発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

皆さんが就職活動に失敗する理由。茶番とマインドセット。

ところで、就職活動って茶番じゃないですか

あの、いきなりやる気を削ぐようなことを言って申し訳ないんですけど、就職活動ってくだらないですよね。筆記はまぁテストだからある程度尺度としての妥当性が担保されてると言えなくもないにせよ、エントリーシートと面接、こんなので業務遂行の能力が測れると思いますか。断言しますけど、測れませんよ。計10時間近く面接して僕を採用した某企業が存在するのがその証です。あれで測れるのは「クソ茶番を演じる能力」であって、個人の業務適性や才覚なんてものは1ミリも計測出来ません。

新卒一括の就職採用がクソか、クソ以外の何かかと言われたらクソ以下の何かだと僕も思いますよ。本当にくだらない。どうしようもない部族の風習だと思います。細かくクソな点を挙げていくとあっというまにこのブログが埋め尽くされるのでこの辺にしときますが。クソがクソである理由を並べるのはあまり心地の良い作業ではないですからね。色や形や匂いについて描写するのは流石の僕も嫌です。

そういうわけで、このブログを読んでいる皆さんの認識も大体そんなもんだと思います。皆さんは世の営為から茶番を嗅ぎつける能力がとても高いので、この認識についてはすり合わせが要らないでしょう。100%同意します。これが大前提です。

ところで話は変わりますが、皆さん「面接の練習」行きましたか?なんとなーく大学のどっかでやってるらしいという噂は耳にしたけれど、行ってないし行く気もない皆さんが大多数だと思います。このブログを読んでる皆さんですもんね。そんな茶番オブ茶番に参加する気にはならないですよね。わかります。僕もそうでした。筆記はね、まぁペーパーテストだから「対策くらいするか」って気持ちになった人が多いと思うんですけど、「面接の練習」って言われたら嫌悪感が半端じゃないですよね。僕、次は「面接のコツ」とか書こうと思うんですけど、このエントリを挟まなかったらブクマでボロクソに叩かれたと予想するんですがいかがでしょう?

その理由を挙げましょうか。「面接の練習」ってのが気に入らないんですよね。だって、面接ってのは企業と学生がそれぞれの特性がフィットするか測り合う場として機能するのが妥当じゃないですか。練習が要るってことはある種の技能を高めるってことですよね。それって企業が採用したいのは「上手に面接が出来る奴」「茶番を上手に演じられる奴」って話になりますよね。そんなモンに参加したいかと言われたら誰だってNOですよ。馬鹿馬鹿しい。絶対にやる気にならないね。

以上の理由で皆さんは就職活動に失敗します。

 

茶番センサー

「要するに面接の練習に行けって話?」と思われたかもしれませんが、もうちょっと内容があるんです。というのも、これは皆さんの中にバリバリの高感度で搭載されている茶番センサーについての話なんですよ。

皆さんは世の中の様々な営為を眺めたとき、「これは茶番だ」と認識する能力がとても高いのではないかと推察します。実際、人間がなんか必死でやってるのを見て「くっだらねえなぁ」と思うことが非常に多いのではないですか?少なくとも僕はそうです。アルバイトで単純な仕事をしたとき、街頭で募金を求める人を見かけた時、政治的な意見を掲げてデモをする人々を見かけた時、皆さんの中を通り過ぎるあの冷笑的な感情は否定できないでしょう。リクルートスーツを着た新卒の群れを眺めてこの感情が起きない人間が僕のブログを読んでいるとは思えません。

目の前に越えなければならない壁が立ちふさがった時、僕が一番最初に考えることは「これくだらなくね?」です。就職活動も正にそうでした。こんなことに本気出すなんて冗談じゃない、という気持ちが最初にやってきました。だから、僕が就職活動に本格的に動き出したのは4月の終わりごろだったと思います。結果が出始めるにはそこから更に2ヶ月を要しました。(最終的には内定コレクターと化し、9月まで内定集めに没頭しました。これは余談ですが、夏以降の採用にもかなり美味しい求人はあります。諦めるな)

そういうわけで、皆さんは就職活動を茶番だと考えていると思いますし、その認識に関しては僕も同意するという話なんですね。皆さんの茶番センサーは今日も元気に稼動している。繰り返しますが、皆さんを失敗させるのはこいつです。これが皆さんが自主的に背負い込んだハンデの正体です。

 

ところで皆さん、今すぐ本気で大声を出せますか?

