自分を出して楽しんでもらえる間柄の人間を作る方が大事です。何も考えずに喋りたいことを喋りまくって、相手も同じように振舞って、二人とも楽しくて仕方ない。涙が出るほど素晴らしい時間じゃないですか。そういう時間がかつて僕にもあったことを思い出して涙が出てきた。僕が今日書いたようなスキルを用いて何百人上っ面の友人作ろうと、たった一人のこの相手に勝るもんじゃ絶対にないですよ。

しかし、金と社会的地位を確保しにいく職場でのコミュニケーションはそういうものではないです。(職場でありのままの自分でいられて金も地位も得られるならそれは最高の職場ですので極めつけの幸運ですが)しっかりと相手の背後を取り、支配することを狙ってください。

やっていきましょう。