ところで皆さん、「今すぐ全身全霊の大声を張り上げてください」って言われて100%の声を出せますか?体育会系部活の経験者の皆さんくらいですよね「余裕」って感じなの。たいていの人は無意識のリミッターがかかっており、何度か練習しない限り、あらん限りの声を振り絞るという行為さえ出来ないと思います。

カラオケで合いの手をデカい声で入れることが出来ない、皆が盛り上がって手を振り上げているときに自分だけ全く動けない。そういう経験はありませんか?これはこのブログの読者にはかなり多い傾向だと思います。僕自身もこの傾向はとても強く、いわゆる「ノリの悪い」人間です。

逆に、ガチの体育会系を経験した皆さんは完全に余裕でしょう。「声出し」は基本中の基本ですからね。曖昧な理由で意味の不明瞭な奇声を発することに関して皆さんはエキスパートだと思います。ブラック寄りのアルバイトを経験した皆さんもやってるかもしれませんね。

あれが茶番センサーを克服する訓練です。企業に於いて、体育会系が重用される理由も大体これです。部族の風習に順応する訓練なんですよ、あれ。無意味なことを全力でやらせる、結果として無意味なことに全力を出せるようになる。そういう話です。「大声を出す」というのは非常にシンプルかつ訓練の結果が出やすいので多くの場所で採用されているんです。ブラック企業などでも積極的に採用されています。餃子の王将の研修動画とか見てきてください。このエントリの内容そのままですよ。

逆に言えば、この程度の訓練をしないと人間は「これは茶番だ」と感じたことに全力を出せるようには出来てないんですよ。そして、このブログの読者の皆さんはこの手の部族の風習を避けて避けて避けまくってきたことだと思います。わかります。僕もそうです。「くっだらねぇ」と吐き捨てて逃げ回ってきました。

皆さんは就職活動を以ってめでたく部族の風習から逃げ切れなくなったわけです。おめでとうございます。どうしましょうね。茶番自体を回避しますか?それとも、茶番に全力を出しますか?どっちか選ぶしかないですよ。

 

どうして面接がやれると思ったんですか?

面接なんて嘘と演技だろ、茶番を演じる能力の査定だろ、と皆さんは思っていますよね。一切の反論の余地なくその通りです。ところで、何故皆さんは「嘘と演技」が自分にはやれると思ってるんですか?だって、本来の自己像とは違うものを演じるわけですよ。簡単なわけがないじゃないですか。上手くやれたらそれ単体でメシが食えるスキルですよね。「大声を張り上げる」という極めて簡単なことすら練習なしには出来ない皆さんが、そんな高度なことを練習なしで出来ると思いますか?(練習なしでは出来ないことがわかっていたなら面接の練習に行ってるはずですよね?なんで行かなかったんですか?)

出来ません。僕も出来ると思い込んでましたが、出来なかったです。「採用面接」というものに対する心理的拒否感を有したまま実戦に望んで良い結果を出すのはかなり難しいのです(素体スペックが相対的に高いとか特殊技能があるとかそういう人は別ですが)。面接のテクニックとかノックの回数とか受け答えのTIPSとかそういう以前の問題として、皆さんはまず茶番センサーのスイッチを切ることを覚えないと、かなり高い確率で就職活動に失敗します。

「これは茶番だ」と感じた時、我々は曖昧な理由で「だから簡単だ」と誤解してしまいます。半ば無意識に見下してしまうわけですね。でも、実際のところ「茶番」であることと「簡単」であることは同一ではありません。就職活動は確かに茶番ですが、億の単位で生涯年収が動く資本主義の戦場であることもまた事実です。そこで有限の数の椅子を奪い合うのが簡単なわけがないじゃないですか。

皆さんはここの部分の認識が甘いまま就職活動本番に突入するでしょう。そして、無残な敗北を繰り返すうちにある者は「全力の出し方」を覚え、ある者は全力を出せることすらないままに撤退するでしょう。「全力を出す」というのは簡単なことじゃないんですね。少なくとも、「本気で大声を張り上げる」よりは難しいことです。本気で茶番に興ずるにはそれなりのマインドセットが必要になります。

 

茶番センサーをオフにしましょう

就職活動においてはマインドセットをきちんとしないと、深甚なハンデ戦を強いられることになる、そういう概念は理解していただけたでしょうか。でも、皆さんに「駅前に立って六甲おろしを全力で歌え」とか言っても無理ですよね。僕も無理です(やったらかなり効果は見込めるとは思いますが。実際やってる会社ありますよね)。

生まれつき、「茶番に全力を出す」というのが得意なタイプの人間も存在します。定型発達力が高い皆さんですね。少なくとも、皆さんはそういうタイプではありません。だったらこんなブログ読んでるわけないですからね。しかし、この文章を読んで「納得した」って感覚が生まれた皆さんも、「初めて考える概念だ」って方は少ないでしょう。「言語化してなかったけど、うっすらわかってた。やっぱりやらなきゃダメなのかよ」って気持ちですよね。わかります。

ではどうするか。答えは簡単です。「いまさらこれが茶番だと言い切ることは出来ない」ってくらいまで金と労力を突っ込めばいいんですよ。人間には「引っ込みがつかなくなる」という面白い機能が搭載されてます。一定以上金と労力をブチこんだものに関しては、人間は思考の上では「茶番だ」と認識していても、これまでに突っ込んだものが惜し過ぎて引っ込みつかなくなるんですよ。

いませんか?そういう人。マルチ商法などにうっかりハマった皆さんが大体こういうマインドセットに突入していますよね。パチンコに5万突っ込んだら脳から汁がドバドバ出ますよね。あれを意図的に自分に起こせばいいんです。何事も、最初から全力を出すなんて不可能です。でも、ある程度まで金と労力を突っ込んでしまえば「全力を出さなきゃこれまでの全てが無駄になる、自己否定になってしまう」というあの力が宇宙から降り注ぎ、人間がウォーします。就職活動には「激アツ」「中段チェリー」「魚群」などに類似する存在もありますので、ウォー自体はしやすいです。大丈夫です、人間はパチンコにもマルチにもハマれます。就職活動にもハマれます。安心していいです。

ポイントは「金と労力」です。どっちか片一方ではダメです。「5万円分就職関係のハウツー本買って来い」、では資源を無駄にするだけです。ハウツー本を買い、面接の練習に行き、合同説明会に向かってください。はい、結局は面接の練習に行けという話だったわけですが、ご納得はいただけたのではないでしょうか。

皆さんの茶番センサーはとても強固です。これまで二十余年の月日をかけて構築された強力な思考の形質が一朝一夕で変わるわけがありません。「決意を改める」「心を入れ替える」などの行為は全て無駄です。やってもいいけど、今まで効果出たことなんてないでしょ。僕もないよ。

ジャブジャブ金と労力突っ込んでください。一定ラインを越えたら勝手に体が動き始めますから。「賭博者」は読みましたか?あのババアの状態まで自分を持っていくだけの作業です。大丈夫です。誰でも出来ます。歴史が立証しています。就職活動において、茶番センサーをどうしてもオフに出来ない皆さんに足りないのは、本気でも気合でも能力でもありません。投資です。思考は金と労力をブチこまないと変わりません。逆に言えば、それさえぶっこめば簡単に変わります。正確に言えば、「金」だけでもいいんですけどね、それなりにデカい金なら。でも、就職活動に引っ込みがつかないほど金を使うのも難しいですからね。

どうしても「労力」を突っ込む行動が出来ない皆さんですが、今すぐ僕に連絡をください。借金玉就職セミナーの受講料ですが、親御さんの年収の4割で結構です。効果は約束出来ます。

 

茶番センサーの切り方を覚えよう

ところで就職活動を「茶番だ」と認識する思考形態なんですが、とても大事なものだと思います。こういう思考ルーチンが全く無い人間もごく稀にはいますが、正直言って心踊る話相手ではないですよね。物事をメタ的に、構造的に、俯瞰的に見る目線は、「茶番に全力を出す」能力と同じかあるいはそれ以上に重要な能力だと思います。分析能力の萌芽そのものですからね。

茶番を茶番と認識する能力が一切ないとしたらそれはそれでマトモに人生を渡っていくのは難しいと思います。新興宗教やマルチなどにあっという間に吸い込まれるでしょうし。人生のディフェンスがゼロということになってしまいます。就職活動が茶番だと感じたことが一切ない皆さん(まさかいないとは思うが…)については、少しこの辺考えてもいいかもしれませんね。「無双出来るゲームだったから楽しくてそんなこと考えたこともなかった」という話もあるかもしれないですけど。

その一方、茶番センサーの感度が良過ぎるのも考え物です。だって、就職活動が茶番なら世の中茶番じゃないことなんてそう滅多にないですよ。長期の話とはいえ、賭けられている金額は億単位なんですから。皆さんは「全力が出せない」という強烈なハンデを背負って生きていくことになるわけです。ピッコロさんのつけてた重石よりはキツいと思いますよ。

これは社会に出てからもそうです。我々は「くだらない」と感じたものが一切脳に入らないという傾向がありがちです。僕はせっかく就職活動で茶番センサーを切ることを覚えたのに、これを言語化出来ていなかったため就職した後またも同じ罠に嵌りました。仕事は就職活動ほど射幸性が高くなかったのでハマることすら出来なかったです。(僕が営業を推奨する理由はこの辺にもあります。歩合制はかなり良いです)

理想は、怜悧に茶番を茶番と認識しながらも、同時にその茶番に向かって全力で突撃していけるマインドセットです。世界は茶番です。無意味でくだらないクソです。でも、勝ちたかったら全力を出すしかないわけですよ。本気で茶番を演じるしかないんですよ。戦略分析にはメタ視点や俯瞰視点が不可欠ですし、歩兵として突撃するにはウォーするしかありません。人生は分業できないので、この矛盾を丸ごと飲み込むしかないんですよ。でも大丈夫です。やれます。意識的に繰り返していけば、「茶番」に没入することは少しずつではありますが出来るようにはなります。セルフ体育会系メソッドですが、一回「なるほど、メリットがあるな」と実感として感じることが出来ればかなりやりやすくなります。

僕がこのブログで推奨している「部族に順応する」などの概念も、全て茶番です。クッソくだらないです。でもやりましょう。人生は分業できないのですから。あなたは冷徹な戦術家であると同時に、雄叫びを上げて一番槍を突く歩兵である必要があるのです。それを踏まえて、就職活動は素晴らしいトレーニングの機会です。試行回数は多く、多少失敗しても後に響きません。ここで感覚を掴んで再現性を確保しておけばその後の人生がかなり楽になると思います。

どうですか。ハラは決まりましたか。

次回は具体的なテクニックについて語ろうと思います。やっていきましょう。